acc-j茨城 山岳会日記

acc-j茨城
山でのあれこれ、便りにのせて


ただいま、acc-jでは新しい山の仲間を募集中です。

足尾・神子内川黒沢右俣

2017年06月28日 17時52分53秒 | 山行速報(沢)

2017/6/17 足尾・神子内川黒沢右俣(左俣下降)


「行きたいところの希望ありますか?」の問いかけに、sztさんから、「近くてリ-ズナブルなら、尚良し」との回答。
ならば、地の利も生かしてこの好機に、行ってみたかった近場の沢をチョイス。

と、いうのがこの度の計画。

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「青い鳥」
~それさえつかまえられたら幸福になれるのに~

初夏の暑い日に、程よい清涼感。程よい緊張感。
「時間を気にせず、大渓谷を遡ってみたい」と思うこともなくはないのである、が。

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国道122号線脇の林道ゲ-ト前に車を止める。
林道をしばらく歩いて二つ目の橋、黒沢2号橋から入渓

メンバ-はsztさん、kei2さん、kakさん、fukさん、sakの5名。

なんてことない河原を歩いていくとほどなく適度に登れる滝が現れる。
思い思いに越えて行くと巨大なスケルトン堰堤。
ほほう、これはこれは。
などと唸り(意味不明)ながら、中を通り抜けていく。

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「思い出の国」
~生きている者が思い出してさえくれれば目がさめて、いつでも会えるんだよ~

神子内川・黒沢は”いつか行きたいリスト”にリストアップされている足尾の沢。
それを知ったのが、ひろたさんの記録である。

「その空の下で」
http://sonosoranoshitade.web.fc2.com/index.htm

沢の世界では、ご存知の方も多いはず。

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巨石帯も思い思いのラインで抜けていくと、最初の関門、10m。
右岸にトラロ-プつきの巻道もあるけど、ここは水流右をsztさんにラインを引いてもらう。
その後はザイルピストン方式。
上部の一歩がヌメっていてちょっぴり緊張するが、スタンスはしっかりしている。

10mを抜けると、二俣。右俣に進路を取る。

そこからは飽きることないリズムで滝が出てくる。
しかも、どれもが快適に取付くことができる。

10mトイ状を中央突破し、滝の落ち口へ一段上がるところが核心だろうか?
チョットだけ飛沫を浴びながら足を突っ張るところが楽しい。

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「運命」
~人間は何かひとつ「自分の運命」を持って産まれていかなければならないのです~

それが山か渓かと問われれば、即答に躊躇してしまう。
むしろ、平凡な日常の中に浮き上がる非日常が清冽なのであって、「運命」とは程遠いような気もする。

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その後の10mは左の凹角を行く者、水流を突破する者、中間のスラブを行く者。
それぞれに緊張感のある滝場を楽しんだ。

ナメの癒し系の後はしばらくゴ-ロ続き。
ここまで、リズムよく滝場ゾ-ンと癒しゾ-ンが続いたので、「箸休め」といったところか。

上部は沢の分岐が入り混じるが、概ね水流の多い方を選択する。
15m階段状をピ-スサインなど出しながら進むと取水施設。
県道のガ-ドレ-ルを目指して右岸の小笹尾根に上がると苦労なく舗装道路にポンと出る。

本当は半月山に登って中禅寺湖と男体山の景色を堪能しようと思っていたものの、生憎上部はガス。
まぁ、いいか。ということで、半月山駐車場で一休み。

山での「粒あん&マ-ガリン」はsakのごちそうです。

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「溺れる人達」
~テーブルに座った者達はごちそうに魂を奪われて、誰の言うことも聞かなくなってしまいました~

山の世界というのは総じて禁欲的、かつ危険な世界とも思える。
平穏な生活の中でも見いだせる安全安心(賭博性・違法性の高い危険な嗜好もあるが、)な嗜好もあるのだが。

ただし、やはりそれはどことなく物足りなく感じてしまうのだ。
「なぜ、山に」と問われて、あなたは何と答えるだろうか?

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下山は黒沢左俣。
駐車場の端から小笹の尾根を行くが、踏み跡に誘われ支尾根に入る。
「この急斜面を下るの?」と不安になるようなら、それは間違い。
一つ右の尾根にトラバ-スする。

こちらの尾根にも踏み跡はあって、程ほどに快適な小径。
しばらく進んで尾根左斜面にトラバ-スする。
小笹の明るい尾根から一転、暗い林を行く。

石垣の積まれた場所から下降を開始する。
初めは落ち葉の深いグズグズな斜面を何とかやり過ごし、我慢の展開。
水流が出てくると幾分楽になる。

大きな涸沢を合わせると石積堰堤。


小滝をいくつかやり過ごすと3段17m。
ここは懸垂下降で。

その下の2段10mは左岸を巻き下る。
最後の見所、石橋的構造物。これが何かは謎。

僅かで二俣に戻り、10mは右岸の巻道を下る。
堰堤をすぎると左岸にガ-ドレ-ルが見えるので、林道にあがる。
幸福感に包まれながら、ゲ-トまでは一投足。

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「幸福」
~幸福とは気がつかないだけでごく身の回りに潜んでいるものなのです~

