エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

エリクソンの叡智: 毎日の礼拝って,とっても嬉しい!

2017-04-10 10:29:33 | エリクソンの発達臨床心理

 

 

 

 
ウソと、ヒューマン
   子どもの貧困 No.5  今の日本の根源的な貧困  子どもの貧困。今日はその5回目。 今の日本の子どもの根源的な貧困について。 昨日のブログの最後......
 

 

 エリクソンのシリーズで始めたのに,エリクソンのブログでの人気はさほどでもない。でも,エリクソンって,聖書と一緒で,読み込めば読み込むほど,味わい深いものですから,止められませんね。

 本日は,   Toys and reasons. P.87。最後から2行目から。

 

 

 

 

 人間の毎日の礼拝って,お互いに相手を大事に想い合う関係なんですよ。顔と顔を見つめ合い,名前と名前を呼びあって

 

 

 

 

 

 本当に素敵でしょ。人間にとって,最も根源的なことは,実は,最も日常的。そのことをエリクソンは,腹の底から体験的に知っています。

 

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聖書の言葉:ἄνθρωπος,アンスローポス,人間

2017-04-10 09:54:21 | 聖書の言葉から

 

 

 

 
子育てと、助け合う社会
   幸いと呪いの始まり                    多摩川河川敷から見る富士山 ルネサンス期にあっても、魂中心だった。 Young Man ......
 


 今朝の聖書の言葉はἄνθρωπος,アンソローポス,人間です。

 人類学のことを,antholopologyアンソロポロジーといいますが,それも,ἄνθρωποςが語源です。このἄνθρωποςには,「人間の持つ弱さと不完全さ,そのあらゆる性質を内包する存在」という含みがあるみたい。

 ἄνθρωποςは,『新約聖書』の初めに出てくるイエス・キリスト物語「マタイによる福音書」の第4章にあります。

荒野の試み

4章 1そこでイエスは荒野へと霊に導かれた。悪魔に試みられるためであった。2四十日四十夜断食し、ついに飢えられた。3試みるものが彼に近づいていった、「もし神の子なら、これらの石にパンになれといいなさい」と。4答えていわれた、「聖書にいわく、『パンだけでは生きるのではなく、神の口から出るすべてのことばによる』と」。

 人は,「腹が減っては戦ができない」のですから,ご飯やパンが必要です。

 でも,それだけではありません。

 人は弱くて不完全な存在だからこそ,聖書の言葉が「本当か,どうか」を試すために,聖書の「言葉」に留まって,人品を磨き,希望を抱きつづけることが,何にもまして大事になります。

 あたなも,ご自分を大切にして,今日も生きてくださいね。

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ヴァン・デ・コーク教授,真理の光

2017-04-10 07:52:18 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 

 
自分自身の安心・安全の島
   幸いと呪いの始まり                    多摩川河川敷から見る富士山 ルネサンス期にあっても、魂中心だった。 Young Man ......
 

  発達トラウマ障害(DTD)=愛着障害の子ども。ヴァン・デ・コーク教授の  The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?p.4,3行目から。

 

 

 

 

 

 私どもの課題です。過去に負わされたトラウマの残りかすに対するコントロールをどのようにしたら,人々は手に入れることができるのか? そして,再び自分自身の船の船長に戻れるのか? ということです。話すこと,理解すること,人との繋がりも助けになります。薬も,過剰な警報システムを和らげてくれます。しかし,過去のインプリンティングが変化を起こすのは,ダメダァという感じ,激しい怒り,トラウマの一部である気分の落ち込み直接乗り越える体感を実感することで初めて可能になるし,その時初めて,人は自分を取り戻すことができる,ということも分かるようになることでしょう。私は,これが一番というような治療法は持ちあわせていませんし,万能な治療法が在る訳ではありません。そういうやり方ではなくて,私は,この本でご紹介した全ての治療を使ってんですからね。その治療法はどれをやっても,トラウマ体験と言う根っこから人は変わることができています。どの治療法を選ぶのかは,クライアントひとりびとりの課題次第,性格次第なんです

