2013.7/27(土)~8/1(木):5泊6日
裏剱岳縦走+白馬岳
メンバー:kei2、他1名
【コースタイム】
7/27(土):曇りのち雷雨、雹
室堂(9:30)→剱沢キャンプ場(11:45)[テント泊]
7/28(日):曇りのち雨
剱沢キャンプ場(6:30)→真砂沢小屋(8:20~9:00)→二股分岐(10:15~30)→
ベンチ(11:10~20)→池ノ平小屋(12:40)[テント泊]
7/29(月):大雨
池ノ平小屋(5:20)→阿曽原温泉小屋(14:00)[小屋泊]
7/30(火):大雨のち曇り時々薄日
阿曽原温泉小屋(7:30)→欅平(13:00~13:30)→祖母谷温泉(14:30)[テント泊]
7/31(水):晴れのち曇り、雨
祖母谷温泉(5:40)→不帰避難小屋(12:20)[避難小屋泊]
8/1 (木):大雨、雷 強風のち曇り 下山後晴れ
不帰避難小屋(5:30)→猿倉(14:40)[下山]
※ 事前の天気予測では最初の2日間が多少の雨でその後回復傾向と見込んで出発した。
【1日目:7/27(土):曇りのち雷雨、雹】
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立山黒部アルペンルートを乗り継いで室堂に到着すると、辺り一面、どんよりとした厚い雲に覆われていた。
全体的に雪解けが遅く、かなり多く残っている。
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雷鳥坂の雪渓を登り剱御前小舎まで、あともう少しという所で、雨が降り出した。
辺り一面濃いガスの中を進む。
剱沢キャンプ場に到着。雨が酷くなる前に設営完了。しばらくすると、雨が本降り、そして頭上で物凄い大音量の雷鳴が響き渡る。それもかなり長い時間。自分達は気付かなかったが、雹も降ったらしい。(小豆ほどの大きさ)
【2日目:7/28(日):曇りのち雨】
出発前に、富山県警剱沢警備派出所で剱沢雪渓の状況を確認。
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濃いガスが立ち込める中、説明を聞いた通りに雪渓を下る。(要アイゼン:6本)
(雪渓に目印なし:右岸の夏道の終点から雪渓に入り、真砂沢ロッジに引いている水ホースを目安に左岸側から下る。)
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9月の中旬に八ツ峰のバリエーションに挑戦することもあり、下見がたらと思っていたが、ガスが邪魔をして全体を見ることが出来なかった。
今年度(25年度)の真砂沢ロッジの営業は7月20~8月20日頃。
小屋が大雪で痛んだ為、夏場のみの営業。
小屋から先はアイゼン不要。(多少雪あり)
登山道の整備が間に合わないのか、草が伸び放題で登山道が隠れている。
目印が乏しく踏み跡を確認しながら、河原に出るが進行方向が分りづらい。
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ようやく二股の分岐に辿り着く。
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ここから1時間急登。草で荒れ放題。
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休憩ポイントとなる展望ベンチで三の窓雪渓を見下ろす。山はガスで見えない。
更に1時間登ると仙人池ヒュッテとの分岐で木道に出る。
この手前から急に雨が・・・。池ノ平小屋まで30分。そして本降りに・・・。
巻道をひたすら歩くが意外と距離があった。
小屋に着く頃には全身ずぶ濡れ。
体がすっかり冷えてしまったので、雨が止むまで小屋で休ませてもらい、テントを張った。
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本来ならば、八ツ峰の眺望が素晴らしいハズだが、6峰までしか見ることが出来ず残念だった。
※ この時期にカタクリが咲いた。まだ春が訪れたばかり???
小屋付近は雪渓が残っていてあまり花は咲いていなかった。
【3日目:7/29(月):大雨】
大雨の中、見通しが利かないこのルート(雲切新道)を下るのは少し不安があった。
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仙人池ヒュッテを少し下ると、梯子+急勾配の雪渓に入る。(要アイゼン)
紅ガラなどの目印は無い。乏しい目印を頼りに雪渓の終点手前、間違えないように左岸の夏道に入る。
※注意:直進は滝
仙人温泉小屋通過。
傾斜のある雪渓が目の前に立ちはだかる。紅ガラやロープがない。
雪渓の下は川が勢いよく
「ゴーゴー」と流れている。
反対岸斜面と雪渓に隙間があり、重い荷物を背負って飛び移ることはできない。
1本のロープを見つけるが手が届かず、ストックでたぐり寄せて、捕まりながら岸にようやく辿り着く。
ここから仙人ダムまで滑らないように慎重に下り、阿曽原温泉小屋に着く。
途中、倒木や崩落が何か所もあった。
雨具を着ていても、全身ずぶ濡れ状態。
今回は、阿曽原温泉小屋に宿泊。
宿泊者は自分達2名のみ。
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乾燥室でストーブを炊いてもらい衣類を乾かし、冷えた体を温泉で温め、食べきれないほどの食事を出してもらい、本当にお世話になりました。
【4目:7/30(火):大雨のち曇り時々薄日】
小屋を出発(7:30)してすぐに2つの川を石伝いに渡るが、このところの雨で増水していて2つ目の川を渡れず、小屋に引き返す。
小屋番の人に別ルートを案内された。
5分ほど隧道を通るルートで、ライトを点けないと何も見えない状態。この雨で隧道内も雨が溜まっていた。
隧道を出ると、背丈ほどの雑草で先が見えない。踏み跡もほとんど無い状態。