場所や評判がバロメ-タ-ではないのです。近くても充分楽しめる。それは、仲間があってこそ。
まぁいろいろあるかもしれないけど、山の喜びを広められるように。

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すごい。すごいよ。
sakの登山史上初の出来事!
驚きの「交通費、一人あたり650円」

幸福はこんなところにも。


sak


浅草岳

2017年06月27日 21時48分35秒 | 山行速報(登山・ハイキング)

2017.6/25(日):kei2

天気:曇り

 

昨日の釣山行を終え、只見駅で車中泊。
3年目にして、ようやく山開きに参加することができました。
登山口と下山口が違うので、送迎がありがたい。
但し、下山後は乗り合いタクシーで600円負担になりますが・・・。

【コース】
只見駅―(バス)―田子倉登山口~田子倉の眺め~鬼ヶ面眺め~浅草岳~天狗の庭~入叶津登山口―(乗り合いタクシー)―只見駅

 

5時30分の受付に並ぶ人たち(1時間前から並びはじめる)

バス5台で登山口に向かいます

6時15分から神事をおこないます。が・・・
渋滞に巻き込まれる前に、急いで出発!!

最初のピークに立てば浅草岳山頂が見えるが遠いなー。

鬼ヶ面山

今年のヒメサユリの開花は遅れ気味。これからが見頃。

心配していた渋滞に巻き込まれることなく到着。

湿度が高いので景色もいまひとつ。休憩はたったの5分。

下山コースは長いとのこと。気合を入れて出発!!

湿原が広がる先に雪渓

ブナの杜は気持ちの良い新緑

10時25分、1番で到着。
まだ準備中ですが、麦茶と甘酒のおもてなしを頂きました。
下山後にスタッフの方に聞いたら、250名の参加だったそうです。
乗り合いタクシーはまだ到着しておらず、11時~4人揃って出発。



おつかれさまでした。

☆☆☆ kei2(^_^)/ ☆☆☆


北川 2017年初夏

2017年06月25日 11時51分18秒 | 山行速報(フリ-)

 秋葉大権現 【5.12b】

ロープのかかっている秋葉大権現の下部.ここがどれだけ苦労したことか.ロープとヒノキの線が鉛直方向なのでそこから被り具合がわかるかな?写真の撮り方がへたっぴですみません.

秋葉大権現は右側ののっぺりした壁を登っていきます.わかりづらいよな~

 

4/22 U先生のビレイ

 北落師門の報告でも述べたけど,河又から転戦してU先生が取り付いていた課題だった.北川はチャートと聞いていて,個人的にはチャート以外の岩場の課題に挑戦したかったから遊び気分でここに来たのだけれど,【秋葉大権現 5.12b】で"課題見て登りたくなっちゃう"病を発症.

 被ってはいるけれどパッと見た感じホールドがシンプルで壁がスッキリとしていた雰囲気に惹かれ,グレード的にも自分にとって多分限界ギリギリで,もしかしたら登れるかもしれないし登れないかもしれないしという難易度だし,課題を見たらとにかく頭から離れなくなってしまった.こういうのを惚れちゃったっていうのかな?登山していて景色を眺めていたら,強烈に印象に残ってとにかくその山や壁を登ってみたいという衝動ってありません?そんな感じというか...

 この日触った【北落師門 5.12a】は軽く片付きそうな手応えだったので,とにかく早く片付けて挑戦してみたいと思ったのでした.

 

5/4 4トライ(ヌン掛け含む)

 この日は,K崎さん,Hさん,Tさんと一緒に北川にやってくる.一便目はまず下からとにかくヌンチャクを掛ける.こんなグレードは自分にとって限界ギリギリなんだから迷わずとにかくかける.

 二便目.U先生はハング越えのムーブが難しいと言っていたので1ピン,2ピンにプリクリしてトライ.下部は全然わからない.あんまりこだわっても仕方ないので中間から上部にかけても整理する.中間部までホールドは細かく指にかかるところを探す.上部のホールドはそれまでと比べよくなるが被っているし下で消耗すると繋げられるかなんて自信は全くない.ただほぼ各駅停車ではあったけど終了点までは到達.

 三便目.やっぱり下部が全然ダメ.ハングを超えたガバをU先生がどう取っていたかもよく覚えていない.この日来ていた別パーティの方が右で取ってましたと教えてくれる.その方は左で取ったそうで多くの人は左で取るみたいだそうな.う~ん,解決すべきところはいっぱいあるのでここはひとまず後回し.

 四便目.このルートは2ピン目をクリップするまでと4ピン目のクリップが問題になりそうということが大まかにわかる.後はどれだけ消耗しないで上部までこれるかな~そんな感じでこの日のトライを終えたのだった.

 

5/21 5トライ

 U先生と約2週間ぶりのトライ.正直5月の連休と前週の土日を使えなかったのが痛いな~と思っていた.ちょっと梅雨入り前に片づけられないだろうな~,まあ秋に繋げるムーブ固めのつもりでやってくる.岩のコンディションは湿気り気味.ヌメっていてアップの10bでものの見事にフォールするくらいだった.

