2004/1下旬 八ヶ岳東面・権現東稜(中退)
バットレス
あっという間もない
瞬間、足元は宙に揺れた
結局この出来事が山行の敗退を決定づけた
自傷的な山への焦りは日々募っていた
そしてどうしようもなく日々は過ぎた
否、正確には自分自身、何もしなかったのだと懺悔する
実際、ラッセルに苦しみ何の役にもたてなかったことは今もって痛切に感じている
時間は刻々と過ぎていき、ここで限界を迎えた
ただ、ココロに曇りは一点もなかった
悔しさ以上の力不足を知ってしまったからであろうか
冬の空のように澄んだ高い空にも似た爽快な気分であった
そして、まるで途方にくれたように「また来るわ」と権現岳バットレスを背にした
宴
出合の小屋はありがたい事に薪スト-ブがある
これを囲んでの酒宴はおよそ山とは思えない
最近ハマっている日本酒などをちびちび飲みながら皆で持ち寄ったこれでもかというほどのつまみの数々
ナマモノを持ち込めるのも冬ならでは。スト-ブで焼けば、たちまちオカズを凌ぐ一品料理となる
思えば山行前日のディナ-よりも豪華なような・・・。
届かない一手
届かない一手がある
届かなかったからこそ、その一手をつかむ時がいつかきっと来る
いろんな関わりの中でいろんな自分がいたとしても仕方がないのかもしれない
楽しいものは楽しいと
悔しくっても楽しいと
好きなんだから仕方ないじゃないかと素直になれれば少しは胸を張れる
とっても小さな勲章かも知れないけど、届かない一手をものにできたならばまだまだ捨てたもんじゃあありません
次の一手を探せるんですから
たのしいたのしい冬はまだまだこれから
sak