エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

現世考: 岡田尊司さんは,なぜ「発達トラウマ障害(DTD)」と言わないのか?

2017-02-12 09:17:07 | 間奏曲

 

 

  発達トラウマ障害(DTD)のご相談は,こちらへ。agape☆gmail.com  但し,全て半角にしてから,☆→1430777@に 変換してください。 

 
何で僕だけ、怒られなくっちゃいけないの?
   小さなものの世界にこそ、永遠はある  子どもと不思議を共にするためには、大人の私どもは、「自由」な心が必要です。  『The Sense of W......
 

 岡田尊司さん,ヴァン・デ・コーク教授が「発達トラウマ障害(DTD)」と言っていることを,当然ご存知です。英語の本も自由に読めるだけの英語力もお持ちです。参考文献の一覧を見れば,それが明らかです。

 ところが,すぐに出てくる岡田尊司の本5冊分の参考文献には,ヴァン・デ・コーク教授の名前がありません。Amazonで検索すれば,すぐに分かることですが,同じような本を,もう50冊以上出して,相当の印税収入があったと思われます。それで大阪にクリニックを2つも立てていますでしょ。

 岡田尊司さんは,当然,発達トラウマ障害(DTD)がパンデミックであることを,ご存知です。しかし,そのことは言わない。なぜなら,そのことを書いたら,50冊以上の本は書けないからです。発達トラウマ障害(DTD)のパンデミックと言う中心を,チョットずつ外して,やれ「愛着障害」,やれ「人格障害」,やれ「母という病」,やれ,もひとつ「父という病」とたくさんの本を出すことになりました。

 印税収入が目的だと分かりますね。

 でも,大事な指摘もしています。

「そもそも遺伝的要因が強い「脳の障害」とされる発達障害が,これほど急増するということは,どういうことだろう。海外でも発達障害が増加しているが,軽度発達障害のケースが,医療機関に殺到したり,大きな社会問題になっているのは,日本に特異な現象である」

『子どもが自立できる教育』p.6 下線太字は引用者。

 アメリカでは,同じ現象がありますが,それは,発達トラウマ障害(DTD)の問題とされています。ですから,アメリカ小児科学会の元会長ロバート・ブロック博士の言葉を借りると 「ACE(子どもの頃のムゴイ育ちの環境)は今日私たちの国が直面している 取り組まれていない 公衆衛生最大の脅威です」と述べている訳です。発達トラウマ障害(DTD)という病気の量と質が,それだけ深刻だからです。

 日本はアメリカ以上です。

 「軽度発達障害のケース」とは,「発達トラウマ障害(DTD)のケース」なんです。

 岡田尊司さんも,的を外しながら,ボヤケタ言い方ですが,

 「発達トラウマ障害(DTD)のパンデミック

を指摘しているんです。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今のニッポンの大間違いの1つ

2017-02-12 04:27:02 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 

 
何で僕だけ、怒られなくっちゃいけないの?
   小さなものの世界にこそ、永遠はある  子どもと不思議を共にするためには、大人の私どもは、「自由」な心が必要です。  『The Sense of W......
 

  発達トラウマ障害(DTD)=愛着障害の子ども。ヴァン・デ・コーク教授の  The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』p.161の、添え書きの続きから。4行目途中から。

 

 

 

 

 

子どもの頃に,親がイジメたり,ホッタラカシにしたりしたために,トラウマを負わされた様々な後遺症に関する研究が明らかにしたのは,気持ちを落ち着かせることができない,衝動を抑えることができない,注意や勉強を持続することができない,解離がある,対人関係が上手にできない,自分や関係が分からない,という重度の課題がいつもある,ということです。トラウマに特化した,打てば響くような診断名がないので,こういった子ども達は,平均して3つから8つの合併症の診断をされてしまいます。トラウマを負わされた子ども達に,いくつも合併症の診断をこのままし続けることは,深刻な結果をもたらすことになります。すなわち,解かりやすさに反していますし,病気の原因をあいまいにしていますから,病気そのものを治療するよりも,子どもの,細々した症状だけを治療する危険を冒すことになります。

 

 

 

 

 まさに,今のニッポンの学校,病院,児童施設などがやっている間違いそのものです。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

インターメッツォ: エリクソンの叡智 : 倫理の継承

2017-02-12 03:30:08 | エリクソンの発達臨床心理

 

 

 

 
花花… 喜納庄吉さんも悦ぶでしょう あるいは≪神の国≫
   自分自身が元気に独立しているという感じ  ウィークデイの自分と週末の自分がバラバラになりやすいのが、二王国説です。 Young Man Luthe......
 

 佐々木正美先生が,今のニッポンは,倫理の継承が出来ていない,ということに触れています。そして,倫理は,親から子へ,子から孫へと継承されるものだ,と述べておられます。

 今のニッポン,ウソとゴマカシばかりなり,なのは,親子の関わりが,世代の関わりが欠如しているからだ,ということが,ハッキリと解かります。

 その点について触れている,エリクソンの言葉。Childhood and societyから,P267.

 

 

 

 

 

 世代の繋がりを守り,世代に繋がりを強める習慣に関して,1つだけ言えることは,すべての習慣は,世代の繋がりと言う倫理を体系化したものだ,ということだけです。

 

 

 

 

 

 ということは,聞き捨てならないのかもしれませんが,

 今のニッポン,真面な習慣は1つもない!

ということでしょう。

 


 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

現世考 : パンデミック:発達トラウマ障害(DTD)

2017-02-12 02:56:44 | エリクソンの発達臨床心理

 

 

 

 
治療の始まりの目印
   毎日が発見の連続。毎日が感謝の連続。  マハトマ、といえば、ガンディですよね。でもね、まど・みちおさんの詩を読んでいると、この人こそ、「マハトマ」......
 


 土曜日の昼前,久しぶりに佐々木正美先生の「子どもたちのための医療福祉 : コミュニケーションへの希望を求めて」(2007)(http://www.kawasaki-m.ac.jp/soc/mw/journal/jp/2007-j17-1s/06_sasaki.pdf)を読みました。エリクソンのライフサイクルの心理学のまとまった解説書になっています。すでに10年前に,佐々木正美先生は

われわれは健康な個人主義を大きく逸脱して,病的な利己主義や自己中心主義に陥っている。健康な人間関係を機能できなくなっているのである

と述べています。

 また,

こんにち,わが国では,児童精神に関する全ての臨床最前線の主題について,発達障害の問題は回避できなくなっているのである

とも述べておられます。

 2007年当時は,ヴァン・デ・コーク教授が,発達トラウマ障害(DTD)の概念を思いついてはいても,それを広く世に問うことはしていませんでした。それは,この2年後,2009年のことでしたから。

 佐々木正美先生が「発達障害の問題」としているのは,本当は「発達トラウマ障害(DTD)の問題」と言い換えることができるわけです。

 発達トラウマ障害(DTD)がパンデミックであることを,日本で言っているのは,残念ながら,私1人の様です。しかし,ヴァン・デ・コーク教授が,The body keeps the scoreの中でハッキリと指摘しているように,発達トラウマ障害(DTD)は,目に見えない形ですでに流行している訳です。

 パンデミック。

 ニッポンでは,アメリカ以上に,発達トラウマ障害(DTD)がパンデミックなのです

 この状況に対応しきれずにいる,学校制度,医療体系,福祉体系は,すでに完全に行き詰っているんです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする