未来技術の光と影。
SIYOU’s Chronicle




システム開発を生業としいてる者として、常日頃感じている感想を。

あらぬ方向へ「とばっちり」の苦情があっても本末転倒なので予めお断りしておくが、私は今回のシステムや関連会社などに、一切関連がない。

当事者は、何一つ弁明することが出来ないであろうから、代わりと言っては何だが、今回の事件のニュースにチャチャを入れてみたい。

言いたいことがある人は、この投稿のコメント覧へどうぞ。

「東証システム障害、復旧の見通し立たず売買停止続く札幌、名古屋、福岡も」
gooニュースhttps://news.goo.ne.jp/article/mainichi/business/mainichi-20201001k0000m020082000c

昼のNHKのニュースでは、街頭インタビューを流していた。

(一見)通りがかりの一般人(にしか見えない)者が、「許されることではない。」と、息巻いていた。

「誰が、誰を、許す/許さない。」の話をしているのか。

「あなか」が、今回の不祥事を「許さない」と、言っているのか。
直接被害がなかったのであれば、「あなた」にそんなことを言う権利は、微塵もない。

「世の中」が、今回の不祥事を「許さない」と、主張しているのか。
「世の中」のどの位の人に、どの程度の被害があったのか?それを知らないのであれば、そんなことを言う根拠は微塵も存在しない。

「一般の人々がこうやって声を上げるからこそ、生半可な気持ちで仕事を熟している者に猛省を促し、世の中が良くなるんだ。」

どこまで本気でそう思っているのか解らないが(多分、その手の者には、そう信じている者が多いように思われるのだが)、そんな事は現場で原因究明&復旧に奔走している者、ただ報告が上がってくるのをじっと待つしかない管理者/ユーザー。皆が胃どころか腹にスッポリと穴が開くほどの緊張に晒されている中、そんな傍観者からの言葉など、届きもしない、届いたしても何の効力を持たない。

ここ最近私が話題にしている「叩いて良い(と世間から思われている)者」に対しては、無条件に、平然とバッシングを行う。そして「自分は正義である」と、そう主張している人々のようにしか見えない。

一応お断りしておくが、たまたまテレビに映ったその一人のみを責めているのではない。
実際に被害を被った当事者が言っているのは仕方ないのだが、そうではないのに同様のことを考えた人全てに対して、自省を促している。

「個人投資家「何もやることがない」と困惑東証システム障害」
gooニュースhttps://news.goo.ne.jp/article/mainichi/business/mainichi-20201001k0000m020105000c

この記事では、個人投資家が今回の障害で、どれだけの不利益を得ているか?を、訴えたいようだが、この記事の内容に限って言えば、「そんなに騒ぐことなのか?」と思ってしまう。

「コロナ禍」で生業に多大な影響を被っている人から見れば、システムが1日止まったことによる被害など、微々たるものしか感じられないであろう。

「証券会社も混乱 問い合わせ殺到」とあるが、障害が発生してるのを承知しながら、ここぞとばかりに「オレは多大な被害を被っているんだ。どーしてくれるんだ。」と文句を言いたいがために、わざわざ電話をしている者が大半であるとしか思えない。

「東証システム障害、機器故障原因か初の終日売買停止に」
gooニュースhttps://news.goo.ne.jp/article/asahi/business/ASNB13T3CNB1ULFA00B

「午前9時の取引開始から全銘柄の売買を停止し、終日の売買停止を発表した。」
正確な発表時間が解らないので、いささか遅い気もするが、早期に「終日売買停止」を決断して発表する。との世情は評価に値する。

「もしかすると、早期に収束出来るかもしれない。」と、決断を先延ばしにしがちな日本社会であるが、昨今の台風に備えた「計画運休」などにも見られるように、早めに「出来ない」ことを決断することは、重要なことである。

「東証システム障害、取引は終日停止復旧の見通し立たず」
gooニュースhttps://news.goo.ne.jp/article/mainichi/business/mainichi-20201001k0000m020107000c

「企業や投資家の経済活動への広範な影響は必至だ。」とある。

株をやらない私には、ピンと来ない。

確かに「新規上場」した企業には大きな痛手かもしれないが、普段であれば新規上場程度ではニュースにならないような企業が「TVでニュース放映」してくれたことは、プラスに働くのでは?いやいや、そんな不運に見舞われた会社の株は、敬遠されるのでは?いやいや、「だからこそ投資して応援してあげよう。」との気概は存在しないのか。

「日銀短観」発表の重大な日だ。との報道もあるが、普段日経新聞とか読まない私にとって、「そんなの、別に極秘情報ではなく、普段の新聞などの記事を読み解けている者であれば、予想の付くものなんじゃないの?そんなのしか頼りに出来ない投資家であれば、今回の障害による影響など、たかが知れているだろ。」としか思わない。