 下部ハング越えのガバ取りが決まらない.U先生にガバを取りに行く手前のホールドの持ち方のコツを教わりほんの少しだけ前進した感じを掴む.この日来ていた他の人の話も参考にさせてもらい,どうやら自分にとってガバ取りは右手出しの方が良さそうとの結論に達する.ここばっかやると指や手を痛めそうなので,中間部から上部もトライ.4ピン目のクリップムーブまで繋げられない.まだまだ解決すべきところはいっぱいである.わずかに前進.そんな一日だった.

 

5/24 3トライ

 パートナーはHさんと.この春三回目の平日有給カード切り.仕事の有給が取れそうなのが今年はもう最後だろうということでひとまず使う.休暇ってそのためにあるし手は尽くさないとね.

 下部ハング越えのガバが止まり高度を上げる.しかし4ピン目どころか3ピン目を掛けるのがやっと.それでも前回から一歩進んだ感じ.その後のトライでは手がヨレハング越えの精度が下がる.それにしても4ピン目のクリップはおっかない.保険で長いヌンチャクを掛けているが必ず長ヌンに頼ってしまう.21日からのインターバルが短いせいか体がヨレるのも早い.3トライが精一杯だった.

 

5/27 2トライ

 U先生,千葉のSさんと北川にやってくる.U先生に24日に右手でハング越えのガバ取りができたことを報告.そして実践したら1トライ目で止める.しかし2手先で足がスリップして2ピン目までには至らず.岩のコンディションは予報と違い雨がなかなか上がらずあまりよろしくなかった.自分のコンディションとしても1トライ目でなんか左腕に痛みが走り,おんなじ課題ばっかやってるから左指も痛く,岩場に通うインターバルも短いので体は全体的にヨレ気味.こういう時は無理をせず,この日は2トライで終了.ただ,U先生から上部のムーブでヒントをもらい一手短縮することがわかる.まぁ,明日明日.

 一緒に来たU先生は【ルンルン・ヒロシ君 5.12a】を湿気った悪いコンディションの中,気合のRP.思った以上に苦労したみたい.途中危うくグラウンドフォール寸前という場面がありながらの果敢なトライだった.それにしてもビレイは止められてよかった~,ふぃ~~.

 千葉のSさんは【北落師門 5.12a】で楽しんでもらえたみたい.また秋に来ましょうね~と言ってこの日はお開きとなった.

 

5/28 3トライ

 近くで一泊して連日の北川.岩のコンディションとしては前日よりましな感じ.後から来た人たちは「濡れててわるいな~」なんて言ってたけど,じゃあ昨日来て「昨日よりいいっすよね~」って言っている我々っていったい,,,?自分の体のコンディションは左の指が痛い!

 下部のハング越えは精度が上がらない.指も痛くこの日は早々に諦め,4ピン目のクリップムーブを探る.途中ハングのガバを”取ったとして”から始めてムーブを起こす.写真で見るとそうでもないが,突っ込んでいくとランナウト(3ピン目と4ピン目の間隔が空いていて)していて怖い.ホールドも小さいのでなおさら恐い,怖い.怖いけど,それでもかまわず突っ込まないと登れない.だから怖い気持ちをねじ伏せて気合で突っ込む.

 そうこうするうちに,指の置き方,足を置く位置,足と腰の使い方が少しずつ分かってくる.とっても繊細な動きだけれどクリップムーブはなんかこれかなというものを掴んだような気がした.それでも今後は湿度も上がるだろうし,来週晴れるとも限らないし完登は秋かな~なんて思っていた.

 U先生は昨日の勢いを落とさずに【錦ヶ浦 5.12c】をRP.やっぱりね.落とすと思ってましたよ.口には出しませんでしたけどね^^

 

6/3 下部5トライ,トップアウト1回

 今週のパートナーはOさん.自分の予想では来週末は梅雨入りしていそう.登るなら今度の土日なのだけれど,正直全然登れるって思ってなかった.じゃあなんで土日来る予定を立てるんだろう?

 それは多分ダメだと思ってても手を尽くさないと後悔するって経験上知ってるからか?結果も大切なんだけど,いい結果を得るにはいい過程も大切.手を尽くしていれば,もしこの先いろんな状況が重なってこの課題をクリアできないとしても自分のココロにケリをつけられる,そういう感じかな?

 前回までのトライでようやくムーブが全部ばらせた気がしたので今日の課題は2ピン目からのプリクリップでなく,1ピン目からのプリクリップでスタート.これが安定してくればようやくRPが見いだせるのでは?と思っていた.

 案の定というか,予想以上というか,1ピン掛かった状態でとっても苦労した.まずはビレイヤーの位置で腕や体がロープにあたってしまいハング越えができない!それからホールドを取ったとしても微妙にロープにテンションがかかり助けられているみたいで,下部のハングを抜けたとしても気持ちがなんだか晴れない!!