 

 

 

 

 素晴らしいですね。真理の光,とはまさにこのことですね。

 セラピーの神髄,ズバリ。

 センター・クライアント,ズバリ。

 理屈・理論ではなく,実感が大切なことも,ズバリ。

 発達トラウマ障害(DTD)の子どもは,ダメダァという感じ,激しい怒り,トラウマの一部である気分の落ち込みを,何とかコントロールする方法はないか,いつも私に訊いてきますから。

 でも,気持ちを直接コントロールする方法はないんですね。

 ですから,マインドフルネスをやったり,その子が好きなことを共有したりするようにしてんです。気持ちを直接コントロールする代わりに,おだやかな気持ち,陽気で楽しい気持ちになってもらう訳です。

 

 

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現世考: 福島に帰ってはいけない!! 今ここにある希望

2017-04-10 06:29:29 | 間奏曲

 

 

 

 
発達トラウマ障害≒愛着障害の診断基準 AからD
   子どもの貧困 No.5  今の日本の根源的な貧困  子どもの貧困。今日はその5回目。 今の日本の子どもの根源的な貧困について。 昨日のブログの最後......
 

 昨日,教育テレビ「こころの時代」でスベトラーナ・アレクシェービッチさんのお話,「「小さき人々」の声を求めて」を伺いました。「証言記録文学」という独自のジャンルを切り開いた,と言われているそうです。ルポルタージュ,抵抗文学の1つだと思います。お話を伺うのは,今回初めての機会でした。スベトラーナさんは控えめな感じの人で,しかし,言わなければならないことはハッキリという意志の強さも感じさせるたたずまいの方だと感じました。

 スベトラーナさんは,庶民と言われている人々の言葉に,「人間にとって,本当に大事なことが隠されている」と感じたから,その言葉を集めて記録しよう,という訳です。鎌田慧さんにも通じる,ルポルタージュの基本的な思想なのでしょうね。

 スベトラーナさんの言葉を,備忘録的に,書き起こしてみました。

 「チェルノブイリの周辺には,健康な子どもはいません。かつての戦争では,戦後生き残った人々は,健康な子どもを産み,その子は次の世代に命を繋いだ。しかし,チェルノブイリでは,事故の後,何年もたって生まれた子が,何の罪もないのに,命の危険にさらされてしまうのです。飛行機にはフライトレコーダーがありますよね。ベラルーシ人は自らを『人間フライトレコーダーだ』と言います。『他の人類の,未来のための情報を記録しているのだ』と。」

 「原子炉の中に砂を入れて消火する,あるヘリコプター乗りがいました。彼ら全員が,死に至るほどの放射能を浴び,その男性も他の人たちと同じく,死に行く身となりました。彼は『早く来てくれ』と私をものすごき急がせ,こう言いました。『書き留めてくれ,僕には理解できなかった。あなたもそうかもしれない。でも,やがて人は理解する。早く証言を残さなければ。』私は,チェルノブイリで同じような言葉から話し始める人々の声を,何度も何度も耳にしました。『こんなことは誰も話してくれなかった』,『こんなことは見たことがない』,『こんなことはどこにも書かれていない』,つまり,過去のアーカイヴにもないし,トルストイやドストエフスキーも書いたことがない出来事なのです。…私たちは,全く新しい現実に直面しているのです。」

 「社会的存在としての人間は,世の中のヒエラルヒーを信頼しがちです。お偉いさんが言うことを(信頼しがちです)。たとえば,(日本では)首相が,私たちのところ(ソ連)では,書記長が『コントロールしている』と言う。でも,事故直後,被災地にいた農家は,『なぜ,ミツバチが10日間も姿を現さないか,分からなかった。』 ミツバチは人間には聞こえない何かを聴いていたのでしょう。しかし,同じ時に人間の子どもは,サッカーをしていた。政府が「アンダー・コントロール」と言っていたから。でも,そのコントロールとは,いったい何か? 原子炉が消化されても,現地の関係者たちは,『中で何が起きているのか,知らない』と言っていました。フクシマも同じ状況ではないか,と思います」

