エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

発達トラウマ障害(DTD)の診断名の必要性

2017-02-13 08:04:02 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 

 
名づけの効用
   不思議の国のアリスちゃん 改訂版  虫眼鏡の向こうの世界は、子どもと歩む「不思議の国のアリス」ちゃん。 『The Sense of Wonder ......
 

  発達トラウマ障害(DTD)=愛着障害の子ども。ヴァン・デ・コーク教授の  The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』p.161の、添え書きの後から。

 

 

 

 

 

 私どもかがこの『提案書』を出した直ぐ後に,私はワシントンDCで,アメリカ中のメンタルヘルス委員の会議に,発達トラウマ障害(DTD)のことを話したんですね。委員の皆さんは,私どもの提案に対して,アメリカ精神医学界に手紙を書きましょう,と申し出てくれたんです。その手紙は,次のような件で始まります。全米州精神保健局長協議会(NASMHPD)は,295億ドルの予算で,毎年610万の人々のお役に立っていることに触れて,次のように結論を述べたのでした。すなわち,「私どもは,アメリカ精神医学界に勧告いたします,発達トラウマ障害(DTD)を優先順位の高いリストに加えていただきたい。それは,病気の原因とその後遺症をハッキリさせ,病気の特色を明確にするためにもなりますし,患者の診断をする時に,発達トラウマ障害(DTD)という診断をすること必要度が高いからです。」

 

 

 

 

 

 ここまでの提案と勧告があったのに,アメリカ精神医学界はイエスと言わなかったのですから,利害集団化(利用者のための組織でなくなり,自己中心の組織になること)してしまっていたと考えて,大過ないでしょう。

 

 

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現世考 : 上野のとんかつ屋 と 寛容な心

2017-02-13 02:57:04 | 間奏曲

 

 

 

 
聴く耳と見る眼をいつも心に持ちましょう!
   隠されている恵み 改訂版  「救い」というと、日常世界とはかけ離れた、遠い宗教的世界だと誤解する人が多いですね。でも私はかねがね、それは何気ない日......
 

 上野。西側には,美術館や博物館,上野動物園などがあります。文化の香りがするところですね。でも,南側に行くと,すぐに御徒町に通じる商店街に出くわします。庶民の町です。

 上野のとんかつ屋での会話をテレビで見てましたらね(https://bh.pid.nhk.or.jp/pidh07/ProgramIntro/Show.do?pkey=001-20170212-10-16180&pf=f)。上野の下町情緒の話が出てきたんですよ。とんかつ屋のせがれは,土日は親は仕事ですから,子どもだけで遊びに行く。でも,友達の親が,そのせがれも一緒に連れ出して,親戚の家に泊まったりした,といいますからね。家族と,赤の他人の間に,親戚みたいなご近所があったことが解かりますね。そうすると,「ここまでは善いけれども,これ以上は止めておこう」という心の線が,家族以外は赤の他人(あるいは,家族そのものが仲が悪い)場合とは,違ってくる…というんですね。

 人間は,理屈ではなくて,「仲間」,「親戚」と感じられる範囲が広いほど,寛容ですし,人間らしくなれるものでしょ。それを地で生きている実例に触れた気がしましたね。

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聖書の言葉 : 陽気で楽しい心は・・・

2017-02-13 02:34:44 | 聖書の言葉から

 

 

 

 
聴く時間をプレゼントすることが、一番効く! あるいは、クワイエット・タイム
   不思議の国のアリスちゃん 改訂版  虫眼鏡の向こうの世界は、子どもと歩む「不思議の国のアリス」ちゃん。 『The Sense of Wonder ......
 

 今宵の聖書の言葉は,エリクソンのプレイフルの流れです。「陽気で楽しい心」,という翻訳語では,新共同訳の聖書にも,口語訳の聖書にも,ありません。

 でも,『旧約聖書」の長い長い文書を探すと,諺を集めた文書の1つ,「箴言(しんげん)」というところの第17章22節には,「陽気で楽しい心は,人を癒す」と訳せる所があります。旧約聖書は,ヘブライ語などで記されていますが,それをギリシア語に訳した聖書がありまして『70人訳(旧約)聖書』等、と呼ばれる場合がありますが,その中に,「陽気で楽しい心」 καρδία εὐφραινομέν カルディア・ユーフライノメン があります。

 陽気で楽しい,と訳した,εὐφραινομένは,受け身なので「喜ぶ」,「陽気な」を意味しますが,もともとは,εὖ  ユー「よく」+ φρήν フレネー 「精神」「理解力」「判断力」の組合わせです。

 つまり,陽気で楽しい」ことは,「善い判断力」という訳です。

 箴言のこの箇所は,

陽気で楽しい心は,薬のように,人を癒す

と訳すことができます。

 エリクソンの心理学でしょ

 

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インターメッツォ: エリクソンの叡智 : プレイフル教

2017-02-13 01:05:15 | エリクソンの発達臨床心理

 

 

 

 
ルターの通奏低音
   恐怖政治と正しいこと  ローマカトリックは、縦の関係を横の関係に繋ぎ止める役割を上手に定式化することができました。 Young Man Luthe......
 


 エリクソンは,パウロ神学をベースに,ライフサイクルの心理学を臨床しながら作り上げた,と私は考えています。でも,「神学」という響きから感じるような堅苦しさは微塵もありません。カール・バルトが堅苦しさとは無縁だったことと似ているのかもしれませんね。

 エリクソンは詩人ですから,the sense of wonderを強く実感していたからだと私は考えますね。

 その真骨頂は,エリクソンが陽気で楽しいこと,playfulを大事にした点です。それがなぜか? 解る所です。

 Toys and reasons. p.43から。

 

 

 

 

 

 本当に陽気で楽しい,ということだけが,子どもの遊びの積み木に,形の上でも,中身の上でも,驚きという,あのときめきをもたらすことができる,ということを,人は認めることになるでしょう。

 

 

 

 

 

 ですから,エリクソンに則ったサイコセラピーのことは,パウロ神学だ,などとは日頃は言わず,「陽気で楽しい」教,プレイフル教だ,というようにしています。

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