水の門

体内をながれるもの。ことば。音楽。飲みもの。スピリット。

歌集『カインの祈り』

澤本佳歩歌集『カインの祈り』
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よく聴く、あるいは特別な思い入れのある高野寛の5曲

2005年09月28日 21時26分08秒 | 人[その作品]に寄せて
「面白そうだけど大変そう…」と各種の【思い入れ】企画を遠巻きに観てきた私でしたが、ハイドパーク・ミュージック・フェスティバルに行けなかった祥さんmoonlightdriveさん達の間でこの秋ひそかに盛り上がってきた《高野寛祭り》に居ても立ってもいられなくなり、私も初の【思い入れ】をエントリーすることにしました。

と言っても、そこは高野クン、美メロの名曲が多すぎますよ。そこで敢えて歌詞だけにクローズアップして曲を絞らせていただきました。

   「thanks」 ~『th@nks』より
   「いつのまにか晴れ」 ~『ring』より
   「See You Again」 ~『hullo hulloa』より
   「確かな光」 ~『確かな光』より
   「Love Letter」 ~『Rain or Shine』より

出し抜けだが、高野寛が神様や天国を意識して時折書く詞には、クリスチャンの私でもドキリとさせられる。それは「いいのかなぁ、宗教チックになるとファンを減らすぞ…」という野暮な心配のためと、彼の神様に対する信頼があまりにも真っ直ぐでまぶしすぎるからである。
そんな曲の中で、気後れせずに安心して聴ける「th@nks」が好きだ。

  神様 夢を教えておくれ 誰もが知らない声できかせて
  今すぐ僕らに伝えておくれ 心がふるえる地球の音楽を

  音のない声や(月の笑い声や) 沈黙でさえも(日が沈む音さえ)
  響くことに気がついてきた 光る音がきこえてる

私は時々「神様、本当に私を愛してくれてるの?」と疑問をぶつけることがある。だから最初、この歌詞もうっかり「神様 愛を教えておくれ…」という哀願として意識を通過させるところだった。だが実際は「夢を」である。神様と同じ視点を持ちたい、言葉では語られなくても神様が抱いている私達への期待を感じ取りたい、という強い決意なのだ。神様に愛されている前提に立たなければこの言葉は出てこないだろう。

「いつのまにか晴れ」では、意図せずして人を傷つけてしまう私達の弱さに目を留めつつもそこから解き放ってくれる力を切望している。繊細さと力強さが同居する曲だ。

  擦れ違う願い 遣り場のない怒り
  降り積もっていく
  仕方なく捨てた 小さな石にさえ
  誰かがつまずく

  ここはいつも雨 夢の中で目を覚ます
  すべての場所 解き放つ自由
  手に入れたい 僕等の心に

ここにも恐らくイエスであろう影がちらつく。

  忘れずにいるよ 僕等のために逝った君
  すべての物 解き放つ自由
  手に入れたい 僕等の心に

しかし高野寛の真骨頂は、遠くから人を想う温かい眼差しにあると思う。高野寛の歌で個人的に一番好きなのはそのような曲である。

  See You Again レールのように離れてゆく
  See You Again 今も好きさ 君のことが

  好きだから いつも会ったりはしない
  久しぶりの君はとてもきれい  ~「See You Again」より


  ただ 君のこと 願うたび嬉しい
  それだけでまた今日も 一日の勇気がわくのさ
                     ~「確かな光」より

私事で恐縮だが、以前仕事の関係で毎月短い文章を書いていた。そこには、聖句からくるインスピレーションをいつも織り交ぜていたのだが、特に読んでほしい人がいたのもまた事実である。

  言葉の奥に心託して あなたに届けたい
  世界中の誰にも書けないラヴ・レターで

  明け方近く あなたはきっと今頃眠ってる
  あなたの夢を邪魔しないように 手紙を書く
                     ~「Love Letter」より
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フランスの片田舎風レストラン

