acc-j茨城 山岳会日記

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山でのあれこれ、便りにのせて


ただいま、acc-jでは新しい山の仲間を募集中です。

丹沢・塔ノ岳

1999年09月30日 16時21分01秒 | 山行速報(登山・ハイキング)

1999/9/下旬  丹沢・塔ノ岳

 

突然、1日のお暇をいただける事になった。

「じゃあ、山か?」そんな事から今回の山行は決定したのである。

決定が前夜だった事もあり、準備不足は否めない。 何処に行くか苦慮したが、ちょっと気になる事があったので、 丹沢・塔ノ岳に行く事にした。

ここ丹沢は自身3度目の訪問となるが、いつ来ても新しい発見、感動がある実に懐の深~い山域なのだ。 
何百回も塔ノ岳に巡礼している方々も数多く居られるのも頷ける。

登山道は樹林の中を緩やかに登る。

こうして樹林の中に 身を置くと、さらさらと涼しい風が気持ち良く、日差しは夏のように強くとも、やさしく秋を感じさせてくれる。

あっ、ネコだ!


堀山の前後から急登と緩登の繰り返し。

「堀山の家」前で小休止。ひたすら登りが続くと聞いていたが、ちょっと拍子抜け。

そんな事を考えている所になんと、「ネコ」が登場。
「ネコ大好き!」な私は思わず写真をパチリ。

ひたすら登る階段の急登


ネコに「さよなら」をしてから 55分ほどで花立山荘に着く。

しかし、ここまでの登りはきつかった。 急登の階段をひたすら登る。前半、甘く見ていた為、モロにカウンタ-パンチを 貰ってしまった。

塔ノ岳が眼前に迫る

反面、急登になってから展望も良くなる。右に表尾根、左に鍋割山、正面には 花立。それを越えると塔ノ岳が眼前に現れる。

塔ノ岳山頂から丹沢山、蛭ケ岳


丹沢の盟主塔ノ岳へは花立山荘から 30分で到着した。

霞と雲が多く、景色も薄ぼんやりだが、雲に浮いた富士山、 丹沢の主たる山の稜線、360度の大展望が素晴らしい。

山頂の休憩は小休止。なぜかって?実は本日の目的地はここではないのである。

木ノ又大日「木ノ又小屋」


山頂から20分。ここが本日の 目的地、「木ノ又小屋」である。

事は前夜に遡る。ネット上でお世話になっている「歩荷もどき」さん <HP:「木ノ又便り」主宰>が小屋に入るということを知り、 私が、一方的にお伺いしようと決定したのである。

窓が開いている。中から楽しそうな声がする。 
かなりドキドキものである。

いきなり「もどきさんですか?」は失礼か?じゃ、ジュ-ス買うふりして さりげなく聞いてみようか?(瞬間の心の葛藤)

そんな思いが交錯する中、思わず口にしたのが「小屋の方いらっしゃいますか?」という一言。

何とかそんな具合で挨拶を交わし、初めてネットで知り合った方とお会いできたのである。

「テッちゃん」<HP:「低山山歩」主宰>ともお会いでき、 時を忘れて歓談。

初めて逢う方達なのに、古い友人に久しぶりにあった。そんな気のする不思議な出逢い。 
あっという間に時は過ぎ、もう時計は2時近くを指している。

下山は皆さんにお誘い頂き、一緒に 「木ノ又新道」へ取る事にした。

地図をよ-く見るが見当たらない。何処だろう?? 
それもそのはず、「地図には載っていない!!」のだ。

ここは、もどきさん達がここ4年で開拓してきた新しいル-トなのである。


木ノ又小屋から尾根つたいに水無川本谷F5へと下り、書策新道に合流する。 ・・・らしい。


小屋からその登山道への入り口は不気味にヤブに覆われて、その先に道があるとは・・・。


木ノ又キレットの通過ヤブありザレガレあり、キレットあり。 なにより静かな山歩き。なんだかとても楽しい。

笹ヤブをかきわけ進む

赤テ-プやロ-プが設置され、踏み後も確認できるが、 判然としない部分が所々にある。気を抜けない所だ。

幸い、開拓者のもどきさんの的確なアドバイスと、テッちゃんの巧みなリ-ドの為、不安を感じる事は なく、むしろ楽しい感情だけがくっきりと浮かび上がってくる。

沢の音がボリュ-ムを増してきた。

小屋を下り始めてちょうど1時間、水無川本谷・F5(滝の名称)近くに 降り立つ。

さわやかな沢の空気、心地よい沢の音。紅葉の時期はさぞかし 美しいであろう。

一同ここで小休止。

 

