LUNACY

cygnus' blog

「アアルト」"AALTO"

2023-11-19 12:03:07 | 映画
UPLINK

アアルトは興味のある建築家。見逃さずに済んでホッと。

てっきりアルヴァ・アアルトについての伝記映画かと思っていたら、そのパートナーのアイノ、アイノ死別の後のパートナーのエリッサとの協業のストーリーでもあり。(おそらくだからこそアアルトというタイトル)

基本的には編年体のストーリー展開。
つくづく多作の人だったんだなと思いました。
ヘルシンキの駅前のホテルのソコス・ヴァークナが出てきていなかった気がするが、作品論的にはあまり大事じゃない建築だったんかな。

字幕翻訳だけれど、カトリックの教会ならば、礼拝堂よりむしろ聖堂としたほうが望ましいことが多いかも。
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「たかが世界の終わり」

2023-09-17 23:49:56 | 映画
演出:内田健司。
テアトル新宿の藤原季節特集上映。観に行けた〜(今日がこの作品の上映最終回でそれに間に合ってホッとしている)。急遽、上映後に出演者舞台挨拶あり。
藤原季節は気になる俳優さんで、他の映画出演作品も観ているんだけれど、舞台演劇出演作を観る(と言って良いのか?(ダメかもしれんが...))は初めて。

えぇと、作品として整理しておくと、まず、フランスのジャン=リュック・ラガルスの戯曲"Juste la fin du monde"(英題"It's Only the End of World")があって、邦題「まさに世界の終わり」として翻訳されていた、と。
そこに、グザヴィエ・ドランが映画化して、その邦題が『たかが世界の終わり』となって、そのタイトルの方で広まったと(僕は認識)。
広まった理由は、言うまでもなく、カンヌ国際映画祭グランプリ受賞。そして、それのみならず、グザヴィエ・ドラン人気。
そして、新型コロナ禍の期間に、演劇として撮影されて配信されたのが、今回、内田健司演出のこの演劇版の作品。
んで、配信を観れていなかったし、今回のテアトル新宿での上映チャンスは逃したくなかったというワケ。

長い前置きだw。

僕自身、このドランの映画を観ていたから、今回も、ストーリーを追い切れたと思う。
原作翻訳を読んでいないけれど、おそらく、そのままなのかな?と思ってる。
家族のしっくりいかなさを描いていて、糾弾しあうのが観ていて時として苦しくなるけれど、
でも、どの家族にもそういう部分あるよね、みたいな感じ。

俳優さんたち、よく長い台詞を覚えるねぇ(すごい)。
そして、さらに、カメラが舞台を(俯瞰で)映しているんじゃなくて、舞台の中に入っているのが、
普通の演劇やオペラの中継・録画とまったく違う点だね。
しかも、この作品、カメラもワンカットで撮りきっているよね。
さらにいうと、カメラも手持ちのところでアングル揺れていて、その効果を出そうとしているのかな?

ラスト。ドランの映画とちょっと違うね。ドランの映画の方が脚色なのかな。
いや、単に、映画では、ルイが人差し指を口に当てて、そーっと家を去って行くシーンが強烈に頭に残っているだけ(苦笑)。

まぁともあれ、この作品に藤原季節というキャスティングはハマっていたと思う。
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「青いカフタンの仕立て屋」

2023-08-20 22:07:16 | 映画
マリヤム・トゥザム監督
第75回カンヌ国際映画祭(2022)ある視点部門にて国際映画批評家連盟賞受賞

大人の愛の物語。
ジェンダーの問題も含めて。
ちょっと主人公に都合がよいストーリーの気もしたけれど。
ただ、舞台がイスラム教の国ということも考えなくてはならないのかも。

どうしても、愛のエピソードが前面に出てしまうのは仕方ないか。
じつは、もっとモロッコの都市風景が描かれ、もっとファッション(デザイン&パターン&縫製)のシーンが描かれているかと思った。事前の期待が大きすぎたかな。

あと、昨日観た"CLOSE"もだけれど、カメラが人物に寄りすぎで、ちょっとしつこいようにも。もっと引きのところが多くてもいいのかなと思ったり。
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"CLOSE/クロース"

2023-08-19 23:19:37 | 映画
ルーカス・ドン監督
第75回カンヌ国際映画祭コンベンション部門グランプリ

親友との仲の良さを同性愛を揶揄う文脈でいじられて相手を遠ざけて悲劇が起きる。そして、その後...というストーリー。

キリスト教的なコンセプトは表向きは出てきていなかったと思うけれども、僕の教養がないだけで気付かなかっただけかもしれない。

赦しとは何かという問いの作品と受け取りました。(そんなに単純ではないですが)

