acc-j茨城 山岳会日記

acc-j茨城
山でのあれこれ、便りにのせて


ただいま、acc-jでは新しい山の仲間を募集中です。

西上州・碧岩

2010年12月29日 23時24分42秒 | 山行速報(薮・岩)
12月29日、西上州・碧岩。

”碧”と書いて「みどり」と読む。
「碧」とはどんな色なんだろう。
好きな色はと問われれば、間違いなく「ミドリ」と答えるワタクシ。
ゴレンジャ-のなかで好きなのは「ミドレンジャ-」なのですよ。
漢字は違えども、ミドリはミドリ。
碧岩の存在を知ったからには、行かねばなるまい。

しかも、この碧岩。
これまた好物の「岩山」であるとのこと。
大好きなおかずが二品も盛ってある。こんなおいしいシチュエ-ションは、他にはないのである。


碧岩と勘違いしていたタカノス岩?

目指すは北稜・・・。と意気込んだものの、前夜と思しき数センチの降雪で三段の滝駐車場はおぼろに銀世界。
ここまでの路面も同様で、スタッドレス未装着車にはドキドキもの。
気温も低く、何とかスリップせず駐車場まで到着。

これで、北稜はどうよという話だが、時間は8:30、陽に照らされていたなら、何とか勝負できるかと淡い期待を胸に歩き出す。
このたびのメンバ-は東京の”あ”夫妻、sakの3名。
全員、碧岩は初めて。

歩き出して10~15分、明るい雰囲気の支沢にあたりをつける。
枯葉で埋まった沢筋を嫌い尾根筋に活路を見出すが、降雪と凍土でなかなか悪い。
バイルの活躍で何とか尾根まで。

しかし、岩尾根からの眺めは明らかに目指した場所ではなかった。
地形図と現況が今ひとつ一致しないものの、おそらくそこは「チョキ」と呼ばれる岩塔。目指す北稜は切れ落ちたその先にあった。
北稜には、雪も付いていた。
「西上州は雪が付いたら、まずダメだね」
碧岩、北西壁・初登を収めた当会のガストン氏の言葉だ。

考えてみれば、既に年末押し迫ったこの季節。
ワンプッシュで登れるほど、甘くはないか・・・。
そんな思いで懸垂下降準備に取り掛かる。

懸垂下降3ピッチで沢筋。
しかし、沢筋は枯葉で埋まり、その上に雪が乗っている。
こりゃ、ラッセルだよ。
なんと、枯れ葉ラッセル、胸まで(笑)

といことで、南稜のハイキングに計画変更。
ハイキングとはいえ、いわゆる破線ル-ト。
それに雪が付いている。

三段の滝

沢筋を詰めれば3段の滝。滝場を巻いて指導標に誘われ支沢へ。
少し行ったところから尾根に上がる。
概ね赤布がある。



尾根を詰めれば碧岩の肩。東壁が大きい。
そこから、フィックス頼りに岩場を2箇所通過。
登りはいいけど、下りは嫌な感じだ。
岩場をこなせば、頂は一投足。
山頂は眺望スバラシく、西上州の岩山がいくつも見えた。
北風が時に頬をかすめるが、陽光が暖かい。



帰りの岩場は懸垂下降。
先ほどつけた足跡を追って下る。

今回の山行がsakにとって2010年最後。
ともかく、今年一年、怪我や遭難・事故もなく、無事に山行を締めくくることができた。
当山岳会においても同様だ。

ガストンさんはじめ、ACC-J茨城の仲間、モチロンACC-J東京の皆様とも山行を共にできた幸せ。
感謝感激です。
ありがとうございました。
正月山行を計画の皆様も安全登山でお楽しみください。

sak

西上州 マムシ岳

2010年12月27日 19時15分02秒 | 山行速報(薮・岩)
今年最後の西上州になると思われるが、マムシ岳に12月26日に登った。前日夜「道の駅上野」で東京のN氏と待ち合わせる。茨城からはA氏とガストンの2名である。N氏の言によると、N氏は西上州の藪岩尾根に完全にハマってしまったそうである。いつものように車中で宴会するも、N氏のキャベツを使った簡単料理はとても旨く気に入ってしまい、家に帰ってからすぐに作り晩酌をした次第である。宴会後就寝したが、もう仮眠という段階ではなく、完全に十分な時間熟睡できる。これは低山の良いところである。
8時頃登山口に向かう。すでにブドウ峠への道は冬期閉鎖になっており、キリンテ入口の所に駐車する。8時15分発。朽ちかけている木橋をわたりキリンテのコルに向かう。このトラバースはかなり悪いと文献には書いてあったが、道がはっきりしており悪くなかった。あとは藪岩稜をひたすら登る。途中ザレで足元の不安定な急斜面があったがロープを出すほどのことはなかった。短いフィックスもあった。キリンテの頭を過ぎるとやがてそれなりの岩場がでてきた。いよいよロープを使えるかなと期待したが、近づいてみるとなんてことはなく、左よりに簡単に抜けられた。ここにもフィックスがあった。マムシ岳着9時40分。

