2007/10月中旬 御座山北西稜
事情
Mさんからメ-ルが来た。
「急だけど明後日、御座山に行ってみるかい?」
もちろん二つ返事。
何といってもこのたびの山行は、ありがたいことに平日山行なのだ。
なぜMさんが平日山行が可能であったのか、いろいろな事情があるわけだが、 本当の優しさというのは、本人に気づかれないようにさりげなく、が大人というものである。
平日休みのさかぼうにお付き合いくださった。というのが原点だと一方的に感謝している。
想定した尾根には踏み跡が僅かに残っていた。
ヤブコギも覚悟していたのですこしホッとした。
樹林を抜け、僅かに岩稜が顔を出す。
一面の苔が我々を出迎える。まるで雪でも降ったかのような光景。
しばし見惚れる。
北西稜
このたびの山行は、御座山から北西に伸びる登山道のない岩稜が目的。
Mさんは、「御座山のね、北西稜に行こうと思ってんだよね。」という。 しかしネットで検索しても記録が全くない。
???
でもって、よっく聞いてみると、「いやぁ、地図見てたらいけっかなと思ってよ。」との言。
もちろんル-ト図なんてない。コレはコレで探検気分。バリエ-ションの初心に帰って士気は上がる。
そして、ようやく威圧的な岩峰がそそり立つ。なかなかのモノである。
度胸
概ね、尾根通しで行けば岩峰基部。
ココをフリ-はさすがに恐怖。ロ-プを出す。
しかし、Mさんは「ここで靴替えたら、オモしくあんめ」とクライミングシュ-ズは封印。
なかなか、慣れない靴でのクライミング。ホ-ルドはそこかしこにあるものの岩は脆い。 度胸が試されるクライミングだ。
登攀といえるのは2ピッチ、60M。Ⅲ級程度か。
途中、僅かにハ-ケンがあったからアルパインのいい練習場となっているのかもしれない。
原点
そこからはロ-プを外してⅡ級の岩稜を山頂まで。
振り返ればなかなか凄い所を登ってきた感じでとってもお買い得なル-トでもあった。
下山はだらだら降りながらも、ブナハリとムキタケ、スギタケをゲット。
心配していた天気も最後まで持ってメデタシメデタシ。
森の中から見上げれば、僅かに北西稜の一端が垣間見える。
クライミングを始めるキッカケになったのも、こんな岩稜だった。
いわば、原点。
この道を振り返れば、山が教えてくれたものは計り知れない。
改めて、クライミングの楽しさと、その仲間の気持ちが沁みた一日だった。
sak