 この日は途中のハング越えのガバから繋げて初めて4ピン目のクリップがかけられる.それにしても,お助けの長ヌンチャクを掛けていたら突っ込んでいったときに長ヌンが邪魔でしょうがなかった.あー怖い怖い.あんな怖い思いはしたくないのでいよいよ長ヌンチャクは外したのでした.岩のコンディションは今までで最高.人は我々のみ.しかし今一つ気合いが乗っていなかった.こういうコンディションで落とせないのが実力か?いい条件って早々続かない.機会の窓ってそんなに開いてない.やっぱり完登は秋になっちゃうかな~??そんなことを思いながらも,U先生に連絡を取り明日の北川トライの段取りを組むのであった.

 

6/4 3トライ RP

 今までの北川通いでここの岩場の傾向がわかるようになってきた.ここは西向きのため,午後遅くなると岩が暖められてコンディションが下がる.昨日は乾燥して適度な北風が吹き,乾き具合は私にとっては最高だった.今日これからどうなるかはわからない.朝一番にU先生と到着した時には誰もおらず,岩の乾きも昨日と同様な感じがした.勝負になるのは昼前までかな~?そんな風に思っていた.

 この土日の前の平日は体を休めてスポーレでのクライミングはお休み.アップだって指にあんまり負担を掛けたくないから,5.8を時間をかけてじっくり四肢を動かしながらゆっくり登る.昨日は課題に対して気持ちが散漫になっていた気がする.アップが終わったら下部のムーブを頭で再確認.今までやってきて取れているんだからあとは気合いだ.気持ちが集中できなければいい結果なんて得られない.完登するための手立ては尽くさないと.

 1便目.頭で描いていたのは,「昨日は思いっきりが足りなかっただけなんじゃないか?」ということ.「集中,集中」と胸の中でつぶやきながらスタート.ハング越えのガバをきっちり右手で止める.安定して体を引き上げ2ピン目も落ち着いてクリップ.3ピン目下のガバ取りもうまく決まる.「あー乾いてる.こりゃコンディション最高だ!」と思いながら3ピン目にクリップ.さあここからと頭を整理していざアタック.ホールド,足さばきも落ち着きいよいよ4ピン目のクリップ.親指添えて,肘を伸ばして,腰を入れて,ロープをヌンチャクにかける.「落ち着け,落ち着け」と唱えながら足を置きかえて右手を出す.右手が止まる.ここで5ピン目にクリップ!と思ったのだがうまくかけられない.左足がミシンを踏む.「くそっ!落ち着け!」と唱えて左手を添えてから再度クリップ.しかしここで力尽きる.「はぁ~っ!」

 これでコンディションが良ければ秋には登れることを確信する.上まではもうわかっているので下まで降ろしてもらう.U先生からは「登っちゃうかと思ったよ~」と言われるが,自分ではこんなもんかなと思っていた.それより下部から繋げて最高到達点まで登ったことが素直に嬉しかった.

 2便目.「下部がまぐれだったかも」と弱気なココロと闘いながら,「気合い,気合い!」と気持ちを鎮めてアタック.下部のハング越えは余裕をもってとめられた.1便目よりも全体的にわずかに余裕がありながら4ピン目のクリップもこなす.足を置きかえてさっきのところを右手で取りに行く.今度は右手が浅い!ここでもたつき同じところでまたもやフォール.さっきは足が気になったせいか右手取りが散漫になってしまった.でも原因はわかっているから修正するだけだ.それはジムでも散々やってきたこと.秋には間違いなく登れるとの思いを強める.

 北川では雉打ちは旧小学校のトイレを利用する.正午近くで旧小学校へ降りる.カラッとした天気でコンディションは絶好だ.このとき下に降りたら少しささくれ立っていた自分の気持ちが少し落ち着いた.この日は多くの人が規模の小さい岩場に来ていて,それを少しネガティブに捉えていたけれど,なんかうまく気持ちを切り替えられた.

 3便目.相変わらず下部に自信は持てないものの,「気合い,気合い!」と集中してスタート.あっさりハング越えのガバを止め,流れるように3ピン目まで体を上げる.レストも落ち着いてできている.足の位置を確認して上部へアタック.4ピン目に澱みなくクリップしていよいよ鬼門の右手出し.エイッと右手を出してみれば今度はいいとこに右手がとまる.ちょっとだけ左手を添えて休ませてから5ピン目にクリップ.その後は予定が狂って考えていたのとはちょっと違った態勢になることも...「大丈夫,大丈夫」と唱えながら腰を寄せ,「落ち着け,落ち着け」と気持ちを鎮めて登っていく.カンテ越しにガバを掴み右足を決めて7ピン目にクリップ.棚の上に上がり一息つく.「はぁ~っ」.最後に乾いて登りやすいスラブを登り終了点に到達したのでした.

 正直梅雨入り前にこの課題を登れるなんて思ってなかった.パートナー,天気,いろいろな幸運が重なってできたと思う.人工壁でも登っていれば一定のグレードまで登れることが証明できた気がする.これで秋までゆったりしたペースで課題に取り組めるかな~と思うのだった.

 自分にとっての目標からは随分違う道を進んできてしまっているような気がして複雑な気持ちになることもあるんだけれど,世の中で起こることってそんなことばっかりだ.だから数年前は考えてもいなかったことを成し遂げられたことは受け入れて,周りの人たちや環境に感謝した方がいいのかなぁ~?

