2006/7月下旬 谷川岳・烏帽子岩南稜
長雨
この幾日か、じりじりとした思いで何度天気図を見たことか。
つい先週には「そろそろ梅雨明け」の報に期待は膨らんだが一転、長雨の様相。
九州では洪水、長野では土砂崩れ、我家では洗濯物の氾濫という事態に とてもではないが仕事どころではなく、世界平和どころでもなく、気になるのは山の天気。 谷川岳の空模様なのである。
一の倉出合は薄霧。辛うじて衝立が見える。
先行に6人パ-ティ-。雪渓を登る頃テ-ルリッジ末端を行く姿が見える。
テ-ルリッジは濡れていて、最大摩擦が低下している。嫌な感じだ。
残念なことに目的の2ルンゼ上部はガスに霞む。滝沢上部は完全にガスの中であった。
ここは予備ル-トの烏帽子南稜にスライドが妥当であろう。とはいえ、決して快適なクライミングは期待できない。
先行は中央稜。遠藤氏率いるガイドパ-ティ-。
中央稜取り付きで小一時間、日が射すのを待ち南稜テラスへ向かう。
テラスに着くころにはガスも晴れてきて好転の兆しも見えるが岩は濡れている。
期待を込めて
1ピッチ目、リード。充分な時間をかけて確実に。
2ピッチ目チムニ-、フォロ-。足がすべり片手でぶら下がる。敢え無くテンション。
3ピッチ目、リ-ド。少し左に寄りすぎた感。
4ピッチ目、草つきフォロ-。
5ピッチ目、大岩直下フェ-スをリ-ド。
6ピッチ目、リッジ左の凹角をフォロ-。馬の背。
7ピッチ目、リッジからクラックをリ-ド。カンテは岩が乾いていて快適。クラックはまだ濡れていて慎重に通過。
8ピッチ目、核心のフェ-スをフォロ-。濡れ濡れを確実に。最後のガバで豪快に体を上げる。
休憩もそこそこに六ルンゼ下降。
想定していたピッチ切りをミスってロ-プが嵌る。大岩まで登り返し。ロ-プを固定しタイブロック使用。
あとは順調に南稜テラス下。そして中央稜取り付き。
ガイドパ-ティ-は時間切れ中退、後発の中央カンテパ-ティ-も中退したらしい。
が、しかし
テ-ルリッジの下降はいくらか乾いた岩を注意深く下る。
中間部と下部の岩場、双方で懸垂下降とした。
下ってみれば一の倉はガスに消え、白毛門は青空に映えるという如何にもの天候。
何はともあれ一本。谷川温泉で汗を流せばようやく人心地。次なる登攀こそは乾いた岩を触りたいものである。
話は戻って空模様のお話。
残念ですが梅雨はまだ明けません。が、しかし・・・。(ここからが重要なのである。)
「世界の人々が平和でありますように」(人々限定)であるように「梅雨でも雨が降りませんように」(梅雨限定) こう願えば良い訳だよ。
願って晴れれば苦労しないのはわかっていてもそう願うのだよ。
「願えば叶う。」そうありたいものじゃないか。
sak