マムシ岳頂上

ここからは飽きるほど岩稜が続くはずだったが、1時間くらいでマムシのコルに着く。11時。

マムシのコル

シオジの原生林への道を整備したのだろうが、今はかなり荒れて手すりは健在だが、道は結構歩きにくく感じた。いったいこの手すりはなんの目的で作ったのだろうか。転落するほどの傾斜もないので道しるべかな。ゲンナイ登山口着11時25分。道路は完全なアイスバーンで、たとえ通行止めになってなくてもここまで車で上がってくるのは無理だろう。

ツルツルのアイスバーンもここまで降りると歩きやすくなった

道の端や轍の跡の凍っていない部分を選びながら車に戻った。12時ジャスト着。
ヤブグレード 1級     歩行時間 3時間45分
                       ガストンガニマタ

西上州 天狗岩~烏帽子岳

2010年12月20日 20時29分02秒 | 山行速報(薮・岩)
12月19日。先週に続いてハイグレードハイキングに行ってきた。今回は西上州の天狗岩から烏帽子岳への縦走である。烏帽子岳には昔、北稜から登ったことがある。今回のルートはハイキング地図にも破線で出ており、ハイグレードというほどのものではなかった。
メンバーは、茨城K、A、ガストン、東京N、A夫、A妻の計6名である。
天狗岩登山口8時25分発。ニリンソウコースから天狗岩に向かう。天狗岩9時20分~9時30分。展望台が作ってあり、浅間山から北アルプスなど360度の展望であった。

天狗岩展望台からの遠望

ここから稜線上を進む、安全に歩ける踏み跡もあるのだが稜線に拘り岩稜を歩いた。

稜線の岩稜に拘って歩く

マル10時50分通過。少し下ったところで一人の登山者と会った。烏帽子岳11時10分~11時30分。ここもまた360度の展望。昼食とする。

烏帽子岳頂上にて

下山は横道という安全な道を使う。天狗の岩穴12時10分。登山口着12時35分。

天狗の岩穴

行動時間  4時間10分。   ヤブグレード  0,5級
ガストンガニマタ

帰りに、碧岩が見える所まで車で移動。久し振りに見た北西壁は相変わらず立っていた。この北西壁にはガストン達が登ったルートがある。初登あって2登なしのルートだけど。記録は昔、山渓の記録速報に発表したことがある。取り付く人は充分気をつけてください。易しくはありませんので。

子持山・獅子岩南壁

2010年12月17日 01時39分57秒 | 山行速報(アルパイン)

12月15日、子持山・獅子岩でクライミング。
目指すは南壁の登攀ル-ト。
知る人ぞ知る、このル-トに名前は無い。
数十年前から開かれていた古典ル-トとのことだが、真価はいかに。


獅子岩全景

冬晴れの上州は、雪山の香りが北風に乗ってやって来る。
南壁はそれを遮り、しかも陽光を溜め込むようにお天道様の方角を向いている。
もういくつ寝ると・・・。なんて時期にも関わらず、ここだけはホッカホカ。
このまま日和たくなるような陽気である。

肝心の南壁は、「ここを登るのかぁ~」とコレまた日和りたくなるような急傾斜のスラブ。
それでも何とか思い留まって、登攀準備。
メンバ-はsak・Aさんの茨城隊、”あ”さん夫妻の東京隊の2パ-ティ-、4名。
「さあ、たのしいクライミングの時間です」


2ピッチ目より、”あ”さん夫妻

1P・20m
やさしい階段状から次第に傾斜が増してくる。
ピッチ終了点直前からが登攀のはじまりといった感じ。
一定間隔で、しっかりしたハンガ-の支点があり、安心だ。

2P・15m
ここから傾斜はさらに急となる。
小さなカチや甘いホ-ルドを拾いながら丹念に。
フリクションの効きがイイ。

3P・20m
階段状スラブを左上気味に数m行ってから直上。
フレ-ク状の岩を利用してレイバック。
フリクションに不安が無いので、大胆に決まる。
見せ場ピッチといえよう。
2畳ほどの土のテラスまで。