 それにしても最終日は胃が痛かった.フリークライミングは根を詰めすぎると体に悪い??

 

szt


北川 2017年春

2017年06月25日 06時38分56秒 | 山行速報(フリ-)

 北落師門 【5.12a】

とある日の北川の岩場.何人も登っていいる中で右側の人が北落師門下部をトライ中.

 

 4/22 3トライ

 河又のデザートソングを落とし,「自分の中では春のノルマは達成!」くらいの気分.この日付き合ってくれたU先生は北川の【秋葉大権現 5.12b】をトライ中のため,目標達成をしたら気持ちを切り替えてお付き合いするべく,すぐさま北川に移動した.

 この日は3パーティ10人近くの人がいた気がする.取り付き始めたのはまさしく12時くらいか.去年の冬にU先生から北落師門の事は聞いていた.12aにしてはやや易しめということ情報を得ていて,有名な課題だしヌンチャク掛かってるしやってみるかという感じで,簡単なルートでアップもせずにトライする.

 1トライ目,中間部のレストポイントまで指を消耗させながらもなんとか進む.そこから先は被ったとこを必死で進むが右へトラバースした辺りでフォール.その後はリップを取りに行くムーブを整理してひとまず終了.体感としては石灰岩に比べるとチャートの岩場に体が慣れてるかな~という印象.

 2トライ目.下部の凹角気味のところでテンションがかかる.ここでU先生から楽なムーブを教えてもらい,上部も整理してリップを触るところまで到達.残念ながらこの日の午後は雨に降られ,おかげでリップは雨でベタベタ.触るもののちっとも保持できず探れそうな気配もないので,リップの終了点にクリップできずロワーダウン.

 3トライ目.ムーブは固まってリップ取りまでノーテン.しかしながらリップは雨にぬれちっとも止まりませんでした.またしてもリップの終了点にクリップできずあえなく敗退となったのでした.

 

4/25 3トライ RP

 4月2回目の平日有給カード切り.念のためデザートソングを落とせなかった時の保険でカードを切っていたが,北落師門を片づけるべく北川に向かった.この日のパートナーはHさん.道中いろいろ話してみると,沢登りや山登りも行ってみたいとおっしゃるではないか.そのうち一緒に遊びに行きましょうねと会話が弾む.着いてみれば平日ということもあり,取り付いているのは我々だけ.

 1トライ目.リップ取りまでノーテン.今日は岩も乾いていてリップを取って終了点にクリップも可.ただ予想通りリップの乗越しでテンションがかかる.一回乗越したあともう一度ムーブを確認したかったがリップから飛び降りたらルートに戻れなくなってしまった.それにしてもリップから下に飛び降りるのはとてつもなく怖い.バンジージャンプやる人の気持ちがよくわからない.

 2トライ目.乗越しのムーブに不安を抱えたままトライ.最後の乗越しもいい感じで体は上がるが最後の脚を上げるところでバタつきあえなく落ちる.一回だけ整理して乗越してみるがうーんなんかよくわからん.もう一回と思ってまたリップから飛び降りる.そしてまた壁から離れる.何やってんだ?それにしてもリップからの飛び降りは心臓に良くない.怖いうえに気持ち悪いことこの上ない.

 この日Hさんは【謙譲の美徳 5.11a】をRPし,その後に北落師門もトライしていた.最後の乗越しのところもトライしていて,その時ボソッとつぶやいた一言でここの体の使い方のポイントを掴めたような気が...

 3トライ目.リップ取りまでは問題なし.核心の乗越もHさんのつぶやきをイメージして落ち着いてホールドを探していくと,,,乗越せた!!上の終了点まで乾いたスラブを歩き無事RP.

 Hさん,ヒントどうもありがとうございました.ただ,Hさんがヌンチャクの回収に苦労しているのをみて,北落師門は回収が核心かもと思ったのだった.

 

szt


河又 2017年春

2017年06月24日 20時47分08秒 | 山行速報(フリ-)

 デザートソング 【5.12a】

 

2/12

 この時はドラゴンストリートをトライ中だった.一緒に遊びに行ったKさんとN隊員が,ヌンチャクが掛かっていたので出していた.個人的にはチャート以外の岩場でこのグレードは登っておきたいと思っていたが,浮気をしてもすぐ登れないと思っていたので触りたい気持ちはこらえて眺めていた.「いつ頃トライするのかな~?秋くらいかな~??」なんて思ってた.

 

3/25 1トライ

 このときは別の課題をトライ中だったけど,別のパーティがみんなでこれをセッションしていた.パートナーのN隊員は仕事が忙しくなりしばらく外の岩場に来られなさそうなのだが,"みんなが登っていると登りたくなる"病が出てきて一回だけトライ.核心手前まではいろいろやっているうちにできてしまった.この日もう一便出したかったけどあまりに取り付いている人が多く一便のみのトライで終了.

 

4/1 1トライ

 前日の夜から当日朝まで確か雨.でも被った岩場だからとのこのこやってくる.お世話になっているU先生からは後で「よく行ったね~」という天気だった.

