2009/2月中旬 筑波山・V字谷
目論見
梅花の彩る頃。
筑波山中腹の梅林では来る春を祝うかのように「梅祭り」の準備に大わらわ。
筑波の山には何度となく参礼しているものの、この季節、この場所へきたのは
コレがはじめて。
もちろん、その目論見は梅林にあるわけではなく、筑波山の沢登りがタ-ゲット。
「筑波山で沢登り」とは大げさながら、核心のV字谷は小滝を右に左に楽しめる。
親しみやすい山・筑波にあって貴重な1本。
踏み後とマ-キングを頼りにル-トファインディングの魅力がまだまだ残されている。
このたびのふるさと探検隊のテ-マは「筑波を遊び尽くそう!」これなのだ。
V字
出発はいつもどおりに起床して朝ご飯をいただいてから。
筑波だから出来るのんびり山登り。この身近さが筑波の魅力のひとつだ。
まずは梅林より男体山に突き上げる沢筋を探って行く。
このあたりは、登山も含めキノコや山菜採りの踏み後が縦横無尽に入交じる。
注意深く探っていけば「V」のマ-キングが程なく出てくる。
これが、V字谷へと誘導してくれることになる。
この季節、水量はほとんどなく、沢というよりは、ガレをひたすら詰めていく。
いわゆる核心とされる小滝は左の立木に抱きつくように登る。
物足りずに右のスラブも試登。
水量の少ない今ならば問題はない。
再認識
続く変形ルンゼ状は右壁に足を突っ張って越えていく。
コレはコレでちょっとした岩登りでもある。
スケ-ルが小さいのが残念ではある。
とはいえ、筑波にこんなル-トがあるとは終ぞ知らず、山遊びの奥の深さを再認識。
ちなみに筑波にまつわる登山道は公式には数本。
しかし、現実には縦横無尽に踏まれているという実態がある。
さまざまな社会環境の中、登山にまつわる環境もその歴史とは裏腹に変わって行く。
「自然を愛する」精神もさまざまに捉えられてきた証だ。
春はもうすぐとはいっても、切れ込んだ谷筋のそこここには、滴る水が氷柱となっていた。
自然の創り出す造形は何時めぐり会っても心癒す何かを宿している。
我々とて長い年月を経て創られし者たちのはずなのだが。
原風景
さて、ここからは沢筋を詰めていくが、幾筋かに分かれた沢筋をマ-キングと山ヤのカンで遡って行く。
踏み後は多数あるのでそれらに惑わされないのがコツといえばコツか?
適当なところで左の尾根に乗って詰めあげると見晴らしのいいテラスに行き着く。
大きなスクリ-ンに切れ落ちた足元。
見上げれば、男体山山頂の直下らしい。
ここで幕を張って、昼間から一杯やるなんてのもオツな遊びではなかろうか。
気分よく大休止。
思えば、登山を意識して幾年月。
さらにそれを遡り、筑波山は幼少の想い出にもたびたび登場する。
山に縛られることなく、自然を好む嗜好も含めて、さかぼうの原風景はここにある。
野山を駆け巡った少年期を経て登山と出会い、沢やクライミングと出会い。
時代や志向は変わったとしても、今もって変わらぬフィ-ルドがそこにある。
ふるさとの山は、今も変わらず実に優しい。
そこからは一投足で自然探索路。
山頂には行かず、梅林へと下った。
sak