acc-j茨城 山岳会日記

acc-j茨城
山でのあれこれ、便りにのせて


ただいま、acc-jでは新しい山の仲間を募集中です。

GWの鳥甲山赤尾根

2013年04月30日 19時43分29秒 | 山行速報(登山・ハイキング)
GWの鳥甲山赤尾根
4月28日、メンバーは、Y、G、ガストンの3名。去年のGWに白尾根を登った同じメンバーで今年もやってきた。去年、頂上から見た赤尾根は、白尾根ほどはナイフエッジが発達していないように見えた。2~3日前に雪が降ったものの、去年と比べると明らかに雪の量は少ない。鳥甲山に相当量の新雪が降ったことは、予めライブカメラで確認済みである。「のよさの里」のお姉さんも今年は残雪が少ないと言っていた。屋敷集落の上にある、雪崩止め堰堤工事用の林道から歩きだす。この林道は結構な傾斜で続く。


堰堤工事用の林道歩きから始まる。夏期の登山口案内板は、山開きまで外してあるようだ。

堰堤は4つほど確認できた。堰堤の左の沢状が一番歩きやすそうなのでここにルートをとる。赤布等の目印は、稜線まで1つも確認できなかった。足首から脛位のラッセルが続く。1460mの稜線まで急登の連続だった。雪の状態によっては、スリップすると下の堰堤まで止まらないのではないか、と思うくらい急である。1460mにビバーク用具をデポする。天気予報に反しアラレが降ってくる。もしかすると頂上までは無理かも?などと考えながら、視界の悪い中、予報を信じて出発する。この数日の降雪で雪庇ができ、稜線通しに進めない所も多かった。昨日の降雪で春山というより冬山に近い様相だ。この頃から急に天候が回復してきた。


視界の悪い中出発する。


視界は相変わらず悪い。


稜線には最近の雪で新しい雪庇ができ、稜線遠しには進みにくい。この辺から天気が良くなる。


頂上が見えてきた。頂上に向かってモクモクとラッセルを続けるY君。

でも、白尾根と比べると、全体的に赤尾根の方が易しい。緊張を強いられる個所が無い。ラッセルは吹き溜まりの深い所では腰までの所もあったが、おおむね脛下で済んだ。やっと頂上が見えてきたら、思いがけず頂上付近に2名の人影が見えた。白尾根を登ってきたようだ。我々以外にもGWに鳥甲山に登る人がいるんだと、なんとなく嬉しくなった。やがてその2人組は赤尾根を降りてきたので少々言葉を交わす。今朝5時に出発したという。それにしても速い。白尾根の様子を聞く。状態が去年より良かったのではないかと話されていたが、いやいやそんなことはありませんよ、謙遜しないで下さい。あなた達の実力が我々より勝っているのですよ。さて自分は、最後の力を振り絞って頂上に立つ。去年頂上にあった2つの丸い穴はなかったので、やはりあれは雪洞のつぶれたものだったのだろう。


頂上からの赤尾根


頂上でのYとG(この構図は去年と同じかな?)


下りも雪庇に気を付けながら先を急ぐ。
赤尾根は、自分たちのつけたトレースも残っているし、危険個所もないので今日中に下山することにする。往路を忠実に戻り、1460mでデポ品を回収して急斜面を下りていく。堰堤に出る手前の所で先程の2人組のトレースが無くなった。おそらく別方向に降りたのだろうから心配することもあるまい。順調に車に着いた。少しの時間、フキノトウを採って家内へのお土産とした。この後、はるばる津南まで宴会用の食料を買い出しに降り、「のよさの里」まで戻って、お風呂に入ってから車中にて大宴会を執り行った。

29日。空の抜けるような天気とは、今日の様な天気のことを言うのだろう。ガストンの強っての希望で、切明温泉の河原の湯に入りに行く。このために土木用スコップまで持ってきているのである。一言に言って、ここの河原の湯は素晴らしい。なんせ湯温が高い(55度)。川の水と温泉をかき混ぜて適温にするのが難しいが、時間をかければ解決がつく。それに何時間遊んでもタダである。ガストンは野湯をするのは3回目だが、完全にハマリそうである。気持ちよい温泉をゆっくり楽しんだ後帰路につく。


河原の温泉入口。


自分達のお風呂作りで、土木工事に励むY君。

車発(6:15)-1460m稜線(8:40~9:05)-赤の頭(11:30)-鳥甲山頂上(12:35~12:55)-赤の頭(13:25)-1460m(14:40~15:00)-車着(16:00)
                                      ガストンガニマタ