 N隊員のトライしているドラゴンストリートは核心だけ濡れている.が,デザートソングは全く問題なし.おまけにこの天気でだーれも来ない.ということで,核心のムーブばらしは置いといて,4ピン目以降のムーブを探る.つなげてきたらここが苦しそうな気がするのでね.たっぷり時間を取れたおかげで上部はなんか目途が立ったかな~という感じ.正直この日はもう少し触りたかったけど,雨の中ビレイしているN隊員に申し訳ないので1トライして終了.

 

4/15 5トライ(ヌン掛け,回収便含む)

 雨で土日がつぶれ,これから先のコンディションを考えると土日のみでのトライでは心もとない.仕事に余裕があるのをいいことに平日有給カードを切る.この日のパートナーは古賀志でいろいろとお世話になったSさん.

 核心の手前までは安定して取れるようになるものの核心のムーブがいまひとつ決まらない.おまけに前回から約2週間ぶりで上部のムーブもすっかり忘れていた.1回トップアウトしたら全力出し切ってヨレヨレだった気がする.5便目はトライしに行ったけどもう無理.回収するので精一杯でした,はい.

 

4/16 5トライ(ヌン掛け含む)

 この日のパートナーは去年赤岳鉱泉のゲレンデで一緒にアイスクライミングをしたSさん.ここ何日かは天気も安定していて岩の状態はバッチリだった気がする.デザートソングに取り付く人も3人くらいいた気がした.

 この日は1テンでトップアウト.4ピン目横のガバまでのムーブが決まったと思い,落としにかかるがどうしてもガバの手前で落ちてしまう.他の人のムーブや落とした人の話を整理してこの日最後のトライでフォールした後にもう一回ムーブを再整理.一工夫して左手を一手減らしたらあら解決!こっちの方が楽だしぐっとRPの可能性を感じたのでした.これは登れそうだ.早いうちにここに来なければ!という思いを胸に岩場を後にしたのでした.

 

4/22 2トライ(ヌン掛け含む) RP

 ようやくRPの手応えを掴んだものの,問題はパートナーがいない!!困ったな~と思っていたら,自分のパートナーが負傷したためU先生が付き合ってくれることになった.ありがとうございます!!

 アップを1本登り,アップがてらヌンチャクを掛けてからいざアタック.核心も前回ばらしたムーブであっさりこなし,上部も落ち着いてまとめて余裕のRP?ほんとは前週落とすべきだったかな~?などと思っていたものの,まあこれが実力だから受け入れましょ.見てた人にはアップで登っているのかと思ったと言われ,「散々トライしたんですよ~」とココロの中でつぶやきつつ,この日は午前中のうちに河又の岩場を後にしたのでした.まあとにかく2本目の12aが登れてよかったよかった.

 

北川編につづく

szt

 


会津朝日岳

2017年06月16日 00時45分19秒 | 山行速報(登山・ハイキング)

2017.6/11(日):2名

天気:快晴

 

2011年(平成23年)の福島・新潟豪雨により登山口までの道路が土砂で埋没。
4年間入山禁止。2015年のシーズンから再開。

この日は山開き。スタッフの方に話を聞いたところ、170名の参加。ちなみに昨年は200名。
臨時駐車場は赤沢登山口より4km手前の黒谷川沿いの河川敷。
臨時バスでの送迎があり、「いわなの里」にて開山式が5時40分から行われた模様。

 

前日入りで赤沢登山口駐車場で仮眠。
開山式は200m手前の「いわなの里」で行われるが、渋滞に巻き込まれる前に出発

赤倉沢の橋を渡り、しばらく沢沿いの作業道を奥に進んでいく

沢から離れ登って行くと最後の水場「三吉ミチギ」に到着。(出発して1時間程)

つづら折りの急こう配で高度を上げていく

展望のない前衛峰 叶の高手、標高1430m
ここから緩やかに下り 熊の平鞍部まで約40分

会津朝日岳の全貌

最低鞍部の熊の平付近にある避難小屋

 

昭和53年に設置 定員20名
ちょっと薄暗いな~

山頂直下の小幽沢カッチの急な雪渓。雪壁の傾斜がキツイ。
雪渓ルートが不明瞭・・・
迷いながらも頂上目指し直登だ!

山頂到着 8時20分 

浅草岳と田子倉湖

越後三山

混雑を避けるため、早めに下山開始。

開山式に参加した!?先頭集団と遭遇。
ステップ切りをしているスタッフの方の後ろに長蛇の列

吸い込まれそうな急斜面。
6本爪アイゼンでは少し厳しい~。慎重に・・・
(この場所は、毎年滑落があるらしいです。)

下山後は会場が設置され、麦茶、甘酒、漬物のおもてなし。
非売品のバッジをもらいました。

 

出発してすぐ、あちこちに残雪。Oh~さすが只見、豪雪地。
標高を上げていくと、ニリンソウ、タムシバ、カタクリ、ミツバツツジ。。。と一斉に開花。
そして、新緑と残雪のコントラスト、大展望の景色が素晴らしい。
紅葉の時期もいいかも!!