2005年09月19日 17時40分11秒 | 食べ歩きに寄せて
一昨日のお昼は、山梨県長坂町・三分一湧水の近くのフレンチ・レストラン【Le Coq Rouge】(ル・コック・ルージュ)に行ってきました。
こじんまりとした店内は、シンボルの雄鶏をモチーフとした木彫りや絵、ポスターなどが飾られ、フレンチレストランとはいえ、肩肘張らない素朴な雰囲気が漂っていました。
ランチメニューは、数種類の肉料理か本日の魚料理のメインを一品と、パン、14種類の中から選べるデザートと大変充実しており、かなりそそられましたが、この日は午後に予定があったので、魚のメイン料理の単品(からすがれいのポワレ)と本日のサラダを注文しました。
ポワレは身をほぐしてフライパンで焼かれてあり、イカスミを練りこんだパスタとリゾットが添えられていてとても本格的な一品。サラダは千切りにされた人参、ピーマン、赤ピーマンとブロッコリーなど彩り豊か。両方とも香り高く上品な味でした。入り口に置かれたチラシを見ると、シェフはフランスとアメリカで料理人として腕を磨かれたとのことでした。
気になるBGMは、ドアを開けた瞬間から「あ、いいなぁ、お店に合ってる」と感じました。多分ナット・キング・コールでしょう。マイルドな歌声とバックのオーケストラ演奏は、ヨーロッパ的なところとアメリカっぽさをブレンドしたような雰囲気があり、お店のくつろいだ空気を作り上げるのに一役買っていました。
帰宅していつものようにCD選びにかかりましたが、こんなに苦労したのは初めてです。あまりにもお店のBGMがフィットしていたから、自分なりにお薦めを見出すのは至難の業でした。2日かけてやっとエルヴィス・プレスリーのゴスペル・アルバム『His Hand in Mine』に落ち着きました。
でも、今回はお店の方に完全に降参です。今回あれこれ引っ張り出して聴き直してみて気付いたのは、味わいのある(もっと言えば少しクセのある)ヴォーカルものは沢山持っていても、マイルドで聴いていてホッとできるような唄もの(特に男声ヴォーカル)は殆ど持っていないということでした。次回のネットショッピングのテーマはこれかな(笑)。
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お月見のお供に

2005年09月16日 21時23分56秒 | 季節にあわせて
あさって18日は、仲秋の名月、十五夜ですね。今日仕事帰りに、自宅の最寄り駅に降りて空を見上げると、曇り空ながら少しだけ欠けた月がくっきり綺麗に見えました。
昨年の今頃は、お茶でご一緒している某漫画家の方がご自宅の庭に建てられた庵でお月見の茶会が催され、華やかな気分に酔うことができました。残念ながら今年はそうした予定は無いので、一人でいい音楽をかけて気分だけでも楽しみたいと思います。
ピックアップしたのは、ブラジルの重鎮的ギタリスト、トニーニョ・オルタの『Moonstone』です。ミルトン・ナシメントに数多くの楽曲を提供し、片腕として活躍してきた彼の通算4枚目のリーダー作で、ランディ・ブレッカー、パット・メセニー、イリアーヌ、ナナ・ヴァスコンセロスといった豪華な顔ぶれが共演。
浮遊感のあるメロディと涼しげなガット・ギターの音色からは、この時季の夜空をさらに澄み渡らせてくれるような深い透明感が感じられます。
ちなみに、こちらのサイトでは、お月見で聴きたい曲を色々な人から投稿してもらって特集しています。ヴァラエティに富んでいて面白いですよ。
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JMB連携TB企画 第48弾/天高く耳肥ゆる秋

2005年09月12日 19時58分59秒 | 季節にあわせて
昨日、山梨県東部は牧丘町にある友達の家のぶどう園に行ってきました。お昼ちょうどの時間に着いたら、混み混みで、友人もお手伝いに奔走しており、あまりゆっくり話などできなかったのですが、巨峰やハニーレッドなどの美味しいぶどうの他に、味噌田楽、お母さんお手製の刺身こんにゃく、キムチをいただくことができました。
お土産のぶどうも買って家路に着き、「今度のエントリーのテーマは<ぶどう狩り>だな…」と思って、家で早速PCを起ち上げてJMさんのところを覗くと、何と…!!グッドタイミングで今回の御題が出ていました。
ぶどうの芳醇な味に合いそうな音楽…ということで、色々引っ張り出して聴きましたが、帯に短し たすきに長しで選盤は難航しました。「これ良さそう」と思ったアルバムは、アマゾンにもタワーにもHMVにも出ていなくて(中途半端に古いのか??)、結局ボツ。選び直してやっと決まったのが、マリア・マルダーの『Maria Muldaur』です。
艶やかでリラックスしたヴォーカルとエイモス・ギャレット、Dr.ジョン、ジム・ケルトナーら最強のサポートメンバーによる円熟した演奏は、実りの秋を満喫するにはぴったりじゃないでしょうか。
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9月を感じる曲