 「チェルノブイリでは(除染で出た土などを詰める)フレコンバックが積まれた状況は,数カ月だけのものでした。それ以降は別の対策が取られたのです。汚染された土は,専用の巨大なコンクリートの穴に入れられ,蓋をして覆われ,埋められました。ですから,日本ですべてが地上に出ていることは,社会を心配させるでしょう。私は,あの状態は長く持たないだろうと思いますし,危険だと思います。

  「チェルノブイリの半径30km圏内は,立ち入り禁止⛔区域です。…一方,福島では,あんなにも早く,人々が戻ってきていました。何故それが可能なのか? 私には分かりません」

 「人類は,核兵器と原発は別のものと思ってきました。広島と長崎以来,軍事としての原子力を,私たちは常に恐れてきました。でも,平和な原子力は友達なんだと思っていたわけです。でも,それが突然,軍事でも平和利用でも,原子力は共犯者で,どちらも人間を危険にさらす,と分かってきました。…どちらも,人を殺してきました。チェルノプリイと福島は,新しい形の戦争なんです。」

 

 「モニタリングポストの線量計は,専門家が持つ計器の線量計の半分程度の値しか示さない」不思議

 「国家が騙していることを知っている人に会えてよかったです

 「国家は人間に命に対して,完全な責任を負わない,ということです。」

 「国家は人に最低限のことしかせず,後は『好きにしなさい』です

 「また,私は,日本社会における抵抗のなさにも驚きました。…日本社会には『抵抗の文化』がありません。私たちの社会では,日常生活が全体諸義であることと土結びついています。あなたがたの国では,どうなんでしょうか?」

 「いまや『意識の軍国主義化』が起きています。ある所の新しい愛国主義です。『私たちには偉大なロシアが必要だ,犠牲もためらわない』というような。そして,見出そうとする活路の1つが,お決まりの軍事侵略です」

 「いま,民主主義が後退せざるを得ない時代に,私たちは生きている,とさえ言えます」

 「真実を話すと,息子の戦士による補償金がもらえなくなる。私は,そのお金でアパートを買うのです。つまりは,国民の堕落が加わっているのです」

 「どうすれば,絶望を克服することができますか?」 と,ひとりの学生が尋ねました。

 ストラベーナさんの答えは次のようなものでしたね。

 「私の人生にも,もちろん,絶望するような瞬間はたくさんありました。自分自身の人生の経験だけでなく,聞いたり書いたりしたことについても,人生では,たとえ大禍に見舞われなくても,『人間であり続ける』ことは容易ではありません。しかし,苦しみの経験は人を強くすると思います。そして,若者であるあなたに私が言えることは,ただ一つです。≪丹念で孤独な「人間であり続ける」作業≫は,たとえ一人になっても,自分自身でしてゆくことなんです。大切なのは,『人間であり続ける』ことで,他に,この世界であなたを守ってくれるものはありません。」

 「現在の世界のナショナリズム,偏狭な保守主義の台頭は,小さき人々がとても怯えてしまっていることと結びついている,ということです。そして,この小さき人々は,トランプやプーチンのように,すべての問いに素早くこたえてくれる人々を求めるのです。これが今私たちがいる現実です。」

 「もしも,天国に最後の審判があるならば,その時,神のみ前に呼ばれる主だった証言者たちは,小さき人々でしょう。私は,そんな小さき人々をこそ,信じています。小さき人々こそ,永遠の存在なんです。小さき人々は永遠に続く鎖。その鎖を断ち切り,自らを滅ぼすほど,人間は狂ってはいない,と祈りましょう。やはり歴史は前に進んでいると信じたい。道の途中で立ち止まったり,時の道を逆戻りすることがあっても,とにかく,前進は続いているんだ,と信じたい。少しずつではあるけれど,前に進んでいくのだと,それを夢見ましょう。」

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