水の門

体内をながれるもの。ことば。音楽。飲みもの。スピリット。

台所のBGM ⑴

2020年04月25日 12時07分00秒 | 風景にあわせて
 この《風景にあわせて》カテゴリーに「料理中のBGM」について書いていたのはもう13年も前になる。兄の転勤を機に週一度夕飯を作る機会を設けて、レシピ本やクックパッドを見ながら料理中に色々なCDをかけていたことをネタにし、延べ21回も書いていた。勿論その後も全く料理をしなくなったわけではなく、クックパッドのつくれぽ等はupしていた。だが、作業所に通所し始めてからはお弁当を作る程度に料理頻度は下がってしまった。それでも後に、教会の食事当番に際してもクックパッドは重宝していた。
 私のTwitterをご覧の方はもうご存知だと思うが、実は母が20日ほど前から入院している。本当は約2週間で退院できるはずだったのだけれど、術後の縫合箇所が腫れているそうで、食事はまだ摂れず点滴をしているらしい。(らしい、と言うのはコロナウイルスの感染防止のために面会が禁じられているためである。)それで食事の用意は当然自分でやることに。「お弁当とか冷凍食品とか買ってきたりすればいいんだからね」と入院前に母は言っていたが、私は買い物に行くとドッと疲れが出るたちなので、あまり頻繁に買い出しに行くのは嫌だった。かと言ってメインのおかず的なものの冷凍食品は、冷凍庫の中で嵩張る割にはヴォリュームの点で今ひとつだ。やっぱり作るのが良かろうと日々台所に立つことにし、母の入院前に最寄りの図書館へ行って料理本2冊を借りてきた。
 朝は納豆ご飯とインスタント味噌汁にフルーツ、それに前夜のおかずの残りをつけるくらいで済ませる。問題は昼食と夕飯。母が今回手術したのは胃なので、退院後も3ヶ月くらいは普通のものは食べられないという。母は割と辛めの味付けのおかずが好きで出来合いの調味料のストックにもそういうものが多かったため、私の料理もまずそれらを片付けるところから始めた。しかし私も主婦ではないし、通所や教会の礼拝出席もある。思い立ったらすぐ料理に取りかかれるよう、献立などは前以て考えておかねばなるまい。それに料理に思いのほか時間がかかると焦りが出たりもする。そんなことを何となく感じていたタイミングで某Twitter友達から、#好きな曲を言って4人指名していくリレー、というハッシュタグで音楽バトンが回ってきた。それで引っ張り出したのが、トニーニョ・オルタの『Foot On The Road』だった。私はこのアルバムの7曲目「Where Are You」が大好きなのだ。(↓のYouTubeでは、32分46秒〜)

Toninho Horta ‎– Foot On The Road (1994)


 このシェアへの反応に気を良くした私は、このCDを聴くいいシチュエーションに思いを馳せた。そしてピーーーン!と来たのが、料理中BGM。

 想像通り、打ってつけだった。まぁそういう行き掛かり上2階にあったCDラジオをキッチンに下ろしたのだが、どうせならこの際「料理中のBGM」の復活でも図るか!?と思ったりもした。でも、前述の献立決めも冷蔵庫のあるキッチンでするのが楽だし、そういう時にもBGMは欲しい。けれども、料理中に聴くのにちょうどいいアッパー系の音楽よりも、献立を考えるにはダウナー系の方がしっくりくる。そんなことを考えるともなく思い巡らしているうちに、先のトニーニョの他に、『BUMP OF CHICKEN Ⅰ [1999-2004]』と長谷川健一『星霜』に食指が動いた。BUMPは疲れている時の夕飯作りで気分を上げていくのに、長谷川健一は献立決めに沈思するのに最適だ。トニーニョはその中間でどちらにも使えるが、昼食の準備の時などに一番フィットする。

BUMP OF CHICKEN「天体観測」


長谷川健一/星霜(from 星霜)


 まぁ料理作りで精魂尽きてしまわないためにも、当分音楽の力を借りることになりそうです。

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