エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

発達トラウマ障害(DTD)の子どもも大人も,心の友達がいない訳

2017-02-09 08:08:37 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 

 
本当に信頼しているものと、「泣く赤子」
   視線の不思議   「眼は口ほどに物を言う」という格言がありますよね。自分の気持ちを、言葉に表さずとも、人に伝えることができること、あるいは、眼には......
 

 

  発達トラウマ障害(DTD)=愛着障害の子ども。ヴァン・デ・コーク教授の  The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』p.160の、第4パラグラフ,4行目途中から。

 

 

 

 

 

発達トラウマ障害(DTD)の子ども等は、自己嫌悪,「自分はダメだぁ」という感じ,正真正銘のガラクタだという思いにぶち当たることになります。発達トラウマ障害(DTD)の子ども等が,ダアレも信頼できずにきたのも,当然でしょ。結局,発達トラウマ障害(DTD)の子ども等は、ちょっとした不満に対しても,心の底では,卑劣で過剰な反応を感じてしまいますから,お友達も作りずらくなりますでしょ。

 

 

 

 

 

 

 かくして,発達トラウマ障害(DTD)の子どもも,それが発展して人格障害になった大人も,心の友達が一人もいない,ということになります。

 自分を人を信頼する,と言う赤ちゃんの時の発達危機を死ぬまで引きづることになりがちです。すなわち,自分を,人を,信頼することが,死んでも? できません

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聖書の言葉 : 今日 σήμερον

2017-02-09 03:06:47 | 間奏曲

 

 

 

 
つづきはまた明日
   星がこんなに美しいと思ったことなどありません  夜空の星々を見つめたら、永遠を思わざるを得ないでしょう。 『The Sense of Wonder......
 

 上のコラムでは,明日。でも,今日の聖書の言葉は「今日」。

 先日も取り上げました,徴税人ザアカイの入信のシーン。『新約聖書』の4つのイエス・キリスト物語の3つ目「ルカによる福音書」の第19章にそのくだりがあります。前田護郎先生の翻訳です。その5節です。

5イエスはその場所へ来られると、目をあげていわれた、「ザアカイよ、急いでお降り。きょうはあなたの家に泊まることになっているから」と。」

 ルカは「今日」が大好き。私も大好き。今日は,σήμερον セメロン です。

 救いが訪れるときが「今日」だと言われます。

 ですから,「今は恵みの時,今は救いの日」なのでしょう。

 でも,それを,神学的にではなくて,心理学的に言ったら,どうなるのかしらね?

 それは,さっきの高校生が,私に教えてくれている感じです。

 「今日」は,「共に見通す」不思議を感じる日

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現世考: 子どもの治癒力 「共に見通す」ことの治癒力

2017-02-09 02:21:26 | 間奏曲

 

 

 

 
1つにする生き方は 楽しい。 改訂版
   「ルター派は眠ってたけども、改革派は目覚めていた」 改訂版  初期キリスト教徒は、当時支配的、自分を確かにする道を、偽物だと断じました。 Youn......
 

 そんな残念な大人たちとは対照的に,子どもの治癒力に驚かされます。やっぱり,人間って,素晴らしい!

 ここでも,具体的にその子どものことを記すことは差し控えたいと思います。デフォルメして,記すにとどめます。

 その子は,高校生。小学校の時から,不登校を繰返している子どもです。だんだん,無口になり,無表情になり,また,学校に行かなくなっていたんです。

 私は,初めて会った時に,線が細いのだけれども,繊細な感性が際立っている感じを受けたんですね。私がもともと持ち合わせて来なかった部分です。でも,その子は,その繊細さを強く持っている…。

 面接の中身は,その子の感性が捉えたものを,サイコセラピストである私が共有するだけでした。「共に見る」,「共に見通す」だけ。

 でも,不思議に,その子が言葉を発するようになり,笑顔が輝き出すようになってきて…。

 つい先日は,こちらが驚くほどのキッパリとした声で,自分の感性が捉えたことを口にしていました。日常生活もがらりと変わった感じで,母親も驚きを隠しません。

 子どもの治癒力,「共に見通す」ことの治癒力,人間,の,不思議,素晴らしさ!

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インターメッツォ: エリクソンの叡智 : 子どもの弱みにつけ込む大人たち

2017-02-09 01:56:00 | エリクソンの発達臨床心理

 

 

 

 
本当に信頼しているものと、「泣く赤子」
   視線の不思議   「眼は口ほどに物を言う」という格言がありますよね。自分の気持ちを、言葉に表さずとも、人に伝えることができること、あるいは、眼には......
 

 今宵のエリクソンは,調べ物をしていた時に出くわした,文書です。繰り返し出逢う残念な現実に対して,エリクソンが答えを言ってくれていたことに,改めて感じ入った文書でしたね。

 それは,クローズアップ現代のキャスターだった国谷裕子さんの,ひたむきで真摯な姿勢や,番組で取り上げた高倉健さんの「人を想う美しさ」を大事にされた生き方とは真逆なものだったから,その残念さが,ひときわ際立ち,目立ったからだろうと思います。

 Young man LutherのP70。

 

 

 

 

 

 子どもの弱みに付け入るとね,その子どもは,目に見える形の残酷な仕業の犠牲になるだけじゃぁ,ないんですよね。子どもの弱みにつけ込みますでしょ,すると,そうされた子はね,大人がコッソリ憂さを晴らすことの犠牲にもなり,大人がお門違いの復讐をする時の犠牲にもなりますし,大人の好色な身勝手や,自分が得するために正義を振りかざすことの犠牲にもなってしまいます

 


 

 

 

 

 

 私は,これを読むと,私が出会った残念な大人たちの姿が目に浮かびます。エリクソンが指摘したすべてに,ひとりびとりが当てはまります。つい昨日も,自分が得するために正義を振りかざして,子どもを犠牲して,平気でいる大人たちに出逢って,背筋も凍る思いを致しました。子どもの弱みに付け込むのは,実の親であり,教員であり,臨床心理士や保育士さん…でしたね。それを具体的にここに書くことは差し控えたいと思います。

 でも,こうやって,発達トラウマ障害(DTD)の子どもが,繰り返し虐待され,見捨てられている現実を,発達トラウマ障害(DTD)の子どもを、想う人であり続けたいと,私は考えています

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