 

 

堰堤兼林道。ここまで来ればもうすぐだ戸沢の林道終点へは更に1時間、 薄暗い杉の植樹林を緩やかに下る。

堰堤をかねた道路を越えると駐車場が 見えてくる。この山行も終わりに近づいてきた。

山との出逢い、
人との出逢い、
道との出逢い、
そしてその先にある邂逅。


~そんな想い出と出逢いは
褪せる事なく私の宝物になる。~

sak


三陸沖・金華山

1999年09月10日 16時01分38秒 | 山行速報(登山・ハイキング)

1999/9 三陸沖・金華山

栗駒山ファミリ-ハイクが悪天の為中止になり、 
かねてから心の片隅にあった金華山に行ってみたくなった。

私、妻、1歳児の3人で会議の結果、 
初めてのファミリ-ハイクだし、まずは「行ってみよう!」 
この日、私は栗駒山に続いて2山目の登山と相成る。

金華山へのアプロ-チはまず、鮎川港からの船である。連絡船(25分/900円)と高速船(15分/1000円)がある。 
時間も山に行くには遅い時間だったので高速船を利用。この辺りは天気が良く 海も穏やか、ソ-ダ水のような色の海を快適に飛ばす。

これだけ取っても 一大イベントである。
それもつかの間、金華山港に着岸。

さあ、まずは情報収集から始まる。何しろ地図もコ-スタイムもわからない。 
港の売店脇にある「島内案内図」でル-トとタイムを確認、連絡船最終4:20に どうやら間に合いそうだ。

黄金山神社と登山道入口

舗装道路を黄金山神社へ向かいかなり キツイ道を登る。
この辺りから鹿、猿といった野生動物が我者顔で往来している。

黄金山神社は「金運・開運の神」三年続けてお参りすると 一生お金に不自由しないとか・・・

神社脇の未舗装道が登山道入り口である。沢水が流れ滑りやすいので要注意。

この先の貯水場で沢コ-スと尾根コ-スに分岐する。

 


尾根コ-スは10分ほどで尾根に取り付く事ができ、 
景色が良く穏やかな陽気の日には最高の山行を約束してくれる。

しかし、油断は禁物、樹林の中にも岩ありヤブあり。

444.9mとは言え0mから登る事を考えれば、ただの低山とは言えないのである。


八合目は芝と岩の混合の頂である。

はじめはここが山頂かと思ったが、ここに立つとその先いくつかのピ-クがある。

しかし、叫びたくなるほどの絶景、気持ち良さである。

今回、栗駒山の”おまけ”と考えていたけれど、
天気のいい分むしろこちらが メインになりつつある。 
八合目からの素晴らしい景観


山頂の様子


山頂は4つ目のピ-クである。

ここは樹林に囲まれ、展望はあまり効かない。
黄金山神社の奥院がある。

ここを中心に島全体に登山道が伸びている。時間があれば島一周も面白そうだ。

しかし、このたびは残念ながら時間がない。
連絡船の最終が4:20なのだ。 
そして今、3:20、おおよそ予定どうりに下山開始。

最初は良かった下山路

ちょっと待てよこのヤブはどっちだっけ?

ル-トの不明瞭なヤブの尾根がいくつか派生している。

登りは目指すピ-クがある為迷う事はなかったが、下りはどの尾根なのか? しばし、右往左往。

まずい、時間が・・・

どうやら下山ル-トを正常に回復したが、熱い汗と共に冷や汗も流れ始める。

 


間に合った!手を振り喜ぶ


下り足の早い私であるが、このたびは 幼児を背負ったブランク2年半の妻がいる。

急がせるわけには行かない。転倒でもしたら船どころではないからだ。

猿や鹿の見守る中、冷や汗をかきかき、ようやく神社。もう危ない道はない ここで4:10。
妻に先行の意志を告げ、一人、港まで突っ走る。

ザックが左右上下に揺れて走りにくい。

乗船券売り場に滑り込むと今まさに売り子さんが帰り支度を済ませた所。

荒い息を整えるまもなく「大人2枚」。 
どうやら間に合ったようだ。


波間に浮かぶ金華山
連絡船が島を離れる。

ウミネコが船をおってくる。乗船客がえびせんを空高く放り投げる。 
ウミネコはそれを上手にくわえ、またも真剣な眼差しで追いかける。

しばらくすると金華山島と同様ウミネコ達の姿も小さくなってしまった。

船上でゆっくりと傾いてくる太陽をぼけっと眺めながら

 


今日一日、なんと永く、充実したものか。

これ以上、充実する事は願って止まないが、 
帰宅の事を考えると、永くならない事も願って止まない。


追伸:帰宅、翌日AM3:30。8:00から「お勤め」。(涙っ!)

sak


栗駒山

1999年09月10日 15時51分56秒 | 山行速報(登山・ハイキング)

1999/9 栗駒山

待ちに待った東北巡礼の山旅。 
今回は家族サ-ビスの一環として「さくさく登山」を楽しもうという趣旨なのである。

自宅出発2時間遅れもなんのその、みちのく路を快調に北上。 
しかし、平地では良かった天気が山麓に入ると共に大粒の雨。 
今宵、山行の祝杯をあげる予定であった「須川高原温泉」につく頃には雷も 不気味に光る悪天であった。

30分ほど悩んだ末に本日の停滞決定。それではと秋田県側に下って稲庭うどんを いただきながら作戦会議。

結果、私一人は早朝3:00から山頂へ。下山後天気の様子を見て、皆で昭和湖辺り まで行く事とした。


草木も眠る、丑三つ時の登山道

目覚ましのアラ-ムがなると同時に 部屋の片隅でカサコソとアンパンをほおばる。
身支度を整えちょうど3:00の出発だ。

あいにく天気はガス。昨日よりは雨がないだけ状況は良くなっている。

暗い登山道をヘッドライト頼りに歩をすすめる。以前、夜間歩行想定山行を していた為、意外と落ち着いたものである。

しかし、本能である。暗いというのはさすがに恐怖感を拭い去れない。 
きょろきょろと身の回りが安全か気になる。

まるで沢!階段を流れる清流


25分ほどで名残ケ原、さらに35分で地獄谷と昭和湖。

湿原をそよぐ風、険しい谷を流れる沢、風に波打つ美しい火口湖。 
音はすれども姿が見えず。想像を膨らますもどうにも形にならない。

今日は秣岳へと稜線歩きを予定していたが、どうしてもこれら美しい景観を 見たくなってきた。ここでピストン山行に変更。

それにしても昨日の雨の為、登山道がまるで沢のようである。

 

天狗平へは昭和湖より40分ほどで着いた。 
ここから稜線伝いに山頂まで歩く事になる。

この頃から辺りが薄明るくなってくると同時に風が強くなる。 
たまらず天狗岩のクラックに身を押し込み休憩。

天気が良ければここから ご来光なのになあ。
そんなわがままを思いつつ、 身をかがめながら山頂へと急ぐ。

さあ山頂だ。小さな祠と大きな塔が 対照的である。

しばらく待ったがガスが晴れる事はなさそうだ。
そう言えばここの所”山頂= ガス”ばかり。「俺ってガス男か?」

仕方なく証拠写真の山頂塔を写真でパチリ。

「ん?」

ここは岩手、宮城、秋田、 三県にまたがる山と予習してきたが、塔にはこれに山形県が加わっている。

「おっと、ってことはこの廻りを歩くと四県歩いた事になるの?」

朝5:00山頂塔をぐるり回る男がひとり。(実際は山頂=岩手、宮城の県境です) ちょっと恐い絵になりそう。

下山を開始し、天狗平迄行くと 辺りがだいぶ明るくなってきた。 
稜線を一歩下ると嘘のように風もない。

さあ、これからが今日一日楽しい 山歩きの始まりだ。
沢になった登山道を歩き、潅木のトンネルを抜けると 昭和湖に着く。

さっきはな-んにも見えなかったが、
あるある。火口湖が。

乳青色の湖にガスがかかりなんとも幻想的である。
しかし、 「有毒ガス発生注意」の看板。
キレイなものにはトゲがあるのだ。

この頃から登りの時の自分の足跡が 目立ってくる。
この時は何考えていたっけな?

最近、そして今後の自分の事とか、
次の山の計画といった事から、

クマが突然出てきたらとか、
最近聞いた怪談話とか、
ここで人が ひょっこり出てきたらクマより恐いなとか、
何かと恐怖に刈られたなあ。


明るくなれば恐いものなし。そんな自分が微笑ましく思える。 
と思ったら木道が現れた。ここが名残ケ原だ。


ゴツゴツと岩が目立ってくると温泉 宿はもうすぐだ。
硫黄の匂いが食欲を刺激する。

まずは温泉に入ろう。そして朝食をモリモリ食べよう。 
登山道は宿の露天風呂脇に出てくる。そこにはあひるのおもちゃがプカプカ浮かんで、あたかもお出迎えしているようである。 

 

本日はまさに「朝メシ前」登山であった。

などと、暗がりの恐怖などスッカリ忘れて、強がっている自分もまた 微笑ましいものである。


sak