1999/5 表妙義縦走
さあ、本格登山シ-ズン到来。
自分的にも2月の那須、雪山ハイク以来だった事もあり、 今回がシ-ズン幕開けなのである。
コ-スは表妙義縦走。名だたる日本アルプス に見劣りしないこのコ-スは、 かなりのハ-ドコ-スという事で念入りな 柔軟体操の後、朝5:30には妙義神社駐車場を出発。
鬱蒼とした妙義神社の本堂突き当たりを大の字方向へ登り始める。
新緑の季節とも合って、木々の若々しい緑がさわやかな森を潜るように 一歩一歩ブランクを確かめながら歩く。
「大の字」と白雲山さて、本日最初の 鎖のお出ましだ。
それを難なくクリアすると、 そこは大の字。
そこへの登りはちょっときつい。 鎖と足がかりは十分あるが、角度は壁に近い。
少しおののきながら脚力中心で登る。
そこには、おおおおお-きな「大」の看板。何を意味するのかよく分からないが この先に神社の奥の院がある事から、神様のゆかりなのかあと考えつつ 休憩。
下の景色もよく見えるがそれよりまだまだ上があるのがわかる。
奥の院の鎖場 大の字を後にすると、すぐ「警告:この先は岩登りの技術・・・」という看板に 出会う。
そんな看板がそこここにあると聞いてはいたが、しみじみ読むと なんだか「自信が無くなってきた」う-ん。
気を取り直して今度は奥の院。さて本日最初の難関だ。
3連30mの鎖場。おお-っと見上げる。
なんとなくどう登っていくかイメ-ジしながら眺めつつ、 そこに取り付く。取り付いてみると案外足掛けスタンスが取れる。
見た目考えたよりスム-ズに通過。 今日は調子いいかな-と気をよくする。
裏妙義と浅間山 奥の院を通過してすぐ稜線に出る。
天気もよかったので景色がすばらしい。
裏妙義、浅間山、榛名山、奥秩父、谷川連峰、彼方に八ヶ岳・・・
一通りそれらを確認したら、さあ縦走の始まりだ。
天狗岳の絶壁すばらしい景色の中、登下降を繰り返す。
途中、目の前から道が忽然と なくなったと思いきや、しっかり左の壁に 鎖がぶら下がって・・・。
この頃になってくると難易度はなくともかなりの鎖場をこなしているので、 段々と鎖が当たり前に感じてくる。
「ああ、この壁をよじ登ればいいのね。」
事務的に鎖場をこなしていくと、 こんなもんかと甘く見てしまうのが 人というもの・・・。
ガイドでは鎖に全体重を預け、腕力で上り切り、体力消耗も激しい。 スリル以上の感覚を味合わされるコ-ス とあっただけにちょっとひょうしぬけだな-と思いつつ 天狗岳、相馬岳と確実に歩をすすめ、ここで軽食。(チョコ、米菓子、クッキ-)
行く先の茨尾根と中之岳を見つめる。
相馬岳山頂さて、ここからの茨尾根が曲者。
難しくはないものの、ル-トが不明瞭で道に迷い易い 事(3回くらい 迷ったかな?)と,かなりの登下降をするうち、じわっと体力消耗を する。
ブランクのあったぼくにはきつかった。
「鷹戻し」ルンゼ状の下りちょっとバテ気味の頃にたどり着いた
「鷹戻し」
今回のハイライト(最大難関)
垂直の壁を何度かで一気50m!登るのである。
奥の院の2倍と思えば楽かな?と思いきや ここは岩の足がかりがあまり無い。
あったとしてもそこに体重を預けるのは不安な程度なのだ。 したがって腕力に頼る。
バテ気味の身体にあまりにきつい「御仕事」ナノだ。
「ああ-ここで手を離したら・・・」
「信頼してる鎖がもしも外れたら・・・」
なんて弱気になった所で「遭難碑」発見!
るるる・・・(涙目っ!)心の中で合掌。 (ほんとに合掌するとおちちゃうもので・・・)
4~5個所の鎖と梯子をクリアすると鷹戻しのピ-ク まるで全力で200mくらいダッシュしたような息の切れ方。
まだまだ未熟だな-と、前半「こんなもんか」と甘く見てしまった 自分を反省しつつ息を整え先にすすむと 悲しいかな30mのルンゼ状下り。
登ったら下るのね。とほほ。
第四石門それから険しい2つのピ-クを登下降すると、岩の間を抜けて 縦走路もおしまい。そこで2人の男女に出会う。
そう言えば今日は誰にも出会わなかった。
静寂の中にも激動。
稜線に咲くサクラソウの姿が印象に残る1日だった。
第四石門まで来るとそこはもう観光地。 階段の整備された中間道を妙義神社へ歩む道すがら、 今シ-ズンこれから何処に行こうか? そんな思いが歩を早めるのであった。
sak