もの哀しき 着メロ幾度 繰り返す
闇が夕雲 呑み込めるまで
(とど)
2009年12月2日 作歌、2014年1月25日 改訂。
闇が夕雲 呑み込めるまで
(とど)
2009年12月2日 作歌、2014年1月25日 改訂。
今朝、来月十日締め切り分の歌稿を投函してきました。
テーマは、改めて「父逝く」です。父自身の言動について詠んだものと、父と私の関係においてできた歌と、半々で構成されています。
食べては吐く父の買い置ける惣菜が入院前夜の食卓に載る
入院の父は保証に吾を立て癖字に記し印を捺したり
手続きを吾が方むいて伝えくるナースと母の顔を見比ぶ
誓約書出した明くる日届きたる福祉手帳の二級の知らせ
カテーテル付けつつ地図を広げおり遠く能登へと想いを馳せて
食道の癌に阻まれ食べられぬ馳走を父はテレビに観続く
携帯の家族割で得たクーポンが父を見送る喪服に消える
大学を出つつ稼げぬ吾をかこつ父に聞こえぬふりをしており
細りゆく父は葬儀の段取りをワープロに打ち家族に配る
さよならを始まりとして生き継げり弔う牧師の言を支えに
(2012年7月10日締め切り分、『樹海』2012年9月号掲載予定)
テーマは、改めて「父逝く」です。父自身の言動について詠んだものと、父と私の関係においてできた歌と、半々で構成されています。
食べては吐く父の買い置ける惣菜が入院前夜の食卓に載る
入院の父は保証に吾を立て癖字に記し印を捺したり
手続きを吾が方むいて伝えくるナースと母の顔を見比ぶ
誓約書出した明くる日届きたる福祉手帳の二級の知らせ
カテーテル付けつつ地図を広げおり遠く能登へと想いを馳せて
食道の癌に阻まれ食べられぬ馳走を父はテレビに観続く
携帯の家族割で得たクーポンが父を見送る喪服に消える
大学を出つつ稼げぬ吾をかこつ父に聞こえぬふりをしており
細りゆく父は葬儀の段取りをワープロに打ち家族に配る
さよならを始まりとして生き継げり弔う牧師の言を支えに
(2012年7月10日締め切り分、『樹海』2012年9月号掲載予定)