27.05. 30 少 数 意 見 NO.811
民主主義の基本理念は「最大多数の最大幸福」ということでしょう。 それはそれで理論的には正義
とか正論であることには違いない。 また、現実にこういう方法でしか国やその他の組織の経営は
困難ということもあるでしょう。 けれども、多数が常に正義・正論であるとは限らない場合だって出て
きます。 いまの政権政党のありようもそうですが、少数者ながら水俣病に半世紀にわたって向き
あってきた医師の原田 正純・写真家の桑原文成・科学者の宇井 純・作家の石牟礼 道子は、それ
ぞれが面識のない人達で経験も専門分野も違っていたけれど、彼(彼女)達が目にしたものはチッソが
排出する有機水銀の毒性でした。
国や裁判所や企業や専門家たちが擁護する厚い「壁」に、あたかもドンキホーテのように挑んでいた
「少数者」の勇気と根気と熱意がなかったら、水俣病の患者を救済することが出来なかったし、その後
の公害問題を早期に発見するという契機にもならなかったでしょう。
「なにかヘン!」と少数者が言わなかったら、そしてそのような「ヘン」と思われるような主張に誰も耳を
貸さなかったら、人間社会を破壊しかねない事態が進行するんだということを、多数は知らなければな
りません。 高橋 源一郎著 「ぼくらの民主主義なんだぜ」を参考にしました。