2005年09月08日 19時19分30秒 | 季節にあわせて
台風一過で今日は暑い日になりましたが、その前はもうかなり涼しかったし、秋は確実にやって来ているようですね。
8月末にJMBの“過ぎ行く夏に聴くMusic”の御題に参加した時は、残暑と戯れるような音楽を選んでみましたが、今回は秋の涼やかな風を感じさせるようなブラジル音楽でいきたいと思います。
夏の暑い盛りは、女声コーラスによるボサノヴァなどでひんやりと避暑地気分に浸るのが良さそうですが、今時分には憂いを含む男声ヴォーカルがオツです。
というわけで、引っ張り出してきたのは、マルコス・ヴァーリの『Viola Enluarada』。それまでの純正ボサ路線から少し踏み出した、音楽的な移行期間にある一枚です。鷲などが気流に乗って悠々と空を飛んでいる情景が浮かぶような曲調のものには、初期のミルトン・ナシメント的な香りも漂います。
8月末から「初秋はやっぱりマルコス・ヴァーリでしょう」と思って、持っているものをランダムに聴きなおしましたが、そこで思わぬ収穫が。一連のマルコス作品も実は例によってネットでまとめ買いしており、ざーーっと古い順に聴きいたのですが、その時は近作以外はどれも似た感じに聴こえてしまって、正直あまりじっくり味わっていなかったのです。今回各アルバムのカラーがよく分かりました。
まとめ買いも考えものですね。これからは小口でもっと頻繁に買うようにしようかなぁ(笑)。
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ブルー・ミッチェル

2005年09月05日 21時19分24秒 | 思い出に寄せて
大学時代ビッグバンドのサークルに所属していた私は、そこに頻繁に出入りしていた二人のプロの方にお世話になりました。一人は、トランペットの方で、もう一人が、ドラマーでゴダイゴのプロデューサーとして名の通ったジョニー野村氏でした。
ジョニーさんは、一見すると奇想天外と思われるような練習法でジャズのリズムを私達に叩き込んでくださったり、合理的な譜面の読み方を教えてくださったりしました。
また、自分の音楽性を狭い了見で測りがちな私達に、もっと広い視野を与えてくれたのもジョニーさんでした。
ある時ジョニーさんは、「××(私のあだ名)は、このアーティストを聴いたらいい」と、ブルー・ミッチェル(Tp)、ジャッキー・マクリーン(As)、カーメン・マクレエ(Vo)の名前を挙げられました。へっぽこな私のトランペットの音の先に、偉大なミュージシャンの存在をヴィジョンとして掲げてくれたのです。
全然知らない3人でした。早速それぞれ聴いてみて、僭越ながら「そうか、なるほど…」と感じるところがありました。ブルー・ミッチェルは、トツトツとしたタンギング(発音時の舌の使い方)によるフレージングが自分と近いものを感じましたし、ジャッキー・マクリーンの油っこい音色や、カーメン・マクレエのズバッと区切って喋るように歌うストレートな声には、親しみを覚えました。
……こう書いてみると、全然毛色の違う3人のような印象を受けますが、〈私〉というフィルターを介すると、すべて繋がるのです。
私のポテンシャルをこうまで多面的に見せてくださった方は今までいません。好きな音楽と自分が努力して少しでも近づける音楽とは違うものだということを教えてくださったのも、ジョニーさんが初めてでした。
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リサとガスパール

2005年09月02日 15時34分48秒 | 本に寄せて
8/29(月)に、【えほんミュージアム清里】でやっている<リサとガスパール新作絵本原画展>に行ってきました。
私がリサとガスパールを知ったのは、地元の文具店で売っていたレターセットがきっかけ。それから2003年夏の同ミュージアムの<リサとガスパール展>ですっかりハマって、その時は絵本3冊とシール、絵葉書をたんまり買いこんできたのでした。
今回展示室を観た後、喫茶スペースで「ハーブコーディアル」を注文して待っていると、アイリッシュ風だけれど軽やかで涼しげな音楽が聴こえてきました。ゆっくりドリンクを飲みながらさらに耳を傾けていると、インストとヴォーカルがちょうどいい配分で流れてきて、「いいセンスだなぁ」と感心。飲み終わってグラスをさげる時に「CDですか?」と尋ねると、ケースを見せてくれました。無印良品の『BGM4』で、これが噂の、と合点がいきました。
喫茶スペースを後にしたら、ご多分に漏れずミュージアムショップを長時間うろうろ。リサ(白い方)のぬいぐるみを買おうかと迷いましたが、結局ヘッドフォンをしたリサをあしらったTシャツを買うにとどめました。
館内BGMの方は、従業員の方のセレクションに白旗を振ることにして、今回は絵本の『リサとガスパール』シリーズに似合いそうな音楽を。選んだのは、大貫妙子の『Comin' Soon』。ピーターラビットやテディベア、タンタンの冒険など、童話の世界がポップに繰り広げられます。大貫さんには是非「リサとガスパール」の曲も作ってほしいなぁ…。
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