新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

診療科の選択に関して

2011-11-03 15:00:18 | 医療

こんにちは

 

月曜日から水曜日まで…地図を片手に地域の勉強をしておりました。なんだそりゃ・・・と思われるかもしれませんが、そんなことをしていました。

 

で、今朝まで仕事があって、それを引き継いで先ほど帰ってきました。しかし・・・このあと友人と飲む約束があるので、再び東京に向かいます。

先程、コメントに彩子さんという受験生の方がコメントをくださいました。受験の時点で血液内科を目指したいということで、僕は素晴らしいな~と思いましたが何事も「点と線」で目標を定めると、時折身動きが取れなくなることもありますので・・・僕を一例として診療科の選択に関して書いてみたいと思います。参考になればよいのですが。

 

その前に・・・僕は小学1年生の時から生物学者志望でした。医師も考え始めたのは高2の秋でした。修学旅行中(5泊6日)、最後に京都から札幌に帰る夜行列車のなかで友人とそのような話をしたのがきっかけでした。

ちなみに高校は僕は「部活命」の人間で(そのくせインターハイには行けず・・・orz)勉強はしていませんでした。それ故、高3の夏から1日15時間以上は頑張って勉強し、マルチプルチョイスでは河合塾の模試で404点(800点満点)だったのを700点Over、記述は偏差値32まで下がっていたのを65まであげましたが、医学部を受ける自信はなかったので「北海道大学 理学部 生物学科」を受験しました。北大・生物は高2までの第1志望でしたし、もともと北大生物に合格できると考えて動いてましたので・・・。

一応A判定、A判定だから落ちはしまいと思って受けたにもかかわらず、あっさり不合格w 後期試験は自信過剰にも出願してなかったので、現役の試験はこれで終了w

高校の友人からは「死ぬんじゃないぞ」というような電話までかかっていましたが、この時点でどういうわけか

「これは僕に医学部に行けということだろう」

と自分に都合よく(w)考え、医学部に入りました。こんなに適当な考えで医学部に来て、今では「医師が天職」と思っている次第ですw

 

この時点ではもともとスポーツ大好き人間でしたし、入学当初はスポーツ医学関係の先生とコンタクトを取ったりしていました。

 

しかし、病理学とかいろいろやるうちに「がんが面白い」と思うようになりました。

 

がんが面白い。腫瘍を根絶できるようなそういったことをやってみたい・・・と思いどういった診療科に入るのがいいだろうか・・・と。

 

循環器内科の先生に

「おれは腫瘍が嫌いだ。だから、循環器内科にした」

と言われたりしましたが、僕は逆にほとんどの診療科を腫瘍という面から眺めてみたり・・・。

 

要するに「臓器別の勉強」と「(腫瘍という面から)横断的に勉強」していました

 

ここで腫瘍をやるといってもいろいろ考えがあります。過去に記事に書いたと思うのですが(何せ、もう6年書いてますから)、僕は抗癌剤治療や免疫療法に興味がありました。

手術は逆にしたくなかったw

 

抗癌剤治療をよく行う診療科・・・として僕の中にあったのが

1、血液内科

2、産婦人科(婦人科癌)

3、乳癌

4、泌尿器科

5、整形外科(骨肉腫など)

でした。

 

小児科の腫瘍は考えませんでしたね、そういえば?

 

当初はスポーツ医学+骨肉腫など・・・を考えましたが、当大学の整形外科は両方ともありませんでした(笑

そこで終了w

 

で、いろいろ考えていくと血液内科というのは本当に「自分の診療科で自己完結している」ところが大きいと考えました。

 

診断から治療までほかの診療科に頼むことは少ない

これは上でにあげた診療科はそのような傾向は強いと思いますが・・・やはり、Medical oncologistとの共同作業になります。手術は外科の力を借りなくてはならない。

両方とも一つの診療科でやっている・・・というところもあると思いますが、一人の医師が両方とも完璧(というのはないかもしれませんが)にできるというのは…人間という枠の中ではなかなか難しいかもしれません二兎を追うものは一兎を得ず…になりかねない

血液腫瘍は外科的には切れませんので抗癌剤治療のスペシャリストであれば(それは同時に合併症の対応もできるということですが)よい

 

2つ目に臨床と研究が近い位置にある。臨床検体から癌細胞を得るのも比較的(というよりも、圧倒的に)簡単である。Translational researchがしやすいと考えた。

研究結果が患者さんのためにならないのであれば…医者としてその研究は自己満足でしかないかもしれません。可能であれば患者さんのために役立つ研究をしたい。そう思うのが「医師である研究者」だと思っています。

 

3つ目に免疫療法などを考えると「免疫細胞=血液細胞」

 

であり、このようなことを考えると血液内科を選択しようという結論に至りました。医学部5年の時に決めました。

 

これは僕の思考過程です。

 

彩子さんのような前向きで「医者として頑張りたい」という方にはぜひ医者になって(血液内科にぜひw)いただきたいのですが、まずは医者がすべてではないですよ~というのが一つと、医者として頑張っていくにも勉強したうえで興味や実際の現場を見て決めてください

 

血液内科に興味があるのであれば・・・やはり、大学を選ぶ時点でそのことも念頭に入れたほうが「研究」などはしやすいかもしれません。

 

しかし、今はマッチング制度もありますので医学部に入ってから、自分の興味を見定めて、そののちに自分のやりたいことをやっている大学や病院の研修(後期研修、大学院)を受けることも可能であると思います

http://blog.with2.net/link.php?602868

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なかのひと 

だから、すべて今の時点で決めなくてもよいのではないかと思います。

それでは、また。

 

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2 コメント

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Unknown (だん)
2011-11-04 18:56:46
郵便配達やね
地図を片手に郵便配達やね?
なんの郵便を配達しているの?

先生はきっとお医者さんになるために生まれてきたんだよ
お医者さんになりたくてもなりたい気持ちだけでなれるような職業じゃない
選ばれた人しかなれないんだよ


先生あのね、
先生も同じこと思ってるんだなあ
って思って
びっくりしたんだよ

あたし片目見えないけど車の免許持ってるんだよ
数年前にMT車でとったんだよ
だけど、運転するの親から反対されてるんだよ
危ないからって言われて
だから数年前に免許とってからまだ一度も運転したことない
乗りたいけどね、
親が反対する気持ちもわかるからね、我慢してる

気をつけたら大丈夫なんだろうけど
やっぱり危ないよね?
先生も動いてるのが危ないって思ってるんだったら
あたし危ないんだよね
先生に言われたから
ちょっと納得した
もう仕方がないや
返信する
郵便配達w (アンフェタミン)
2011-11-04 21:40:25
>だんさん
こんばんは、コメントありがとうございます

郵便配達ではないですけど、まぁ地図を片手にさまよっていました。

医者は…確かに僕は天職なんだろうと思います。勉強しているつもりではなくて、興味を仕事にした感じがします。・・・こういうのをプロというかどうかはわからないのですがw

ご両親の心配はごもっともだと思います。いろいろ気を付けたら大丈夫なことも多いと思いますが、車に関してはだんさんも危ないかもしれませんし、相手の方もいますのでやめたほうが良いのだろうと思います。

笑い話ですが…僕は自動車教習所で一度メガネをかけ忘れて教習を受けました。
「なんかいつもと違うよね・・?あっ」
と教官がいい気が付きましたが・・・

また、コメントいただければと存じます
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