新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

東京医大の話題から:医療システムの問題・政治の問題もあるかなと

2018-08-05 12:01:11 | 医療

こんにちは

 

昨日は当直で、今帰ってきました。当直の時に母校のスクラブを着ていると夜中呼び出しがないという傾向があり、昨日も着用していたのですが・・・。3回目で途切れました。少し大変な当直でした。

 

当直の合間に内科専門医の更新などに役立つ(あと自分の勉強)セルフトレーニング問題集というやつがあるのですが、それを頑張って解いていたところです。こういうのは自己研鑽になると言われるのかしら。夜中も含めてそれなりに患者さんの対応しておりましたけど・・・。

 

さて、話は変わりますが、東京医大の話、やはり色々話題になっておりますね。

東京医大の女子“差別”は日本の恥=英紙等も報道

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180803-00010004-fnnprimev-soci

8/3(金) 11:40配信

“日本の恥”は世界に報道された

東京医科大学が'女性排除目的で試験結果を操作’」
“Tokyo medical school 'changed test scores to keep women out'”

(画像)世界が報道する東京医大の女性差別問題

ネットで英字ニュースをチェックしていたら目に飛び込んできた見出しである。
イギリスの新聞・ガーディアン紙の3日付けのウェブだったのだが、中身をチェックしたら、アメリカの世界的通信社・APが配信したものだった。
内容的には、通信社の配信ということもあり、日本での報道を比較的淡々とまとめたものだったのだが、それだけにかえって強く我が国における女性の地位向上と社会進出の遅れを印象付ける結果になっていた。

言うまでも無いことだが、これは日本の恥である。
勘違いしないで欲しいのだが、筆者は海外で報道されたことを恥と言っているのではない。

(以下略)


女子「一律減点」、フランス大使館が皮肉ツイート 「皆さん、ぜひ留学に」

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180803-00000006-jct-soci

8/3(金) 14:37配信

 東京医科大が入試で女子受験者の得点を一律に減点し、合格者数を抑えていたとされる問題を受け、欧州の在京大使館から皮肉るようなツイートが複数飛んでいる。

 いずれも、自国での女性医学生や女性医師の割合の高さを強調する内容で、とりわけフランス大使館のツイートは、「一律減点」のハッシュタグ付きで「皆さん、是非フランスに留学に来てください」と、なかなか「攻めた」内容だ。

■フランスでは2021年にも医師が男女同数

 フランス大使館のツイートは2018年8月2日夕方「今日のプチ知識?」と題して投稿された。それによると、フランスの大学医学部に占める女子学生の割合は、00年の57.7%から16年には64.1%に上昇し、21年には医師の男女同数が実現されそうだという。「高等教育における主要学部の女子学生の割合」と題したグラフもついており、全分野の合計でも女性学生の割合が55.1%に達していることが強調されている。その上でツイートでは、

(以下略)


先日いただいたコメントの返事にも書きましたが、女性の比率が明らかに低いのはおかしいだろうと思います。多分、多くの医大で同じ傾向のような気がします。

 

自衛隊のように女性では対応しにくい分野もあるとは思いますので、全ての職業で男女比が一定でなくてはならないとは思いません。そういう職場には女性も参加したいという人は少ないと思いますし。

 

ただ、女性だと人的労働力が確保できないという考え方の場合は、「システム」の問題があるわけで、それを改善することから始める必要はあると思います。

 

このブログ自体が「医療制度」の問題を書いてきたブログのため、少し書きます。

 

最初に裏口入学に関して。

医科大学に関しては「医師」になれなければ、はっきり言って他の学部を卒業した方よりも一般社会でできることは少ないだろうと思います。完全に医師になるため「だけ」の勉強をしているところですので。

 

医師国家試験の合格率が比較的高いため、医大に入ると「医師への道」が開けると思う方が多いです。少し前はそうだったと思うのですが(少なくとも卒業できる)、最近は留年する方が結構いらっしゃる(医学部や医大の評価の1つになるため、優秀な学生を集めるために、医師国家試験に受かりそうにない人は留年させています)ので大変です。

 

裏口入学した方は「将来」を棒にふっている可能性もあります。そういう意味ではかわいそうなことだと思います。卒業もできず、医師にもなれず・・・だと、せっかく医大に入るくらいの力があったのに、世の中の役に立てないまま人生を過ごしていくことになります。

周りの同級生が医師になっているのに、数年たっても医師になれない・・・となると、通常はほとんど医師になれないと思います。医師国家試験の問題が変わって行きます(新薬などが出るようになる)ので。

 

女性医師の問題。

本来は女性医師がいても対応できるように世の中がなっていくのが普通だと思うのですが、医療現場以外も含めて育休や産休に対してのシステム作りができていないのだろうと思います。それは日本という国を先細りさせる原因になりますので、世の中の政治家の問題でもあると思います(そういう政治家を選ぶ国民の問題でもありますが・・)。

 

実際に医師数としてギリギリの状態で医療現場が成り立っている(一部成り立っていない)ので、少しのひずみが全体に大きく影響してしまう。そうするとひずみが少なくなるように「情報改ざん」をしないといけなくなるのだろうと思います。

 

最後に思ったこと。

そうやって制限を受けた中で入学した女性医師の方々、医大生の方々は優秀なんでしょうね。そういう方々が働きやすいような環境を作っていくことは重要だと思います。

 

本当は医師がある程度集約化していれば、お互いにカバーできるのでこんなに問題にならなかったと思うのですが、分散しすぎですよね。医療制度をどうするべきなのか、いろいろ考えさせられるなぁと思うところです。

 

いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。

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それでは、また

 

コメント (4)
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