新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

応急処置の繰り返し:これが致命傷につながった・・・

2010-01-10 17:59:28 | Weblog

こんばんは

 

今、帰ってきました。

結局、昨日から今日にかけてもあまり眠ることができず・・・。実はかなり疲れているモードです。

明日の当直が穏やかであることを祈ります。

 

 

さて、今日は夕方までかかりましたがいろいろな患者さんに動きが出ているからです。

一人は昨日の「急変」の連絡を受けた患者さん。 再発APLに対してトリセノックス(ヒ素)を使用している患者さんですが、金曜日に呼吸状態が悪化して、いろいろ調べた結果「心不全」で良さそうであったため(Dataは心不全をまず考えるべきもので、次に分化症候群)その治療をしていました。

 

昨日の夕方までは問題がなかったようですが、さらに呼吸状態が悪化したため「心不全」に加えて(こちらの要素は改善しているのに、呼吸状態が悪化するのは異常ですから)「分化症候群」も合併していると評価し、今日からトリセノックスを中止し、ステロイドパルスを開始しました。

 

今現在、病状は安定してきております。

 

しかし、患者さんから

「(トリセノックスを)中止するんですね」

と言われ

「今から行う治療はこの治療薬によって起こっている反応を止める治療です。ブレーキをかけようとしているのに・・アクセルを踏みながらブレーキをかけるのはおかしいですよね?

と答えたところ、すぐ納得してくださいました。

 

「いったん状態が落ち着いたら、また再開しますので一緒に頑張りましょうね」

と伝え、次の患者さんへ・・・・。

 

こちらは昨日僕が不在の時の看護記録に「肺雑音、Wheeze」と書かれていた患者さんで、呼吸音を聞いたら金曜日にはなかった雑音が・・・。

「胸部単純写真を・・・」

と研修医の先生に言ったらしっかり肺炎があったため、胸部CTに加えて、各種迅速抗原を提出し現在治療を開始しております。

 

こちらの患者さんも明日退院予定だったため、家族に説明して延期させていただきました。早めにこちらも改善させて退院していただきたいと思っています。

 

今日退院した患者さんもいますし、全身状態が良くなって行く人も大勢います。一人一人の患者さん家族に説明をしていくと…結局土日に説明せざるを得なくなります。

まぁ・・・いつ急変するかわからないのが血液内科という領域なので、仕方がないのですけどね。

 

 

さて、先程「Yahoo」を見て気になったのがこの記事です。少しご紹介いたします。

 

日本の未来、8割「暗い」=自分については6割楽観-新成人調査

1月9日16時7分配信 時事通信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100109-00000068-jij-soci  

日本の未来について、新成人の8割が「暗い」とする一方、自身の未来は6割が「明るい」と思っていることが9日、インターネット調査会社「マクロミル」(東京)の調べで分かった。同社は昨年も新成人への意識調査を行っているが、数字はほぼ同じだった。 

 

調査は昨年12月下旬、今年成人式を迎える男女を対象に実施。男女半数ずつの計516人の有効回答を分析した。 

日本の未来に関しては、17.8%が「暗い」、61.4%が「どちらかといえば暗い」と回答。理由としては「景気が悪くなる一方で、年金問題などの解決のめどが立たない」や「政権交代でも、特に大きな変化がない」などの声が寄せられた。 

一方、自分の未来については「明るい」が8.9%、「どちらかといえば明るい」も51.4%を占め、全体の6割が楽観的な見通しを示した。理由として挙げられたのは、「これから何でもでき、可能性がいっぱいある」「明確な目標がある」などだった。 

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僕は「国というのは「個人」が集まって国になりますので、個人が「明確な目標」を持ち、それを達成していくことができれば「国」も良くなっていくのだ」と考えています。

本当は個人個人の目標というのが…どのようなものなのかによるところも大きいとは思いますが。

 

 

いずれにせよ・・・・自分のことはできる。明確な目標がある。だから明るい。しかし、日本の未来は暗い。何故なら自分が何かできることではないから・・・。

 

そう考えるのは「日本」という国のことは「自分自身がかかわる問題ではない」「それどころではない」という考え方を反映していると思う。

 

確かに今現在は・・・「景気対策、年金問題など解決のめどが立たない・・・

僕たち医師であれば「医療問題、医療崩壊の解決のめどが立たない

 

今まで…この個人個人の「事なかれ主義」「長いものに巻かれろ主義」「周りが勝手にやるさ主義」のようなものが…日本という国全体の状況の悪化につながり、ちょっとした「応急処置」では対応できなくなってしまったのだと思います。

 

いや、実際には・・・今まで「応急処置」を繰り返しすぎたから、原因に対する対応が遅れて致命傷につながっているのだと思います。

 

例えば…医師不足に対して「NP(ナースプラクティショナ)」で対応するとします。これは応急処置です。医師不足を解決するのは「医師数の増員」だけです。

 

通常なら「応急処置」をやっている状況で「根本に対する治療」を行っていくわけです。

 

日本では「根本に対する治療」がおざなり・・・いや、なおざりになっていた。

(日本の政治制度が悪いんでしょうね。これは改善の余地がありそうですね)

 

 

この「自分自身の未来」と「国の未来」に対して考え方が異なるのは、新成人が「国の未来も自分たちが作るもの」とは考えていないからに他ならないと思います。

 

もし、これが「日本の未来が暗くなる一番の原因」であれば…それに対する治療…、すなわち「教育改革」を行わなくてはならないと思います。

 

僕たち一人一人が…日本の未来、世界の未来、子供たちの未来に対して責任を持ち…改善できるところを改善して行くように努力しなくてはならないと思います。

http://blog.with2.net/link.php?602868

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なかのひと 

それでは、また。

ちょっと疲れ気味で…眠いです(zzz)

 

 

コメント (3)
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