伊豆ケ岳

2013年04月26日 23時43分58秒 | 山行速報(登山・ハイキング)
2013/4/18 伊豆ケ岳

春の日

色彩々の身に包まれた山ガ-ルたち。
-本当の事を言うと山ミセスなのだが-
高麗駅近くのコンビニは逸る気持ちが笑顔に現れた大人たちがところどころに輪を作っていた。

スタイルとして人跡稀な山-しかも地味な-を好む性質を自負するものの、このアットホ-ムな明るい雰囲気も好きだ。
年齢でも、場所でもない。
そこには希望と期待に満ちた未来があるから。



伊豆ケ岳は奥武蔵の中心にあって、人気のハイキングコ-ス。
男坂なる鎖場で一寸スリリングに、子の権現でチョット観光気分にもなれる。

以前、知合いに一番好きな山として教えていただいたのが記憶の片隅に引っかかっていた。
今回は新入会のHagくんと。
山の”ヤ”の字から初めましょう。

正丸駅の有料駐車場に車を置いて、自動清算機で500円支払う。
今回、西吾野駅に下山し、電車で正丸駅に戻ってくるので電車本数を確認。1時間に2.3本といったところ。
下山時間をそう気に留めなくてもよさそうだ。



トリッキ-な階段を下り、林道に入る。
わずかで馬頭観音。
伊豆ケ岳へ至る道標が欠落しており、直進してしまった。
わずかで気づいていったん戻り伊豆ケ岳へと向かう。

道は確かで山の話などをしながら進む。
尾根に上がるところで急となり息も上がる。
尾根に乗ったところで小休止。

見頃を迎えた山桜が眩しい。
春風にひらひらと舞い散る様子が美しく見惚れる。
この穏やかさは心地いい。



ひと登りで五輪山。
下れば、眼前に男坂の鎖場。



下から拝せばなかなか立派な岩場だ。
鎖もあるし問題ないが、ここはそう。エンタ-テイメント。
ロ-プを出してアルパイン風に行く。
折角だから、初めてのHagくんにも体験してもらおうという趣向だ。

30mロ-プで3ピッチ。
特筆することはないが、落石注意ですな。



その後、もう一カ所簡単な岩を抜けると伊豆ケ岳山頂。
行動食で小休止。
武蔵なのになぜ伊豆?という疑問を解くには山頂の解説を読むといいでしょう。



そこからは子の権現を目指す。
似たような道を下って登ってまた下る。
古御岳、高畑山、中ノ沢の頭。
所々に山桜が咲き誇り、この歩きに清涼感をもたらす。

天目指峠で一旦車道に出る。
このまま、車道を下ろうかとも考えたが、Hagくんはこの先にも意欲的だ。

子の権現へは登り返しとなり、なかなか堪える。
それでも最後の見所と思えば、どこかに逸る気持ちもある。



子の権現は立派な本尊。
足腰の神様だというので、ならば山ヤとしては素通りできまい。
お参りを済ませ大わらじに大下駄を観覧。
表参道の茶屋は昭和の佇まい。
古き良き時代というのはどこの国にもあるもので、なぜか落ち着く風景だ。

下山は林道を少し下って吾野駅への道標をやり過ごし、その先の西吾野駅への山道へと入る。
静かな杉林をお喋りしながら行くと小床の集落。
国道に出たら西吾野駅へは、あとわずか。



誰もいない西吾野駅のホ-ムで電車を待ちながら、伊豆ケ岳が見える。
Hagくんは山道をこんなに長く歩いたのは初めてだといった。
そして、夢中になっていたので、そんなに長く感じなかった。辛くはなかった。と続けた。

夢中になっていた。

この言葉の襞に何を感じるか。
先を見据えたい。と強く願う。そう自分に言い聞かせる。


sak

西吾妻山・東吾妻山~蒲谷地スキー登山

2013年04月22日 16時37分51秒 | 山行速報(山スキ-)
2013.04/13(土)~04/14(日) 天気:曇り・快晴

西吾妻山・東吾妻山~蒲谷地スキー登山をしてきました。

メンバー:単独・煙突おじさんツアー参加。 装備:アイスバイル
今回の登山行程は、前夜発車で常磐=磐越道=五百川PA(泊)=猪苗代IC=R115=R459=グランデコ・スキー場Pに朝に入る。