小屋番の人の説明を聞き、ここから自分達で雑草をかき分け登山道まで出なくてはならない。
蔓(つる)が絡み合って、なかなか前進できない。
正規ルートの登山道に出たのは9時。(小屋からここまで5分前後)
ひとまず安心。
安心したのも束の間。
倒木や崩落箇所が続出。道を塞いでいた。慎重に通過。
そして、
折尾谷の砂防堤内トンネルについて小屋番の人が言っていた。
トンネル内は腰まで雪解け水が溜まっている。
入口付近に鉄の棒があるから、排水口に詰まっている砂等を棒で突けば5分程で水が抜ける。
そうしたら、通ることができると・・・。
実際には、鉄の棒が見当たらず、スコッブが置いてあった。
トンネル内は地下道のようで、階段を4段ぐらい下がると通路になっている。
内部は暗くヘッドライトを点けてスコップで排水口を探すが水中の中は見えず、感覚で探すしかない。
階段の上段まで雪解け水+大量の雨が勢いよく流れ込んでいて、どうにもならない。
トンネルの上部は雪渓、そして滝となって砂防堤内トンネルの出口を塞いでいる。
鉄の棒を見つけたがスコップより短く、水の中に手を押し込んで排水口を探すが、全然見つからない。
また水温が冷たく、長く手を浸けていられない。
水温はかなり低いが腰までの深さなら『行ける!』と判断。
決死の覚悟で水の中に入ったが、水深は腰ではなく、つま先立ちで胸まで浸かるほどの深さ。
かかとまで着いてしまうと肩まで浸かってしまうので、ストックを使いながらつま先立ちで出口付近まで進む。
トンネル内から外に出るには、出口を塞いでいる滝の水圧に耐えなければ、一気に増水の川に流されてしまう。
水圧に耐えながら進路を確認し登山道に出る。
『脱出成功!!』 お互いに無事を確認。
ここからかなり先になるが志合谷トンネルと言う場所がある。
崩壊した岩石が堆積した急勾配の谷間で、崩落地の下に作られたトンネルを通過する。長さ150mで通常でもヘッドランプを頼りに歩いていくトンネルだ。(嫌な予感がする。)
足元ばかり見ていたので、
岩壁に頭をぶつけ溜り水に勢い余ってひっくり返りずぶ濡れ。
超ビックリ!!
その後は倒木や崩落箇所を越えながら、問題なく欅平、祖母谷温泉小屋に到着。
欅平から阿曽原温泉小屋のルートは通行止めになっていた。
※ このルートは関西電力管轄で許可が下りていなかった。
目を疑う程の登山道の崩壊。納得!!
剱沢雪渓ばかり気にしていて、阿曽原温泉小屋が営業しているから安心していたが、
このルートは秋の時期に合わせての整備で、この時期は考えものだ!?
【5目:7/31(水):晴れのち曇り、雨】
※祖母谷温泉から白馬までの標高差2,200m、そして距離が長いこともあって登山者はほとんどいない。
どちらかというと、下りでの利用する人の方が多いようだ。
百貫の大下りという急登を登りきった先に今日の宿泊地である不帰避難小屋がある。
前日から阿曽原温泉小屋番の人が清水岳から祖母谷まで草刈で避難小屋泊をすると聞いていたので、少し心強い。
5日目にしてやっと晴れ。
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それも荒れ放題の登山道を登って行く。登山道は痩せ細っていて、滑り易い。
途中、渡渉が何度かある。通常よりも増水しているのだろう・・・。
渡渉が終わると、草の取り付き。
樹林帯を抜けないと眺望がない。
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鎖場の垂直な岩壁を一気に登るとやっと眺望が・・・。
小屋まであとわずか。
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小屋直下に水場あり。
小屋に着くと、白馬から下ってきた1パーティ(5人)が休憩していた。
下山中に1人が足を負傷。
結局、そのパーティは下山できず、小屋に宿泊。その後どうしたのだろうか?
この日すれ違った人は2パーティ(計4名:白馬→祖母谷)
自分達と同じルートで登って来た人はいなかった。
昨日の行程に比べると意外と楽だった。
【6目:8/1(木):大雨、雷 強風のち曇り 下山後晴れ】
朝から大雨。視界が利かない。
清水岳手前から雷鳴が・・・。頭上で鳴り響き始めたので、ハイマツの登山道の間に身をひそめる。
15分ほど雨に打たれたまま、鳴り止むのを待っていたが体が冷えてきたので出発し始めた。
その後も、間隔をおいて数回鳴って止んだ。
標高を上げるにつれ、雨と風が激しく体に叩き付ける。とにかく耐えながらひたすら歩くだけ。
視界のない道は長く、不安に感じる。
ようやく小屋の分岐、そして村営頂上小舎で一時休憩。登山情報を確認。
天候が回復しないので、このまま下山することに決めた。
小屋を出てすぐに、長野県の山岳遭難隊が負傷者を援護して来た。
隊員に、登山道は激しい雨で所々濁流になっていて、川に架かっている橋が増水で通れない様だったら、引き返すように促された。
驚いたことに、下からは次々と人が登ってくる。天候が悪いのに一体どうなっているのだろう?・・・
小雪渓を過ぎると、雨、風から解放され、続々と大雪渓を上がってくる人が見える。
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大雪渓に入る手前に川に橋が架かっており、かなり増水していた。かろうじて通過することが出来た。
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大雪渓は所々に大きなクレバスがあり、迂回路を通っての下山。
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白馬尻から猿倉林道にも雨が溢れ流れていた。
※ 小雪渓、大雪渓(要アイゼン):事故多発
今回の山行は、天気に恵まれず、非常に残念(>_<)
天気が良かったら、最高のコースだったのに・・・。
裏剱コースはまたリベンジしたい。
☆☆☆ kei2(^_^)/ ☆☆☆