こんばんは
金曜日は比較的余裕のある曜日でして、患者さんを見る合間にいくつか仕事をしておりました。そのうちの一つがある教科書の1分野の執筆作業ですが、本日校正作業を終了して出版社に送りました。それが終わりましたので、次の仕事に取り掛かろうかと思っています。
さらに合間にJMECCのディレクターの申請準備をしていましたが、問題はともかくシナリオ作るのは難しいと思いました(汗
ということで、時間がかかっております。
他にもやらなくてはいけない仕事がいくつか。
仕事が多い方がやりがいがありますよね。
話は変わりますが、僕は漢方薬を研修医の時に学んでから、結構使っているのですが・・・ちょっときになる記事を見つけました。こちらの記事を少し紹介します。
政府は、漢方薬の効能などについてビッグデータを活用して検証する方針を固めた。来年中にも始め、薬1種類につき100万人規模の使用者データを集めて分析する。科学的な根拠を確立し、漢方薬の効果的な服用方法を見つけたり、副作用の防止につなげたりしたい考えだ。
(以下略)
ビッグデータというのは整備されていない(論文などで扱うデータは、同じようなグループの集まりですが、そういうことがされていない)膨大な生データみたいな意味です。
DPCデータや診療報酬明細書のデータなどと薬を突き合わせて色々判断するということだと思います。
実際に漢方薬の効能をどう調べようとしているのか、僕はよくわかりません。本来、漢方薬は「疾患」に対して使うのではなくて、「証」に合わせて使用します。西洋医学の「原因に対して、それを抑える」という薬ではなく、「体調のバランスが崩れているので、バランスを整える」という考えが漢方の世界だと思っております。
葛根湯のように風邪の初期に使う印象がつよい薬もありますが、葛根湯は肩こりにも使用できますし、様々な効能があります。同じ病気でも違う漢方薬を使用する時もありますので、実はビッグデータではわかりにくいのではないかと思ったりしております。
巷で話題の「ナイシトール」などで使われている「防風通聖散」は漢方の下剤ですが、下剤としてよりは代謝活性を上げる目的で使用されているかもしれませんし・・・・。薬と効果が1対1対応でないのが難しいような・・・。
膨大なデータからわかることもあるとは思いますが、変な方向に行きそうな気がして嫌だなと感じております。
いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。