 

おつかれさまでした。

☆☆☆ kei2(^_^)/ ☆☆☆


阿武隈川 南沢

2017年06月13日 22時30分13秒 | 山行速報(沢)

2017/6/10(土) 天気:晴れ/雨

メンバー:K会長,kei2,K崎,szt,他1名

 

 なんだか久しぶりの山行報告だ.今年の1月下旬以降メインはフリークライミングばっかり.2月までは報告してたけど,その後も河又,有笠,北川といくつかの課題を登り,梅雨入りとともに岩登りは終了.これからは沢でしょ!

 ということで向かった先は甲子山の南沢.前日に急遽参加が決まったK崎さんも含めて総勢5人の山行(遡行?)となりました.

8:00に車を路肩においてスタート.沢に降りるまでの林道がわからずに橋脚の下からほぼ真下の沢床に下ってしまう.正解は橋脚を横切る林道をそのまま歩いて沢に下るようだ.途中堰堤を巻いて歩いていくとお目当ての南沢が見えてくる.8:25南沢の出合から甲子山へ向けて詰めていく.

K会長の言葉によると,適度な滝が適度な間隔で出現してくるとのことだったが,早速1つ目の10m滝.

K会長がトップで行く気がまるでなさそうなので私が行くのかな~などと思いながら,滝の左側に取り付き滝を見上げる.バンドを右上していく方が楽そうだが思いっきり出足から濡れそう...

濡れるのにためらっている人の気配を察知し滝の左側を直上.

むむっ,意外となんか怖いぞ.と思いつつ何とか滝上へ.

皆さんに感想を聞くと怖さはそうない様子.そうっすか~,,,

ロープをしまい歩いていくとまた10mほどの滝が出現.

ええ,どんどんリードしますよ~.ここはなんだか岩がもろかった気がする.

さらに進んで,4mトイ状の滝を登ると3段の滝の上段12m滝が出現する.これはさすがに登れなそう.なので右から巻いてゆく.巻いてゆくときにお土産をゲット.

歩いていくうちに雪渓出現.

それにしても会長の言う通り適度な間隔でなかなかの滝が現れる.12mの直瀑を過ぎると8m滝出現.

ええ,どんどんトップで登りますよ~.ここは滝に取り付くまでの出だしの泥&落ち葉がいやらしい.泥&落ち葉でバランスを崩しかけ,その拍子に上の岩を触れば崩れそうだし,あーくわばらくわばら.トラバースをしていくと残置のスリングが出現.それを迷わずガッチリつかんで一安心.冬にバリエーションが登れなかった鬱憤を晴らすべく滝の登攀を独り占め?

こーんな感じのゴルジュを進み,,,

ちょっぴりいやらしい5m滝の左側を登る.会長の気持ちにも火が付きロープなしで登る.ジムや外のショートルートで一緒に登るHさんもロープなしで滝を登り沢登りを堪能しているみたいだ.

なかなかしっかりした雪渓が残っている.今年は雪が多かったのか,それとも毎年こんなものなのか.

15mの斜滝.ルート図通りホールド,スタンスともにしっかりしている.う~ん快適快適.

途中休憩を挟みつつ沢を詰めてゆく.車から降りたときは曇り空で風も強く寒いくらいだったけど,このころは日差しも降り注ぎ穏やかないい天気でとても気持ちがいい.

2段8mの滝を快適に登ってゆくと,,,

クライマックス?の30m大滝とご対面.

ここでもう一服して少し腹ごしらえ.振り返ってみるとここが沢登り全体の核心だった.

ルート図通り左側の滝壁との境の草付きを登るがなかなかにこの草付きが悪い.高度を上げるにつれハンマーを突き刺し,泥を蹴り込み何とか体を上げていく.写真を眺めてみるともう少し滝壁の境を登ってもよかったのかもしれない.登れば登るほど草付きの足場はどろどろで結構怖かったのでした.

バンドまで出ると一息つけるがなかなかの高度をトラバースするのでこれもまた気持ち悪い.なんかこの感じ久しぶりだな~などと思いつつ,ハーケンを打てそうなところを見つけて必死でハーケンをかちこむ.1ピン取って一安心.トラバースも思っていたほど悪くなく,そこから上部も階段状で問題なし.プロテクション取れるってホントしあわせ.

皆さんはここの大滝どうでした~??

大滝で悪戦苦闘している間に雲行きが怪しくなって雨が降り始め,さらに雷鳴も轟く.

これから尾根に上がるのに嫌だな~と思いつつカッパを着込んで登山道を目指していく.

雷が続くのかとヒヤヒヤしていたけど,2鳴りで雷の気配が消え登山道を目指して詰めていく.息が少し上がりはじめ,ハアハア言いながら歩いてゆく.あーこの山登りの感じ久々~~.花はきれいだし,山菜取れるし,やっぱり山登りって楽しーなー.

そうこうするうちに13時頃登山道に到着.残念ながら山の展望はイマイチ.

甲子山の頂上で装備を外し,記念撮影をして登山道を下ってゆく.

15時前には車に到着.さすがに大黒屋のお風呂には間に合わなそうなので,国道を下っていく途中の日帰り温泉で汗を流し家路に着いたのでした.

ん~,山登りって爽快でいいね~と思った1日でした.