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「怪物」

2023-07-30 22:17:32 | 映画
是枝裕和監督
第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門脚本賞&クィア・パルム。

やっと観られました。
音楽が坂本龍一だったこと(遺作)を、エンディングまで忘れてた!不覚。

ただそこまでクィア色があったかとも思うけれども。
つまり、僕には大人の側の怪物ぶりが圧倒的に表現されているように感じました。
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「王立宇宙軍 オネアミスの翼」(4Kリマスター版)

2023-06-25 22:18:44 | 映画
新文芸坐
坂本龍一追悼企画。そっか、これも音楽が坂本龍一だったか、と。
これをラインナップに持ってきたことに、センスあるな、と。

公開された次の年?かに、ビデオで観た。だから、35年ぶり!
すっかり忘れていて、こんなストーリーと絵だったんだ、と。

・ロケットがソ連のサリュートに似て見えるんだよね...。
・ストーリー設定の世界初の宇宙飛行は、実世界では、ガガーリン大佐、ソ連だよね。
・(ストーリー上で)緩衝地帯から発射とか、実際の戦闘があるとか(その目的が相手の技術の奪取とか)
というあたりに、当時まだ残っていた冷戦構造を微妙に感じるし

・カルト宗教っぽいものも、(ノストラダムス大予言的な)世紀末終末感も描かれているあたりに、
80年代の世相の反映を感じました。

ほか、飛ぶシーンが何度も出てくるけれど、気象的な知識が増えたいまは、いろいろとツッコミしたくなったけれど、それをするのは無粋というものだよね。


この作品の制作にかけた年数を聞いて、坂本龍一の音楽とあわせて、当時は社会に余裕があって精神的に豊かだったんじゃないかと思ったりもしている。
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「老ナルキソス」長編版

2023-06-18 18:41:57 | 映画
K's cinema

戦後の同性愛者をめぐる環境の流れを組み込んだ、老年ゲイとZ世代若者ゲイのストーリー。

それにしても、キャラ名で山崎のようなゲイはどのくらいいるんだろうか?(経済的な意味。ウリセン買える、アトリエの一戸建てを持ってる、ビンテージのクルマを持っているなど) いや、いるとは思うし、山崎の旧友たちをみれば、人それぞれで必ずしも多数派ではないのはわかるのだけれども。
村井國夫が随分老けた役やってるなぁと思ったけれども、キャラ上の年齢と実年齢がだいたい同じなのか!時の流れを実感。

若いカップルの愛の巣?の部屋にある本棚に、Python3の本が並んでいた!(笑) 大木はソフトウェアエンジニアという設定なのか?

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「エゴイスト」

2023-05-28 17:50:43 | 映画
恵比寿ガーデンシネマ
松永大司監督

ゲイの恋愛と家族愛のストーリー。

鈴木亮平と宮沢氷魚という、モデル出身の役者が主演。その手の経験が生きてるシーンもあったかな?

実際、セクシャリティ抜きにして、浩輔のような生活(とくに経済的環境&住環境)は、現代ニッポンの男性のリアリティとは離れている、つまりレアなキャラ設定になっている気もしたけれども、それにツッコミ入れたらツマランよね。
ほか、実際には、ゲイといっても多様で、みながみな浩輔と仲間のように、呑んで&オネエ的な言葉や仕草をするわけでもないことには、注意が必要かな。

ストーリー上、人がたくさん亡くなり過ぎと一瞬思ったけれども、意外と現実に起きるのかもしれないね。原作は実話というか自叙伝的なものらしいし。

最初のベッドシーン。タチとウケが、こちらの想定と逆で、監督にヤラれた感あり(笑)。

ラストの方、「サトラレ」の安藤政信と八千草薫に、少し似て見えたかも。
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「世界の終わりから」

2023-05-03 21:07:16 | 映画
シネスイッチ銀座
紀里谷和明監督

この監督の映画を観るのは超久しぶり。
批評的なところは専門家の記事にお任せするとして。

三宅乱丈「イムリ」に似た世界観があるストーリーに感じました。
エンタメとしてもそこそこ楽しめたし、作品からの問いかけは結構深いと感じました。

夏木マリと北村一輝は、役柄にハマりすぎ(笑)。
岩井俊二もチラリと出演してます(ちうかこの情報を聞きつけて観に行った)。

是枝役の高橋克典の台詞の中に「失われた40年」という表現が出てきたけれども、そうなるよなぁと思ってしまった。。。。

あと、知っているロケ地が多くて、何かうれしいというか、そんな感じ。特に、大谷資料館。
それから、丸山敬太の衣装もよかった◎

とりあえず、日本映画でも、オリジナル脚本の作品が作られたことがうれしい。
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『ベネデッタ』"Benedetta"

