2015/7/14-15 甲斐駒ケ岳-鋸岳
中央道から見るたびに、いやぁ、いいねぇ。
そう唸る。
行ってみたいねぇ。
そう思う。
そこで、思い出す。
チリチリ痛む胸の傷跡に効くクスリはどこにあるのだろうか?
もしかしたら、あそこにあるのかもしれない。
---戸台・仙流荘前---
北沢峠へのバスは8:10
ハイシ-ズン直前の平日。山屋としてはちょっと遅めだが致し方ない。
早朝バスを期待してきた人は、仕方ないから帰るという。
お疲れ様でございます。
このたびのメンバ-はkei2さん。
待ち時間は二度寝したり、柔軟体操したり。あとは適当にブラブラして過ごす。
---北沢峠---
バスから降りた面々は各々のル-ト目指して行く。
砂利道をそぞろ歩いてテント場を横目に見る。
長衛小屋をすぎるとようやく登山道らしくなってくる。
---仙水峠---
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ゴロ石がそこらじゅうを埋め尽くす。なんか、いいなぁ。
仰ぎ見る摩利支天。すごく、いいなぁ。
さすがアルプスだなぁ、などと唸っていると荷揚げだろうか?
頭上をヘリコプタ-が飛んで行った。
そこで思い出す。
ヘリコプタ-のロ-タ-回転数より
扇風機の羽根の回転のほうが速いんだよ。
【歩程に想う小噺-sakの場合-】
じゃあ、扇風機も飛ぶのかい?
いやいや、それはないだろ。事実、飛んで行かないじゃないか。
どうしてだろうね?
いろいろ「理由」ってものがあるんだと思うよ。
えーと、それはさ、扇風機とヘリコプタ-の力関係で、とか、
扇風機が「俺が飛んじゃまずいだろ」ってヘリコプタ-に遠慮してる、みたいなこと?
そういう叙情的なものではないと思うよ。絶対に。
じゃあ、やっぱり・・・。
ん?
自分が自分じゃない。
お?深いねぇ。
扇風機が飛んじゃったら、それはもう飛行機だろ。ってことか。
【歩程に想う小噺-sakの場合-】-おしまい-
---駒津峰---
仰ぎ見る甲斐駒。
突き出た石灰岩と砂礫の峰は夏の青空が似合う。
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---摩利支天---
ココから見る甲斐駒がまたいい。
このリッジを登ってみたいなぁ。
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---甲斐駒ケ岳---
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いやぁ、やっぱりいいねぇ。
そう唸る。
そしてその先の縦走路。
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行ってみたいねぇ。
そう思う。
そして今日、一歩踏み出してみる。
---六合目石室---
この日の宿泊は我々だけ。
念のためと持ってきたテントは無駄となってしまったが、やはり小屋泊は快適だ。
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つまみを作ってみたりしながら一杯。
途端に酔いが回り、ひと寝入り。
頭が痛い。
高山病の症状か。
そこで思い出す。
山のレシピは登山経験の化学反応。
如何に安く美味しく、そして意外性が感動を呼ぶんだよね。
【山仲間との対話】
山のご飯って、山仲間のレシピに刺激、受けるよね。
みんなのアイデアとか発想とか。
そうそう。
買い出しに行くとス-パ-でずいぶん時間をかけちゃう(笑)。
前に山にケ-キを持っていったことがあって。
え?ええっ。ケ-キ?
うん。
それはすごいよ。感動ものだよ。
でも、なんか邪道だといわれた記憶が。。。
いやいやいや。聞いただけで素直にカンド-したよ。
ちなみに、その方の正道というのは?
コッヘルを洗った汁は棄てないで、飲む。・・・らしいです。
あぁ、エコ、、、ですか。
そうそう。地球にやさしい。
それで、自分に厳しく、と。
山の世界は刺激的だなぁ。
【山仲間との対話】-おしまい-
---第二高点---
石室を夜明けとともに出発。
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踏み跡をトレ-スしていき、中ノ川乗越。
ガレザレの斜面を行くが、上部が悪い。
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登りきるとそこが第二高点。
眺望がすばらしい。
---鹿窓---
第二高点から稜線を外れ、信州側へと高度を下げる。
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踏み跡を下っていくとキレットから落ちるガレ沢を渡る。
渡った先を少し下るとガレのバンド。
ガレのバンドを進み、岩のバンドへとつなげる。
ここで落ちると、とても痛そうなので、慎重に。
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岩のバンドから草付へ
そこから見上げると、鹿窓。
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ぽっかりと空いた小さな岩穴。
こころに空いた針孔のよう。
小さな胸の傷跡が疼く。
適当に登っていくと、鎖がある。
それより、不安定なガレ場なので慎重に。
ひと登りで鹿窓を潜る。
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---第一高点---
小キレットは鎖もあり問題ない。
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緩い傾斜を鎖のある脇、草付を下り、最後だけ鎖を使う。
登り返しは傾斜があるが、足がかりも多く鎖もあるので問題ない。
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ぼちぼち行くと小ピ-クを過ぎ、二つ目が第一高点、鋸岳のピ-ク。
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南アルプス林道を走るバスを眺めたりしながら大休止。
遠く御嶽山に噴煙を見る。
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---角兵衛沢---
不安定なガレ場が続く。
ガレ場好きにはたまらない場所だが、生憎そういう趣味はない。
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---大岩下ノ岩小屋---
まさにオアシス。
染み出る石清水がまさに沁みたっス。
---戸台川---
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角兵衛沢出合から対岸に石伝いで行く。
しばらくは左岸の河原をいく。
二つ目の堰堤を左岸から下ったが、ここは右岸。しっかりとした砂利道がある。
しかし次第にその砂利道も河原と化してしまう。
あわよくば、靴をぬらさぬようにと、時に悪いヘツリなどしてみるが、だんだん面倒になってきて、靴のまま渡渉。
そのほうが、早いし安全。
どうやら、右岸の道は流失し、寸断しているようだ。
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沢としては何の変哲もないが、渡渉を嫌ってずいぶん苦労してしまった。
---戸台大橋---
駐車場について、戸台大橋への舗装路をボトボト行く。
ここから、バスに乗ろうと思ったが、次のバスまで2時間ほど。
仕方ないので、空身で車を取りに行く。
時にRUN。
木陰で蝉時雨に打たれながらも心地よい。
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そこで思い出す。
中央道から見るたびに、いやぁ、いいねぇ。
甲斐駒、行ってみたいねぇ。
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-想うにありき遠い場所-
本当は決して遠くはないのです。
煩雑な日々を言い訳に省みる。
自分が自分じゃない。
チリチリと胸が痛むのはそういう時。
「どうにかなる」どちらかと言えば、そっちの範疇だと、行ってしまえばすぐわかる。
もっと、自分に優しくて。
エコじゃないけど、いいんじゃない?
sak