13日(土):9:20グランデコ=9:35ゴンドラ上駅→10:10東リフト最上部→11:55-12:10西大巓→12:45西リフト最上部→13:00グランデコ=箕輪スキー場P(泊)

14日(日):箕輪スキー場P=8:50磐梯吾妻スカイライン塩谷橋→10:30-11:00東吾妻山→12:55-13:25西斜面→13:45小倉林道→15:10蒲谷地集落の1泊2日です。


週末は悪天候が続き、ひさびさの山行になる。
五百川PAで朝食をとり、ゆっくりとグランデコに向かう。スキー場に到着すると天気は安定しているものの山は雲に覆われている。
受付に登山計画書を提出してゴンドラ駅に向かうがGPSが上手く動かないので出発に手間取る。一度電源を切って再起動したら直った。
電子機器というものは気まぐれでこまるが、雪山では無いと非常~に困るんですわ。
ゴンドラ上駅で降りるとリフトは止まっているのでシールを貼ってゲレンデ脇の斜面を登る。
リフト最上部から樹林帯に入るがトレースがあるので使わせていただく。
樹林の中は風が弱いので快適に登れる。西大巓すこし手前の森林限界で行動食をとり休憩していると話し好きのおばちゃんにつかまる。
いつものようにアホな話で盛上がる。きりがないのでお先と出発するが、ここより雲の中に突入する。
視界は悪いがトレースがあるので迷わず西大巓山頂に到着する。
記念撮影をして西吾妻に行くか思案するがホワイトアウトするかもしれないので、今回はここまでとし滑降する。
昨日は雪が降ったらしくパウダースノーを快適に滑る。木々の間を縫って滑るのは楽しい。
途中止まりながら大事に滑ってもあっというまにゲレンデの西リフト上部に到着する。
後は一気に滑降しスキー場ロッジに向かう。ここはなだらかな斜面で初心者に向いている。




東リフト最上部です。今日は止まっているので、ここまで登ってくる。




樹林帯に入るが、昨日雪が降ったようで新雪です。




山頂付近ではガスが濃くなりホワイトアウト寸前です。




西大巓▲1,981.8m山頂です。視界が悪い為、今回はここから滑降する。




西リフト最上部に出る樹林帯です。パウダーが楽しめました。




滑降終了グランデコ・スキー場ロッジに到着です。



昨夜はN艦長と箕輪スキー場Pにて合流して大宴会だった。山で飲む酒は美味いですわ。
今日は煙突おじさんのツアーに参加する。無料ですが人生初めての登山ツアー参加である。
N艦長・T氏も一緒に参加するが、まコースの下見というところです。
出発前のレクチャーでACC-Jの三人がしんがりを勤めることになり最後に出発する。
まずは沢沿いの左岸側を登るが途中で参加者の一人にビンディングが壊れるアクシデントがあり時間ロスするが快適な登りです。
雪はベタっとしているのでシールがよく効く。30度ぐらいの斜面なら直登できる感じだ。
遅れた我々一団は東吾妻山へのダイレクトルートを取ることにするが天気最高で気持ち良い。
山頂は西風が強いので、東斜面でシールをはがし滑降準備をする。
しんがりなので前が詰まって思うように滑ることが出来ない。大所帯なのでがしかたない。
雪は重いが斜面はしっかりしているので滑りやすい。木々を縫って滑るツリーランは楽しい。
途中二ヶ所で滑走大会があった。ツアーの様子 → 動画1動画2 です。
スノーテーブルを作っての総勢29人でのランチはわいわいがやがやと楽しいものである。
途中何ヶ所か雪が切れてスキーを脱いで歩いたががおおむね順調に滑る。
だいぶ時間はかかったが誰一人遅れること無く到着できたのは良いお天気のお陰である。
今度は少人数で来たいものである。




磐梯吾妻スカイラインの塩谷橋から入山します。




東吾妻山の東斜面を快適に登っています。一切経山が見えます。




東吾妻山の稜線です。後方には吾妻富士が見えます。




私の山スキー道具です。ザックは今年新調したステープ27です。




東吾妻山▲1,974.7mです。山頂の平坦部に雪はありません。




東吾妻西斜面より安達太良連峰を望む。これから滑降です。




標高1,600m付近でスノーテーブルを作ってのランチタイムです。




石抱の前での集合写真です。総勢29名のツアーはびっくりです。




東吾妻山を振返る。もうすぐ到着です。

by Apple

守門岳スキー周回

2013年04月18日 23時33分42秒 | 山行速報(山スキ-)
守門岳周回スキーツアー
多くの人が訪れる守門岳、一般ルートではトレースを辿るだけになると思ったので、距離は長くなるが緩やかで眺望の良さそうな藤平山を経由する尾根ルートで登り、帰りはひとつ北側の尾根を下ってくることにした。
メンバー Nak
装備:スキー、シール、スキーアイゼン、ピッケル、アイゼンなし
問題は、尾根への取り付き前アプローチの細かい起伏、急で細い854mピーク付近
前日に冬型になり、少し降雪が有った。