2023-04-02 22:30:23 | 映画
シネマジャック&ベティ
ポール・バーホーベン監督
第74回カンヌ国際映画祭コンペティション部門正式出品。

17世紀の修道院での実話を元にしたストーリー。

・恋愛と人類愛とキリスト教と信仰と奉仕について、こちらにも考えを問いかけられているんだとおもう。
・ペストの流行も、今般の新型コロナウイルス感染症の世界的な騒動を明らかに意識していたかと。
・セリフにも出てきていたけれど、どうしてもジャンヌ・ダルクを意識してしまう。
・キリスト教についての知識が、僕にもっとあったら、もっと深く理解できたのかもしれない。
・ローマ教皇庁(カトリック中央協議会)としては、コメントしづらい作品かもしれない。
・シャーロット・ランプリングの存在感はさすが。というか、また汚れ役。
 この役者さん、幸せになれるキャラクターを演じることがないよね。絶対タフだよ。
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「日の丸 寺山修司40年目の挑発」

2023-03-26 22:10:17 | 映画
佐井大紀監督
横浜シネマリン

けっこう自分に宿題を出された気分になる映画。
一部、ロラン・バルト「表徴の帝国」を引用というか援用というかしていたのかな?
とりあえず、家のどこかにある(しかも読んでいない...汗)寺山修司の言葉を集めた本を読む必要があると感じた次第。
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「ボーンズ アンド オール」"BONES AND ALL"

2023-03-15 22:53:55 | 映画

テイラー・ラッセル&ティモシー・シャラメ主演

ルカ・グァダニーノ監督
第79回ヴェネツィア国際映画祭監督賞&新人俳優賞
 
カミーユ・デアンジェリスの同名小説が原作。
人喰い人種と愛の物語。
 
ティモシーが出てくると、どうしても空気を持って行くというか、ティモシーのティモシーによるティモシーのための映画になっちゃうよね。
ストーリーが少々ツラくても、観ていられる映画にしちゃう役者というか(苦笑)。
というか、今作もストーリーに興味あまりないのにティモシー出演だから観に来たんだった(笑)。
 
 
ロードムービーにもなっていたし、要所要所?の音楽も佳かったかな。
衣装もマル。
 
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「コンパートメント NO.6」

2023-03-03 23:20:42 | 映画
原題"Hytti nro 6", 英題"COMPARTMENT Number6"
シネマカリテ
カンヌ国際映画祭グランプリほか17冠
ロサ・リクソムの同名小説が原作

人の心の不器用さがよく描かれた作品だったと思いました。

何よりフィンランドに行ったことがある&サンクトペテルブルクも行ったことがある、
鉄道旅行ではブルートレインの旅が一番好きな記憶として残っている、
そんな人間としては、見逃せない映画でした。
実際、連絡先交換とかはなかったけれども、コンパートメントでご一緒した人との交流の経験もある。懐かしい思い出。

ロケも多かったけれども、あれはガチで現地なのかな?確かめておきたい。



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「崖上のスパイ」

2023-02-26 21:14:22 | 映画
原題「懸崖之上」, 英題"Cliff Walkers"
チャン・イーモウ監督

1934年の満洲が舞台のスパイ映画。
アクションも入っているよね。
ストーリーをすべて追いきれなかったかも(汗)←皆が同じような格好と容貌に見えるのよ(言い訳)。でも、最後まで飽きずに退屈しませんでした。

あと、親子の愛情モノを持ち込むの表現するの中国映画は得意だよね~(勝手な思い込みではあるけれど)。

ロケにしろスタジオにしろ冬の(場面の)撮影は大変だったろうなと思う。



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「すべてうまくいきますように」

2023-02-24 23:37:56 | 映画
原題"Tout s'est bien passe"
フランソワ・オゾン監督

この監督さんは、ついチェックしてしまうのよね。「俺の墓で踊れ」以来かな?

尊厳死あるいは安楽死がテーマの作品。
ところどころに宗教や人種の問題、(この監督さんなら必ず出てくる)同性愛の問題をからめながらのストーリー。
自分の親が、この作品の父親と同じこと言い始めたらどうする?というようなことを考えながら観ていました。

出だしの方で眠くなってしまったけれども、母親役のシャーロット・ランプリングの登場で目が覚めた。出演しているのを知らなかった。
実際にメンタルを病んでしまった人を、その手の役にフィーチャーするってすごいな。
でも、やはり、目の離せない演技でした。
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