未来技術の光と影。
SIYOU’s Chronicle




普段、映画やドラマの感想を書く時には、ネタバレしないように気をつけている。

今回は踏み込んだ内容を書きたかったのでネタバレしているので、まだ観ていない人は注意だ。


いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう

ネットの感想を読んでいると、『小夏』が嫌いと言う人もいるようだ。

『小夏』が嫌い→『森川葵』が嫌いになってしまうと悲しいので、『小夏』を擁護してみることにした。


「そもそもあの2人は、何しに来たんだ。」との声がある。

玄関先には、他のメンバーとほぼ同時に着いているので『小夏』と『晴太』が入って来るまでには、ドラマでは描かれていない何らかのやり取りがあったはずだ。

『小夏』は勿論、あんな場に入って行きたいはずがなく、帰ろうとした所を『晴太』に引き留められたものと思われる。

決して、何かやらかそうとして、乗り込んで来たわけではない。

嫌々ながらも、しかし心に何か思いを秘めている様が、現れた時からの憂いのこもった振る舞いに現れている。

この中で一番の悪者は誰か?

『木穂子』だ。

失恋して、新しい出会いがあったのならともかく、『練』と知り合った後も、不倫相手とヨリを戻そうと足掻いている。

『練』はあくまでも保険に過ぎない。酷いことを言えば、その優しさに突け込まれて、いいように利用されている。

『小夏』も、『音』と『練』が付き合っているのであれば、何も言わなかったであろうし、大人の振る舞いすら出来たかもしれない。


『私』も『練』が好きだ!と叫びたい。

『音』と『練』の思いを知っているからこそ、我慢している。

だが、『こんな女』のために我慢しなければならないのは、あまりにも理不尽過ぎる。

『音』には『練』を好きだと言う資格がある。それなのに、なぜ、そうしないのか?

『私』にはその権利がない。なのにその権利のある『あなた』が、なぜ、そうしないのか?


初めから『小夏』が求めていたのはそれだ。

なぜ、「好きだ」と言わないのか?

なぜ、「好きだ」と言って、『あの女』から『練』を取り戻さないのか?

『私』も『練』に「好きだ」と言いたい。でも、片思いの『私』にはその資格がない。

両想いの『あなた』には、その資格があるのに。

なぜ、楽しそうなふりをするばかりで、「好きだ」と言おうとしないのか。

『音』!

あんたは、あんたは、一体何をしているんだ!

なぜ、正々堂々と、好きだと言わないんだ!

折角のチャンスなのに、何で話題を変えようとするんだ。

今しか、もう、今しかチャンスはないのに。


あの状況で一番辛いのは『小夏』だ。

だが、言わなければ、誰かがちゃんと言わなければ、『練』が『こんな女』のために、一生をふいにしてしまう。

『小夏』が一番ピュアだ。

会津弁なのは、感情が奔流し、自分を取り繕うことなく、正直な言葉が出ているからだ。

そして、最後の方は『自分』の気持ちに、自分の魂の叫びに、変わってしまっている。

「好きよ。 好きよ。  好きよ。」

悪者になってでも、大好きな『練』のために言わざるをえない。

八千草薫にはそれがわかっているから、「辛いね。良く頑張ったね。」と、その居たたまれない場から小夏を救い出そうと、立ち上がっている。

『晴太』が席をたったのは、『小夏』を自分の方へ向けさせるつもりで打った茶番が、思いもよらず、大好きな『小夏』を傷つけることになってしまい、その居たたまれなさから、逃げ出そうとしている。

卑怯だと言えば卑怯だが、その胸の痛みには耐えきれない。彼もまた、ピュアな心の持ち主の一人だ。


優しい『練』、わたしの大好きな優しい『練』。

でも、今のあなたのしていることは、優しさなんかじゃない。

なぜ、わからないのか、そんなことも解らなくなってしまったのか?

そうではないでしょう?あなたは、私の知っている『練』は、ちゃんと優しい人でしょ?


『小夏』の気持ちが、痛いほど伝わって来る。

以上の全てを承知の上で、「それでも黙っているのが大人、言ってしまう『小夏』はウザい。」と、言う人には、もう何も言わない。

だが、私には、『小夏』が愛おしくてたまらない。

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