核心ピッチを望む
4P・20m
一層、壁は立ってくる。しかも逆層気味。
実際、微細なクラック、カチを拾っていく。
ピッチ終了間際が核心。ノッペリした急傾斜スラブはA0で。


ミッフィ-岩が見える
5P・20m
急傾斜スラブを数m登ると、傾斜も落ちる。
4P目に比べると容易。
獅子岩の頂が見えてくる。このあたりみると、”ミッフィ-ちゃん”みたいでかわいらしい。


垂壁を行くAさん

6P・15m
正面の垂壁。カチとはいっても掛かりはいい。
最後のバルジは、上部がノッペリ岩で、乗越しが難しい。
それを越えれば、獅子岩頂上の肩。踏み跡にホッと一息。

7P・10m
肩から頂上は凹角状を行く。
フェイスを1段上がって岩の突き出しをランジ。
落ちても安定しているので大胆に。
凹角に入り込んで最後のフェイスは容易。

頂上は北風にさらされ寒い。早々に後にする。
鎖ハシゴを降りて、肩で一休み。ここは風が来ないので、日向ぼっこに丁度イイ。


開放的で全編眺めがいい

下山は同ル-トを懸垂下降で。
2P分づつ、3回の懸垂下降で取り付きに降立つ。
次々と降立つ我々の傍を、つがいのカモシカが我関せずといった風体でノソノソと歩いていった。

存外、今シ-ズン屈指のクライミングとなった。
すっきりとしたスラブに直上ル-ト、程よい困難さ。アプロ-チだって1時間も掛からない。
支点もしっかりしているし、見晴らしから眺めれば堂々たる見栄えに、あれを登ったのかと充実感が満たされる。
もっともっと登られてもいいのではないかと思うのと同時に、立派なル-ト名を冠してやりたいと思いつつ、岩場を後にした。

sak


奥秩父 大原平

2010年12月15日 06時49分46秒 | 山行速報(薮・岩)
12月12日、奥秩父の梓山の裏山のような大原平という山に行ってきた。友人U氏お薦めのルートである。U氏お得意の藪岩稜の尾根である。メンバーは東京N、A夫、A妻と茨城A、M、ガストンの計6名である。梓山で東京の3人と待ち合わせるも、現地は予想外にも数日前に雪が降ったようで、着くなり「こりゃ今回は登れないな」と思った。それは、東京の3名はスニーカーという足回りであるからだ。どうせ明日は登れないのだからと、ゆっくり宴会して寝る。明るくなってからも二度寝する。朝食を摂ってから「せっかく来たのだから、とりあえず行ける所まで行ってみっか」というわけで9時30分発。
林道は凍結して車では登れず県道の傍らに置いていく。鹿よけの柵を入ってから歩きやすい斜面を登る。ヤブも薄く踏跡もあるのでペースが捗る。新しいクマの足跡がたくさんあった。やがて岩稜の風穴を過ぎキレット前で小休止、10時40分。キレットはクライムダウンで底まで降りる、11時。


風穴

茨城の3名は正面の壁を直登。ロープを付け、途中の松の木にランナーが取れたが、岩に雪が付いてちと悪く、他人には見られたくない格好で這い登った。東京の3名は左下に懸垂して越して行った。結局、東京のパーティの方が抜けたのは早かった。ヤブも次第に濃くなってきた。いくつかの岩のピークを超すと頂上であった、12時20分。


頂上手前の岩峰


頂上で記念撮影


頂上にあったテープ(大原平→大平原)(^_^)この間違いには笑ってしまった


なんとそこには「大平原」と書かれたテープが付けられていた。大原平→大平原か、なるほど間違いやすいな、と笑ってしまった。西側は100m位はありそうな垂直の壁で切れ落ちている。日だまりで昼食を食べながらゆっくり休み、下降はGPS使用で東斜面を下り、ドンピシャリ、柵のゲートに着いた、車に14時ジャスト着。
枯葉の上に15cm位の積雪で、滑ること滑ること、しりもちを10回くらいついたかな。でも全員ケガなく降りられた。
ヤブグレード1級  行動時間 4時間30分
                               ガストンガニマタ

マイウィッシュル-ト

2010年12月14日 16時15分54秒 | 管理人日記
sak@HP管理人です

HPに「My Wish Route」(マイウィッシュル-ト)のペ-ジを作りました。

マイウィッシュル-トとは・・・。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

あなたの憧れはどの山の頂にあるのでしょう?

