こんばんは
昨日、今日と少しバタバタしておりました。バタバタしていたものが落ち着いたことと台風が来ていることもあり、少し早めに帰ったところ、娘が喜んでくれました。
「今日はどうして早いの?」
「台風が来ているから、帰れる人は早めに帰ろうという話になったんだよ」
「台風さん、ありがとう」
・・・・いや、お礼はまずいだろ・・・と心の中で突っ込みましたが、娘がそう言ってくれるとすごく嬉しいです。
医師も人ですので、家族は大事ですし、子供との時間も取りたいですし、子供が喜んだら嬉しいです。
そんなことを思いながら、Yahooニュースを見ていたら、こんな記事がありました。
医師から患者になり、初めて知ったこと=手術受け分かった不安、立場の違い
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180808-00010000-jij-life&p=1
8/8(水) 11:05配信
私が人生で初めて全身麻酔手術を受けたのは、医師になって数年たってからのことでした。この時、手術前後で1カ月近くの入院を経験しました。私は初めて入院患者となり、それまで全く気づけなかった驚くべき事実を知ることになります。
(中略)
手術後は、自分の体が問題なく回復しているかどうか、不安で仕方がありませんでした。医師である私ですらこうなので、医療の専門家でない患者さんからすれば、その不安は計り知れないでしょう。
(中略)
私は医師として患者さんと接する時は、「不安なことがあれば私に何でも言ってくださいね」と言っていましたが、それだけでは不十分だということが分かりました。遠慮がちな方には忙しそうな姿をなるべく見せず、「じっくり全ての情報を引き出そう」という姿勢を見せるようになりました。
(以下略)
おそらく、その通りだと思います。
患者さんはどういう経過が予測されているのかわからないですから、不安ですよね。僕もそう思います。
僕もそう思うので、予測できる範囲で患者さんに伝えています。看護師さんにもそれぞれの患者さんで「どの治療を行い」「どの点をリスクと考えていて」「どこを特に注目してほしいか」を伝えています。そういう情報を共有してこそ、患者さんに対する対策が生きてきますので。
話がずれましたが、患者さんには
「いつ頃こういう状況になって、この時期には熱が出やすくて、この時期に回復が始まって、こうなることが予測されます」
今、同種移植の患者さんも担当させていただいておりますが、その方にも概ね予測されることをお話ししていますし、現状に関してどう判断しているかもだいたい伝えています。そうじゃないと不安だろうと僕も思いますので。
もっとも神様ではないですので、全て予測できるわけではないです。当たり前ですが。
一人の患者さんの状態、合併症などを評価して、数十通りくらいのパターンを組み立てます。ある結果が出るとパターンが少なくなりますので、その状況下で今後の予測されるパターンをいくつかお伝えします。あるパターンであれば、それに対してはこうするので「こんなことが起きたり、こんなことがあったら教えて欲しい」とお伝えしています。
最初の時点で数ヶ月先までのパターンは考えていて、ある時期までにどういう結果が起きるか、もしくはこの結果が起きないか・・・(パターンを分けていくだけ)。
そういうのも統計データとかが重要だったりするのですが(この病気でどの程度の患者さんが、いつまでにどのくらい回復するか。この治療でどの程度の効果がないと予測以下か・・・など)。
ともかく患者さんの不安を軽減するためには、先の予測が重要で、そのパターンはある程度はお伝えした方が良いだろうな(あまり外しすぎると逆効果)と思っております。
無駄に統計的なことばかり伝えてもメリットはないとも思いますが・・・(50%は治る・・・と考えるか、50%しか治らないと考えるかは患者さんによって違いますので、伝え方は重要かなと。あと判断が)。患者さんにとっては自分がどうなるかが重要ですので。
そこらへんは中庸が重要ですよね。
ともかく血液内科の治療は抗がん剤治療など副作用の多いものが多いため、できるだけ何もないように気をつけながら全身管理を行なっております。そのために予測できる動き、起こりそうな話、「何を気をつけていて。こうなったら何が起きている可能性がある」かを患者さんや看護師さんと共有して治療にあたるようにしています。
いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。