2024/7/18(木)〜2024/7/20(土)
(1日目) 扇沢〜雷鳥沢テント場〜新室堂乗越〜剱御前小屋〜剱沢テント場
(2日目) 剱沢テント場〜前剱〜平蔵の頭〜A2取付〜剱岳山頂〜剱沢テント場
(3日目) 剱沢テント場〜剱御前小屋〜雷鳥沢テント場〜扇沢
メンバー: azm, nksさん
記録: azm
ACC-J茨城に昨年秋ごろ入会した2人で、剱岳の本峰南壁A2稜に行って来た。
今日まで会の皆さん、とりわけsakさんには山行を通して本当に色々なことを教えていただいた。
まだまだ未熟な我々であるが、今回の山行は自立した登山を行えるようになるためのマイルストーンとなるよう意識して励んだ。
南壁への取付。雪渓が想定していたよりもかなり残っていた。
平蔵のコルからは雪渓の角度が急でチェーンスパイクで下るのは無理そう。平蔵の頭から斜面を谷側に下降し、雪渓をトラバースすることにした。
トラバースも滑り出すと止まらなさそうで怖い。
ピッケルとストックを補助に使いながら、平らになっているところを足掛かりに渡っていく。
一ノ倉沢でsakさんに「雪渓はこう歩くんだよ」と教わった経験が生きた。とはいえ今回一番怖かったのは間違いなくこの雪渓横断だ。
(P1: azmリード)
雪渓をトラバースし、赤丸の雪の窪みの地点から岩を眺めてみる。
残置支点などはなかった。おそらく本来の取り付きは雪渓の下なのだろう。
登山大系の解説には「取り付きはA1との間のルンゼの左側の顕著なスラブ」とあったので、この時点ではルートはもう少しルンゼ側にあるのだろうと認識した。
雪渓から岩への乗り移りはなんとかできそう。
ここでハーネスを装着してロープを出し、azm先行でルンゼ側へ岩をトラバースして見に行ってみることにした。
あとから振り返ると、雪渓から岩に乗り移った先でそのまま上へ行ってしまっても良かったかもしれない。
(P2: nksリード)
A1との間のルンゼを認めて、A2の右端あたりに到達したところでピッチを切る。
nksさんリードで行ってもらうと残置ハーケンが見つかり、やっとルートに自信が持ててくる。
ロープをなるべく伸ばしてもらい、次のピッチへ。
(P3: azmリード)
フェースの残りを登っていくとどこかで聴いた光景。
「ハイマツをつかんでリッジに移る。」(登山大系)
こういう追体験は楽しい。
(P4: nksリード)
リッジを進んでいく。
(P5: azmリード)
さらにリッジを進む。左右にもルートを取れるがなるべくリッジを選んで登る。
少し難しそうな凹角を手前にピッチを区切る。
(P6: nksリード)
核心部をnksさんがトライ。しかし、思ったより悪いらしく1ピン目をかけた後どうにも手が進まず...消耗してしまい交代の打診。
古いハーケンが連打されていて、先人もここを嫌がったのかなあと思ったり。
(P6リトライ: azmリード)
核心部を交代してリトライ。左側にあるオフィズスサイズのクラックをうまく使って登ることができた。
触りながら見つけたクラック内部のホールドを使ったり、腕をスタックさせたりして楽しめた。
(P7: nksリード)
リッジの残り。ロープを伸ばし切りたいところだったが、重たくなってしまいもう1ピッチ。
(P8: azmリード)
ザレ場の手前まで。P8の終了点からコンテで少しだけ進むとロープなしでも進めそうなことが分かったので、ロープを解いて進んでいく。
ザレ場を数メートル進むと一般登山道と合流できそうなのが見えた。山頂方面へ直接登ってゴール。
振り返って、今回の山行は2人で出来うる限界ギリギリくらいだったように思う。
雪渓の状況などもう少し条件が悪かったら...
同じルートを辿っているけれど、山行の内容は毎日変わる。
記録や残置物だけを頼りにするのでなく、状況に応じて自分で見出したルートも組み合わせることで山行を成し遂げる。
そんな経験がちょっとだけ出来たような気がして嬉しかった。