それが、「マイ ウィッシュル-ト」です。
憧れの頂に、ル-ト。夢は叶うもの・・・。
そう強く信じ、この告知板を活用してパ-トナ-を公募しましょう!

アルパイン・沢・フリ-ル-ト・スキ-・ハイキング・・・。
何処でもかまいません!あなたの声を聞かせてね!

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

というものです。
閲覧、投稿は会員限定のペ-ジです。

こちらより入ることができます。(要パスワ-ドです)
写真やコメントを工夫すれば、メンバ-も集まりやすいでしょう。
みなさんの山行計画の助けになれば幸いです。

sak

古賀志山

2010年12月09日 21時57分56秒 | 山行速報(フリ-)
古賀志山の岩場でフリ-クライミング。


競技会ル-トを行くAさん


蒼天の冬空。風もなく凛とした空気の中にも、ウララカな日和。
ここのところ天候に恵まれず、久方のクライミング。
クライミングシュ-ズも久々の出番となった。
数年ぶりの古賀志は、広場に小さな滝が落ちていて何時みても異空間。
とても雰囲気がイイ。

アップから、なんとなく登れそうなル-ト、見栄えのするル-トを中心に。

なんとなく登れそうな・・・、というのにはわけがある。
・・・トポを忘れた。(笑)

そんな事態も「なんくるないさぁ!」
大体、そんな高難度は望んでないのですよ。

ということで、なんとなく8本ほどトライ。
「競技会ル-ト」は高さもあってオススメの一本。

岩の冷たさが指先の熱を奪い、痺れる。
時に頬で暖めながら次のム-ブを探る。
息を止め、デッドが決まる。
クライミングは楽しいと感じる、一瞬。

さあ、次はいずこに。

sak

筑波山の風景<16> 側壁

2010年12月06日 22時36分53秒 | 筑波山の風景

<筑波山の風景・16>

側壁フェ-ス

その昔、筑波でクライミングをした。
というのは良く聞く話だ。

今ではご法度になった山頂直下の「霞ヶ石」といわれる岩場はもとより、
丹念に歩き潰して行くと、いにしえのハ-ケン・ボルトの類は意外と多い。



なかでも、とある稜の側壁フェ-スはすっきりとしたラインに、脆さを感じさせない岩質。
中ほどにリングが一点確認できるが、一見、容易ではない。
おそらくは登られていたであろうこの岩場に再びトライする機会は巡ってくるのだろうか?



決して高さがあるところばかりではなく、この高さでの登攀というのは、如何なものかという箇所もあるのだが、当時の筑波山はれっきとしたクライミングスポットであったということだ。
今や岩場に着いた苔や支点の錆付きは時代を偲ばせる。

sak


山道具の変遷

2010年12月02日 13時27分10秒 | 会員日記
一昨日、東京に集まり事があり、ついでに山の店を見学してきた。田舎に住んでいて、最近は山関係の本をトンと読まなくなった私の技術や知識は昔のままである。その知識を少しでも更新するには、山の店を見て歩くのも一つの方法である。
ピッケル、バイル、衣類、クライミング用具の変化はある程度知っているので大きな驚きはなかった。その中で、すごく驚いたのがヘルメットであった。山で、他の方がかぶっているのをよく見かけたので、最初はなんの気無しに手に取ってみた。珍百景じゃないけど、え!なにこれ!と思った。軽いのである。とにかく軽い。いまのヘルメットはこんなに軽いんだ。クライミングだけではなく、自転車とか他のスポーツにも使うらしい。ただ、通気性とか軽量化のためか穴がいくつもあいており、ここから小さな石が入らないかちょっと心配になった。驚きの一瞬であった。俺もひとつ欲しいものである。
                             ガストンガニマタ

筑波山の風景<15> 道標

2010年12月01日 23時03分59秒 | 筑波山の風景

<筑波山の風景・15>

あんなところに道標が!



ふと歩いていて視界に入った
林道から見上げると、あれ?
あんなところに道標が。
・・・。
道標の周りには道はないのだが。



程近くの山道はその昔、ココを通っていたのかもしれない。
はたまた、林道が出来る前のものかもしれない。
まあ、それにしては新しい。

と、思ったら、ここは直角に折れて踏み跡が続いていた。
この位置に道標を配したのは、林道から見て「ココに道があるよ!」というアピ-ルと屈折点の注意喚起。
林道から直登はチョット大変ではあるが、、、
ある意味、この直登ル-トへのいざない、つまりは挑戦状と受け取らねばなるまい。
来たれ!挑戦者!

sak