「いやいや、実際の経済状態を「どう日銀が判断して、どう発表するか」が大事なんだ。」と言われても、やはり、その程度の投資家に対する感想は変わらない。

その程度のことで収益に大きく影響が出るようであれば、投資「家」などとは、とても呼べない。

「東証のシステム障害、解消は「明日以降」「バックアップへの切り替え」で異常」
gooニュースhttps://news.goo.ne.jp/article/itmedia_business/trend/itmedia_business-20201001_120

「東証によると、ハードウェアの障害に加え、障害が発生した機器からバックアップへの切り替わりが正常に行われなかった」

一般に、システム開発において、2つの障害が同時に起こることまでは想定しない。

正直、「バックアップへの切り替えが正常に行われなかった」レベルの障害が発生してしまったのはどうかとは思うが、コンピュータは機械であるので、故障するのは当たり前だ。

だが、一部が壊れても全体がダウンしないような技術は、10年前に比べて大幅に進歩しており、稼働率=99.999% などが謳われている。

だが、「万が一」ならず「10万分の一」の確立であったしても、10万のシステムが稼働していれば、1日に1回はどこかのシステムが停止していることになる。今回は「たまたま」誰にでもその影響がはっきりとするようなシステムであっただけのことである。

「重要インフラレベルのシステムでありながら、お金をケチって、複数リージョンによる2重化をしていなかった」とかならともかく、それほどの落ち度があったようにも(今の所)見えない。

100%の稼働は不可能である。

基本的には100%の稼働を謳い、無暗に多重なバックアップ体制を構築しようとしても、ネックとなる部分が増え、逆に脆弱化して行くばかりである。

「システムはダウンすることがある。」ことを前提にして、業務全体を考えなければならない。

システムがダウンした場合の業務マニュアルを作成し、定期的にトレーニングを実施している企業もある。

今回の様にダウンした場合に代替が効かないようなシステムの場合、「それはいつか起こる」可能性があり、システム担当者は「どうか、自分のシステムでは起きませんように。」と、神様の機嫌を損ねないように、戦々恐々とした面持ちで清楚な日々に努めている。(ほとんど本当の(マジな)話)

東証障害に「1分でも早く再開を」日商会頭
gooニュースhttps://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/business/20201001-567-OYT1T50199

日本商工会議所の会頭が「1時間でも、1分でも早く再開されることを強く望む」と語ったそうだ。

良くこの手の談話で「1円でも多く」とか言う人もいるが、それが誠意を示していると思っているのか。

私には「うわべ」を取り繕っているようにしか聞こえない。

1円多く賠償させるために、さらに費やされる時間と見合うのか。

1分早く復旧させるよりは、最後にもう1分、何か見落としが無いか?を熟慮するべきである。

菅義偉政権がデジタル化を強調する中で、「民間は政府の遅れを批判しているが、民間でもこういった大きなトラブルを起こしている。社会全体がデジタル化で脆弱(ぜいじゃく)であることを示しているのではないか」と、民間も含めデジタル化の対応を急ぐべきとの考えを示した。

いやいや、たった1件を引き合いに出して、政府の遅れを正当化しようとするのは、あまりにも乱暴である。

万が一にも本当にそう思っているならば、あなたの政権で目指している「デジタル化」とは、一体どの程度のモノを想定しているのか。

東証社長が謝罪会見「多大なご迷惑をお掛けし、深くお詫びする」…2日以降の取引再開へ対応
gooニュースhttps://news.goo.ne.jp/article/sankei/business/industry/sankei-ecn2010010040

システムを再起動すれば再開できる可能性もあったが、投資家らに大きな混乱が生じることが想定されたため、正午前に売買を終日停止することを決めた。再起動すると証券会社から受けた注文データが全て失われてしまい、円滑に取引を再開するのが難しいと判断した。

正しい判断だ。と、皆で称えなければならない。

今回この投稿を書こうと思ったのは、常々思っていた「システムは24時間365日、正常に動いて当たり前」と思っている者の、なんと多いことか。

たまにシステムが止まった時に関係のない者までも含めて、総攻撃して来ることに、違和感を覚える。

システムがほぼ無停止でちゃんと動いている陰には、それまでの数多の技術者による創意工夫の蓄積があり、そのシステムを構築した担当者、運営担当者の、夜も安らかに眠れないような日々の上に成り立っている。

システムが止まって攻撃されることはあっても、システムが正常に稼働していて、褒められることはない。

褒めて欲しい。と言うのとは、少し違う。

その辺りの事情を知っていれば、「システム障害」→「攻撃して良い」との単純な図式が誤っていることが解るだろうし、その他何でも、もっと人が生きやすい社会になるのではないか。

そう、常々感じている。

電車が止まれば、ここぞとばかりに駅員に食ってかかり、
病院で待たされれば苦情をいい、
教師に不備があれば、皆を巻き込んで追及しようとする。

やれ、やれ。

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