夏は沢!たっぷり楽しまないと(^^)

 

szt


西上州・橋倉川本流

2017年06月08日 21時18分07秒 | 山行速報(沢)

 

sakです。
 
6/3、良さげな沢を見つけました。
行先は、西上州橋倉沢~今泉沢下降で行こうと思います。
 
アプロ-チ=集落歩き15分
滝=高巻きほぼなし
ゴルジュ=ちょっとだけシャワ-
詰め=舗装路まで5分

↓記録はこれです。
http://sankokai.blog34.fc2.com/blog-entry-353.html
 


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という、メ-ルで始まったこの度の沢登。
明らかに、前回の火打石谷でのツラい想い出を払拭するがための企画。

メンバ-はkim会長、kei2さん、furさん、新入会のfukさん、sak。
そして、東京からN隊長。総勢6名となりました。

奥多摩や丹沢という、沢業界のメジャ-な地域ブランドに比べて、西上州というマイナ-処。
しかも、ガイドなどで紹介されていないとなれば、、、

本当のところ、「このチョイス、ハズしてたらどうしよう」
というプレッシャ-もありました。

が、、、

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2017/6/3 西上州・橋倉川本流


神流川沿いの道をうねうね走って万葉の里でN隊長と合流。
叶山のビルディングフェイスを仰ぎ見たりしながら、国道462号から橋倉集落への道に入る。

暗い杉林の道を、これまたうねうねと登り橋倉集落。
その手前を鋭角4時方向のダ-ト道を下ると、終点が橋倉ダム。
ここに車を置いて、橋倉集落に向かう。

「防火水槽」の標識脇から沢沿いに歩く。
杉林を歩いて堰堤をパス。
沢に降り立つも今度は二段堰堤。

右岸から巻き、二段めの堰堤から5mほどの懸垂下降。
立ち枯れの中を行くと巨石帯。

適当に登ったり、右岸から巻いたり。
石積の堰堤を超えるといよいよ橋倉川も本番。
しかし、伏流でゴ-ロの廊下。

もしかして、水量少ない?

しかし、すぐに流れは復活して滝場が始まる。
前衛2mに続く、大きな釜を持った3mは、深い釜を時計回りで水流左を行く。

覚悟を決めて胸まで浸かる者
ヘツリに失敗してドボンする者
足場を見失い深みに嵌る者

そんなこんなが、最高に楽しい所。
「沢登してる。」
そんな実感が嬌声となって、みんなイイ顔。

そこからリズムよく滝場が出てきて、泳いだり、ヘツったり。
濡れたくなければ、それはそれで容易な巻道を行く。
furさんは初泳ぎの沢となりました。

滝場が一段落すると、スダレ状の美しい滝に新緑が映え、癒し系の様相。

西上州の沢、侮るなかれ。
橋倉川本流は知られざる秀渓と言っていいのではないでしょうか。

岩潜りの滝をくぐり抜け、第二ゴルジュ帯に入る。
前方に立ちはだかるビルのような岩壁。その岩壁が二つに割れ、岩溝から本流は流れ出る。
橋倉川の核心「スリットゴルジュ」だ。

下部は容易だが中段はナメ滝の様相で、スリップに注意。
念の為、フィックスを張る。

上部は釜を渡って、水流左から滝身を浴びて水流右へ。
そこから、飛沫を浴びながら直上。
ダイナミックなアクションに加えて、高さもあるので緊張する場面だがスタンスはしっかりしている。

残置はない。
滝の落ち口で、キャメ#1とアングルハ-ケンで支点構築。
ホイッスル1コ-ルして、後続を迎える。

皆、例外なく頭から水流を存分に受け、「ファイト!一発!」てな具合だ。

雄たけびを上げる者、
滝の登攀を振り返る者、
寒さに震えながらも笑顔、笑顔、笑顔。

kei2さんのスタティックなナイスクライムに続いて、最後はkim会長。
登攀魂のオ-ラが放たれた雄姿。
雨具を着込まなかったsakとN隊長は当面寒さに震えがとまらず、しばらく日向ぼっこ。

円形劇場型のナメ滝は造形が美しい。


右から水流をトラバ-ス、左から行こうとしたが、手がかりが少なく行き詰まる。
水流右から先行したfukさんに上からスリングで引き揚げてもらう。
fukさん、サンクス!

トイ状は左岸のリッジを行き、その上の滝は左岸を巻いた。

ナメが現れ、僅かで二俣。右に12mの立派な滝。
手がかりは多そうだが黒光りしており、とても滑りそう。


結局は左岸を巻いて滝上に出ると、林道(舗装路)のガ-ドレ-ルが見えてくる。
ツメがないのは良いのだけど、残念なのは不法投棄のゴミが散見されるところ。

下降は林道をしばらく歩いて今泉沢を目指す。
途中、橋倉集落への山道があるようではあったが、今泉沢下降を進路に取る。
結局は、炭焼場跡から踏み跡を伝って、橋倉集落への尾根道を行くと先ほどの山道に合流した。


今なら、自信を持って言えます。

オススメの沢を見つけました。
夏の善き日に、西上州・橋倉川。

 


sak