こんばんは
今日は早めに帰ってきました。
今日はさすがに「虫の知らせ」はなかったので、7時くらいに病棟に到着し、患者さんを把握後に回診しておりました。
患者さん一人一人に話しかけていき、質問などに答えたり、「次の目標はここ」「今こういう治療をしているんですよ」・・というような話をして各患者さんの状態を把握します。
話を聞いて行くのがメインですが、当然ながらVitalなどに変化が出ている人や、重症患者さんはいち早く診察をして…という感じです。
僕が研修医並みに早く来るのでプレッシャーになる人もいるかもしれませんが、採血など(うちの病院はまだ研修医が採血しています)で患者さんの状態把握が遅れるのだけは避けたいと思っています。
ですから、看護師さんが朝一番のVitalをパソコン上に入力してくれる7時過ぎを狙って病棟に登場し、診察や話をしに行くわけです。
そのおかげでたまたま早朝に起きた心肺停止の対応もできたこともありました。
…あのときはエレベーターのドアが開いて・・ナースステーションへ行き
「おはようございます」
と言ったら
「先生、CPA」
と叫ばれて白衣を着ずに走りましたね…。
それは置いておいて…。
現在も重症の心不全に加えてDICが燃え盛っている状態の患者さんがいて、その管理に非常に気を使っています。FFPを6単位(720cc)いれてもフィブリノゲンが下がっていく(100以下)。けど、EF25%という状況ではこれ以上入れようもなく、状況の改善まで粘るしかない。まぁ、それだけの全身管理はできるつもりですが…。
で、いろいろやっているうちに救急車で患者さんが運ばれてきました。90代の方で白血球は20万以上、慢性心不全に加えて肺炎もあるという状態です。
入院後は改善してきていて、入院時に出ていた心房細動も消失し…なんとか心不全のコントロールはつきそうですが、肺炎も併発しているので大変です。このおばあちゃんすごくいいおばあちゃんなので(誰であってもベストを尽くすのですが)、なんとしても改善させたいと思っています。
さて、そんなこんなをしていたのですが全体として落ち着いているので、今日はさっさと帰ってきました。
さて、今日はこちらの記事を紹介します。
再診料と外来管理加算、時間外対応なら配慮―足立政務官
1月19日19時31分配信 医療介護CBニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100119-00000006-cbn-soci
足立信也厚生労働政務官は1月19日の政務三役会議後の記者会見で、来年度の診療報酬改定について、電話対応や他の医療機関の紹介などの「かかりつけ機能」を診療時間外にも発揮し、地域医療を支えている医療機関と、診療時間外には対応しない「ビルクリニック」などでは、再診料と外来管理加算の合計額に「差があってしかるべきだ」との考えを示した。その上で、かかりつけ機能を有する場合には、「マイナスはあり得ない」と配慮する考えを強調した。
足立政務官は会見で、診療時間外には対応しないいわゆる「ビルクリニック」などについては、再診料と外来管理加算の合計額を引き下げる可能性を示唆した。これに対し、時間外にも「かかりつけ機能」を発揮する医療機関に対しては、合計額が下がらないように配慮する考えを強調。両者の診療報酬に差を付けるための評価方法を検討する必要があるとの認識を示した。
来年度の診療報酬の改定率は外来の0.31%に比べ、入院が3.03%で手厚くなっているが、足立政務官は、通常は入院して行う病理検査などを外来で行っているケースがあると指摘。「外来でも(評価を)充実させるべき部分がたくさんある」との見解を示した。
----------------------------------「ビルクリニック」などについては、再診料と外来管理加算の合計額を引き下げる可能性を示唆ということですが、減点では誰も開業しなくなるのではないだろうかと思ったりします。
それが目的で(病院に医師を集めるため)やっているのかもしれません。しかし、外部機関がなくなれば病院は再び疲弊していくと思います。
個人的にこの記事を読んだときに感じたことは、外来管理加算などを引き下げていけば・・当然クリニックの経営は成り立たなくなるな~ということと患者数がすべてになったら、質が下がるな~…ということです。
日本の1回あたりの診療費用は7000円(1990年)とも9000円とも言われますが、一回当たりの費用は大変安くなっています。その一方で受診回数は非常に多くなっており、年に14回以上。月1回以上の受診回数ということになります。
医療費が安いから軽症でも受診する。軽症で受診するからこそ重症になって死亡することも少ない。…そういう一面もあるのかもしれませんが、軽症患者の受診が多すぎるというのは事実だと思います。
ここからさらに引き下げていくとどうなるのか?
僕は本当は受診しなくてもよい程度の患者さん(普通の風邪で大学病院にかかるなど)がさらに受診していくような気がします。ここでいうところのビルクリニックは患者さんが増えると思いますが(安くなるなら)、どうしても数(患者さん)で勝負せざるを得なくなるでしょう。そうしなくては経営が成り立たなくなるでしょうし・・・ね。
数で勝負になれば・・質は当然下がっていくと思います。悲しいことですが…。
総医療費をある程度減らすために…というのであれば、僕は「軽症の患者さんが受診しすぎない程度に診療報酬をあげる」ことがまず必要で、そのことは相対的に医師・看護師などの医療従事者の仕事量を減らすことになり待遇改善にもつながると思っています。
そして目標/目標達成能力…この場合、「受診が必要な患者さんに必要な医療を提供できる」という目標を達成するために『「医師」「看護師」が質の高い医療を提供できるだけの時間的、物質的余裕(勉強する時間も含めて)』が少しずつできてくるのではないだろうかと思うのです。
まぁ、一つの考え方であって・・・絶対的考え方というのはないと思います
「時間的・量的限界」を感じている医療従事者の側からみると
「軽症患者さんにとられる時間のために、重症患者さんがしっかり見れない」
といいたいのですが。(一部の)患者さん側からは
「軽症だったら医者は診ないというのか?」
と言われそうですね。
http://blog.with2.net/link.php?602868
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現実に病棟で死にそうな人を当直中に治療をしていたときに受診希望の電話が患者さんから来ました。
二正面作戦は不可能だと思ったことと、本人が電話口で元気に話していることなどを含めて2次救急に行ってほしいとお伝えしたら
「俺の体はどうでもいいって言うんだな」
と、怒鳴りつけられたことがあります。
現実として「医療の需要」と「医療の提供・供給」が不均衡なわけですから…どちらかを下げるか増やすかしないと無理な話ですよね。
僕はそう思っています。
患者さんによい医療を提供するために!
それでは、また。