行動タイム:
二分(6:40)ー854mピーク(9:15)ー藤平山(10:22)ー守門岳(12:00)ーオカバミ沢650m横断(13:22)ー猿倉山夏道ー二分(14:46)距離16.4km 累積標高差1550m

小出ICで関越自動車道を降りてから、漫然と守門岳を目指して適当に車を走らせていると、なんとまあ道院の登山口方面へ向かう刈谷田川ダムのほうへ行ってしまった。290号を戻り西川沿いの道を上流へ石高沢出合を越えて少しのところで通行止めになっており、すでに2台駐車あり。雪面には新雪がうっすらとかぶり、空に雲多く天気の回復は午後からになりそう。と思うと準備の手が鈍る。

本高地沢出合の手前で台地へ上がり平らな湿地マークの雪原を越えて杉林の小沢を登る。杉林の中は見通しが悪く地形のひだが細かくルートを選ぶのが難しい。案の定、登りすぎて最低按部まで戻った。ここで先行者のトレースを見つけたが、北に回り込んでいる様子だったので、分かれて625m標高点のすぐ東を通っていった。林道のヘヤピン地点付近で方向転換するのを忘れてそのまま沢を登って下池すぐ西側の小高い峰に上がってしまった。そのまま下池の真南まで稜線上を回り込んで行く。


下池すぐ南のピークからは、意外と眺望が良い。池のすぐ北側におりてから、再び先行トレースに合流してから、854mピークの西向き斜面をシール登行した。計画で考えていたピークの南側斜面はクレバスが多くてずたずたであった。


854mピークから先はしばらく細い雪稜状になっていてちょっとスリリング、途中で薮がほんの10mほど出ておりスキーをはずして歩いた。


細い稜線から南西に見える池のほうを望む


880m付近で左から上がって来た浅い沢状に入る。二重山稜の中のようなルートになる。ラッセルはくるぶし程度。994m付近で先行トレースにしたがい、沢から尾根へ上がり、しばらくして先行者に追いつく。しばし談笑、向こうもここで人に会うとは思っていなかった様子。どちらも物好きということか。この方は、アルペンスキーで自作したステップソールの板をはいていてシールなしで登っていた。


藤平山のちょっと手前、うさぎの足跡がきれいに雪庇状の上に続いている。このあとは雪の砂漠のような稜線漫歩になった。


広い真っ白でゆるやかな尾根を進んでいく。


八海山


越後の山々、どこがどこだか、よくわからない。



これは浅草岳方面か


登ってきた、ゆるく長い尾根を振り返る。いくつものアップダウンを爽快にスキーで駆け抜けていくのが心地よかった。1228m付近でしばし休憩。守門岳南の大原スキー場から登ってきた数人のパーティが少し下方でルートに合流してくる。上の方は雲がかかっていて風が強そうである。広い尾根の中にはちょっとした窪地や雪庇状などの凹凸があり、2、3mの雪壁を越えるためにスキーを脱ぐこともあった。
 1345mの按部付近から尾根がやや細く急になり東側はブロックの崩壊やら雪庇やらクレバスやらで荒れているように見えた。山頂付近は雲に隠れてみえない。雪がそれほど堅くないので尾根の西側を絡みながらシール登行を続ける。


守門岳山頂は標識がエビのしっぽに覆われていた。


山頂から北へ続く山並みを望む。強風で視界も良くないのですぐにシールのまま西側へ稜線に沿って下る。ときどきカリカリの部分があり、シールのままでの歩行や滑降は足に堪える。下降に使う広い緩やかな尾根に十分に入ったところ、約1470m付近でシールをはがして滑降を始める。ちょうど、この尾根を登って来る人に会って、オカバミ沢徒渉地点付近の様子を聞くと、右岸斜面がずたずたになっていてスキーで下るのに苦労したらしい。


