新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

水虫(足白癬)か?湿疹か?:検査しないとわからない・・・が

2012-05-16 21:17:34 | 医学系

こんばんは

 

3日ぶり…4日ぶりか?

帰ってきました。とりあえずは大きな問題もなく、職務を全ういたしました。まぁ、俗にいう事務当直なんですが・・・いるだけでも疲れますね。最も医師としての当直に比べれば全然ですが。なんといっても夜中に起こされないので、目覚ましなしでもいつも通り(朝5時)に目が覚めるw

そんなこんなで久しぶりに記事を更新します。

Yahooを見ていたらこんな記事がありました。意外と身近な病気ですが、書かれている通りで意外と厄介です。

 

 
 梅雨の時期から夏にかけて増える水虫患者。日本人の4人に1人が悩んでいるとされ、長年放置して慢性化している人も少なくない。症状は、むずむずしたかゆみや爪の変色・変形などさまざまで、悪化すると歩行に支障を来すこともあるという。適切な治療法や予防法について、順天堂大医学部附属練馬病院(東京都練馬区)皮膚・アレルギー科長の比留間政太郎(まさたろう)教授に聞いた。(竹岡伸晃)

 ◆素人判断は禁物

 東京都内の40代男性は約10年間、水虫を放置していた。市販薬を使用したもののかぶれを引き起こし、歩くのがつらくなるほど悪化したため専門医の元に駆け込んだ。比留間教授が診察した患者の一例だ。かぶれと化膿(かのう)菌感染を合併した重症の水虫だったが、治療で症状は大幅に改善した。

 比留間教授は「水虫が悪化すると歩行に支障を来すだけでなく、体全体のバランスを崩し、膝や腰を痛めるリスクもある」と指摘。そのうえで、「適切な治療に根気よく取り組めば多くの水虫は治る」。

 水虫は白癬(はくせん)菌という真菌(かび)の一種を原因とする感染症。平均気温18度以上、湿度80%以上になると活発に増殖を始めるため、蒸し暑くなるとかゆみに悩む人が増える。

 最も多いのが足の指と指の間や土踏まず、かかとなどにできる「足白癬」。慢性化すると菌が爪に入り込み、「爪白癬(爪の水虫)」になる。菌は手や頭部、股間など体の他の場所にも感染するという。

 症状は水虫の種類(病型)によって異なるが、典型的なのが、激しいかゆみや水疱(すいほう)、皮膚の炎症や皮むけなど。爪白癬の場合は自覚症状がほとんどなく、爪が変色しポロポロとむける。「角質増殖型」白癬は手足の皮膚がかさかさ・ごわごわになる。ただ、症状が似ている別の皮膚病の可能性も高いため、「素人判断で市販薬に頼るのは禁物。かえって症状を悪化させる恐れもある。早めに皮膚科専門医の診察を受けることが不可欠」(比留間教授)

 ◆家族一緒に治療

 医師は、皮膚の一部を顕微鏡で見て白癬菌を確認する。正確な診断を受けるためには、(1)受診の数日前から水虫薬を使わない(2)水疱をつぶさない(3)爪は切らない-ことが重要。問診時には、発症部位・時期、自覚症状に加え、市販薬使用の有無、皮膚病を含む病歴、家族の水虫の状況などについても伝えておきたい。

 水虫は家庭内で感染するケースが多い。再感染を防ぎ治療効果を高めるためにも、水虫に悩む家族がいる場合は一緒に治療を始めることが大切だ。

 治療には外用薬や内服薬が使われ、完治までに軽症の場合で1~3カ月、爪や角質増殖型の白癬のように慢性化したもので1~2年かかる。比留間教授は、「症状が良くなると治療を途中でやめる人も多い。皮膚から菌を完全に追い出すまでは治ったことにならない。完治するまで通院してほしい」と話す。

 比留間教授が提唱する「水虫治療・予防の7カ条」は別表の通り。室内や体を清潔に保ち、身の回りから白癬菌を遠ざけておくのが予防の第一歩だ。

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僕は血液内科医ですが、職場の関係で総合医のようなこともやったりします。それ故に整形外科的な病気(今日もひとり椎間板ヘルニアが来ました。たぶん、MRIをとれば・・・)や足白癬、湿疹など内科分野以外の患者さんも診療したりします。

 

今日のヘルニアの患者さんはどうなったら「手術」で、今の時点では改善傾向のようなのでこのまま保存的に…という話を理解してくれた。MRIとって確定診断するのはいいのだけど、診断を確定しなくても処置が「安静」+「鎮痛薬投与」であれば(筋力低下などがなく、下肢に広がる・・・L5/S1領域の神経痛、しびれが2日前を10とすると5に改善)、検査をしないというのも選択肢だと思っています。今までも書きましたが「検査をする」ことで何らかの方向性の変化がなければやらないほうが良いと思っているからです。

 

さて、この水虫・・・別に皮膚科の医師ではないのですが、顕微鏡があれば顕微鏡で診たりすることもできます。大体、足白癬が広がっている方向の端の皮膚をちょっととって、KOHをかけてみると黒い糸状のカビちゃんがみえます。

 

ところがそんなものがないところもあります。例えば、今いる場所は相談されても診断する道具がない。よってこんな説明をしたりすることがあります

「おそらく、見た目や症状からは水虫だと思います。けど、実はただのかぶれだったり、他の病気だったりすることもある。だから、今日処方する薬で全く改善がなかったらもう一度来てもらえないだろうか。もし、この薬で効かなかった場合、普通の湿疹である可能性とこの水虫の薬が効かない水虫である可能性があります。その場合、まずは湿疹の薬を使います。湿疹の薬は基本的にステロイド剤…というのですが、水虫だったら悪くなります。もし、いきなり悪くなったら違う水虫の薬を使います。このやり方がいやであれば診断ができる近くの皮膚科を受診した方が良いと思います」

 

水虫の薬が効かない可能性もありますので、治療を始める前に診断するのは大事なことです。ただ、検査をすることなしに「水虫ですね」と言って治療を開始する先生も多くいらっしゃいます。

 

僕も顕微鏡を持ち歩いていないし、KOHも持っていないので「水虫」の可能性が高ければ「上に書いた」ような説明をして、治療を開始することが多いです。もっとも効かなかった場合の可能性は必ず説明しますが。

 

いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。

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