1325m付近、斜面は広くて緩やかなのでどうにでも滑れるのだけど、曇っていて雪面が見にくく酔いそうになる。
ときどき、雲が切れて、下降ルートがみえるようになってきた。1265m付近で上方を振り返ると、どうやら追ってくる人あり。登りの藤平山ルートで会った人が追いかけて来た。大岳まで縦走するつもりだったらしいが、天気がいまひとつで風も強いので、この尾根を降りることにしたそうだ。このあと、行動を共にする。皮肉にもこのころから晴れて来て雪面もよく見えるようになって来た。緩やかな斜面を快適に滑る。やがて1105mあたりから、尾根が細くなり慎重に滑らざるを得ない。樹林も密になって雪庇上が一番滑りやすいのだが、向こうは急斜面だ。雪が重くなって来て横滑りやボーゲンを多用する安全運転と忍の滑りに徹する。900m付近からはオカバミ沢へ下る密な林の急斜面になる。斜滑降すると腐った新雪表層10cmぐらいが何度かゆっくりと雪崩れた。オカバミ沢の標高650m付近で沢を横断する。雪はつながっており水面はところどころの穴から見えるだけであった。大休止の後、30分ほどかけてゆっくりと猿倉山東側の按部へスキーを背負ってつぼ足で登った。


さっき滑ってきた、おかばみ沢左岸の急な斜面を対岸から見上げる。ちょうど見えている崖のすぐ右側を降りてきた。
このあとは夏道に沿って進み猿倉山のやや急な南斜面を下る。雪が適度にやわらかく問題なく林道まで滑りおりることができた。


西川の橋をわたって、振り返る林道は傾斜がなくて滑らず暑くてヘロヘロになってひたすらアルペンモードで歩き、さいごに用水路の流れでスキーを洗って山行終了。すっかり春山になっていた。満ち足りた気分。守門岳、豪雪地帯のため、雪の砂漠のような光景が印象的だった。


ルート

八ヶ岳・中岳北東稜

2013年04月15日 00時02分16秒 | 山行速報(雪山・アイス)
歩きながら枝を折る。
迷わないよう、枝を折る。
後戻りはできない、あの日に枝折る。

ここに来た、その証に。
それを忘れないように。


2013/3/29、八ヶ岳・中岳北東稜



寒さもゆるんだ3月
下界では早々、桜の開花がすすむ。
八ヶ岳にしても、あの寒さは、もうない。

昨年の中岳ク-ロア-ルに続いての中岳シリ-ズ第二弾
中岳北東稜。

パ-トナ-はガストンさん
去年に続いて、シブめのチョイスにお付き合い頂いた。



北東稜は、中岳から北東に派生する尾根でク-ロア-ルの右岸側。
過去の記録では6ピッチとあった。

3月の締り雪なら、行者小屋から30分ほどで取付。
とはいえ、最近の不摂生もあってかココまででも息が上がる。
天気は上々ながら雲が速い。防風に雨具を着込む。

1ピッチ、リ-ド
緩い傾斜の草付
落ちる気もしないが、良い支点がないので直上しダケカンバでビレイ



2ピッチ、フォロ-
1段上がって薮と岩を行くと少し立った凹角。
手がかり、足がかりはあるが、残置支点はなく、灌木で取る。
フォロ-ながらチョット緊張する。

3ピッチ、リ-ド
薮を行くと、細いリッジ。
両側とも切れ落ち、なかなかの高度感。
振り向くと主峰・赤岳が大きい。



4ピッチ、フォロ-
リッジを詰め、岩塔。その先はボロボロのリッジにギャップ。
慎重に手と足を選んでギャップへのクライムダウン。
スタンスが外傾していてなかなかイヤラシイ。





このギャップでク-ロア-ルと合流。
やはり、安定しないボロボロのナイフリッジを少し登る。

クライミングはココで終了。
安定したところまでロ-プを引く。
あとは中岳には登らず適当に尾根を下ると中岳沢の踏み跡に合流した。

なんという地味さ、コンパクトさであろうか。
しかしながら、人跡を嫌ったアルパインとして充分楽しめる。
また、高度の低いため風の影響を受けづらいので、転進ル-トとしての価値は高い。



「いよいよだな」とガストンさんは言う。
それは、いよいよ登っていない八ヶ岳のバリエ-ションがなくなってきた、ということだ。
「安心してください」とsakは言う。
それは、まだ1本残っているではないですか、ということだ。

まだ1本ある。
まだ終わっちゃいないのだ。

そうして、また、枝を折る。
迷わないよう、枝折る。

ここに来た、それを忘れないように。
地味な存在にも価値がある。
栞に記憶の道しるべ。

sak