LUNACY

cygnus' blog

東電福島原発事故についての個人的メモ

2011-08-15 00:56:44 | 冴えない日記
今までmixiでマイミク限定日記で書いていた、東電福島事故ネタのつづきです。
個人的メモですし、勘違いや誤認識しているかもしれませんので、御容赦を。

今回は、放射線被曝の話ではなく、事故そのもののほうのオハナシ。

☆マスコミの報道や識者の発言で気になること☆
まだまだ、「事故原因は津波による全電源喪失である」との認識がはびこっている点。
これは、「一因」に過ぎない。コレでもって、ストレステスト基準その他が作られてはたまらないかな、と。
考慮すべきチェック項目が不足じゃないかしら?

順を追って確認しませふ。
1.地震そのものによって鉄塔倒壊して外部交流電源喪失
2.地震そのものによって、配管のアチコチにトラブル、配線にも。おそらく各ポンプについても故障の可能性。
3.津波によって、非常電源喪失
4.緊急炉心冷却装置ECCSの冷却系は起動したが、うまく動かなくなった
5.1号機は比較的早い段階でアウト
6.2号機と3号機は、電源無しで動く(!)原子炉隔離時冷却系がちゃんと動いて、1-2日は保った。その間に、ベント&海水注入を決断していれば、相対的に少し小規模な事故にとどめられた可能性アリ。
7.3号機の建屋の壊れ方のハンパなさは航空写真の通り。動画注視すると3号機はオレンジ色の炎あり。1号機と同じ水素爆発だけだったら、あそこまで行かない可能性高い。すなわち、使用済燃料プール(格納容器の外!)における(冷却失敗起因の)爆発が単独か連鎖かはわからないが発生していると見るべき。また、その爆発は、水素爆発でなく臨界による爆発(要するに核爆発)の可能性が十分にある(高崎にてI-135検出)。
8.3号機はプルサーマルでMOX燃料使用。飛散したプルトニウムでもプルトニウム239については、この3号機が原因の可能性大。プルトニウム238ならば、どの号機でも原子炉内に大量にある。

というわけで、「非常電源(全電源長時間喪失)のみ対策すればok!」は全然ダメ。
少なくとも、津波と非常電源のほか、配管系と格納容器と使用済燃料プール(外に剥き出しであること&耐震構造)と使用済燃料プールの冷却について、対策してないのに再稼働なんて、やめてくれよってのが、僕の意見。

また、参照事項。
柏崎刈羽。福島第一より新しい原子炉にて、中越沖地震にて、バリバリと配管トラブル発生。
地震の加速度については、今回の福島第一より大きかったとはいえ、それを理由に今後の原発事故想定対策手抜きは困る。
福島第一は、老朽化原発(高経年化と業界では言ってますねw)だったから、老朽化原発は本当に気になるところです。
配管トラブったら、冷却にトラブるのは誰でもわかること。

他、関電について。
美浜2号機を延命稼働だなんてやめておこうよ。
福島事故が起きる前なら、日本における一番最悪の放射能漏れ事故起こしているのは、この原子炉。
いわゆるギロチン破断を、また起こされてはたまらない。

蛇足。
他の発電方式は知らないですが、原発の場合、自分で発電した電力の2%は、自分で発電のために消費してしまうそうで。
それくらい、電源がないと大変な事態になってしまうってことですね。


☆報道の雰囲気について☆
僕が、東電の工程表をキチンと読んでいるのはなぜかというと、たとえ東電であっても「まずは、言い分を聞こうよ」と。
言い分をちゃんと聞いて、それでも納得いかないなら、アンタおかしいわよ、と、意見・批判しようよ、ということなんです。
じゃないと、民主主義というか文明国家じゃないわけで。

んで、原発事故もエネルギー問題も、何でもかんでも、問答無用で、東電や電力会社のせいにされている、悪者にされている気がしないでもないんだな。
いや、批判されるべき点は山ほどあると思うんだけれど。
今まで、通産省→経産省に、箸の上げ下ろしまで指図されるように、かつ、何かあったらオレ(省)の方で責任を取るからと言って、やってきたわけで。(この時点での、電力会社側の思考停止はあったと思うし、批判されるべきことの一つだと思うけれど)
ところが、事故が起こったら、手のひら返したように、「アンタの責任でしょ!」「そんなぁ~」状態って感じだと思うんだな。
つまり、僕の感覚だと、マスコミ報道において、東電・電力会社よりも、もっと、経産省・資源エネルギー庁が、批判されてしかるべきなんじゃないかい?な、と。


☆今後のエネルギー問題について☆
やはり、コンバインドサイクル火力で、短~中期的にはやっていくしかないのではないかな?と。
コンバインドサイクル火力というのは、ガスタービン+蒸気タービンの合体発電機。
利用するガスは、天然ガス、都市ガス(ブタンかな?)、プロパン。軽油や重油も気化させて使っているかも。他に、石炭を気化させたガスで廻すのも(スゴイよね(笑))。
一応、エネルギー変換効率が原発の倍の60%程度。で、CO2排出については、比較優等生。

ココで、注意して欲しいこと。
一つは、夏場に気温が上がると、この効率も10%程度は落ちるということ。
だから、シロートさんの供給能力計算にそれを反映していない場合があるということ。公表最大供給能力で計算するのは結構危険ということ。

電力供給で言うと、相馬市の新地共同火力が、秋に復活するみたい(河北新報による)。
これで、東京電力・東北電力の供給力にちょっと上積み。
数年のウチに、仙台火力・新仙台火力が復活して、上越火力(中部電力と共同)の稼働の前倒しできれば、東北電力も、東北管内に供給するだけなら、原発依存度は下げてやっていけそうな感じはするよね。そもそも、女川だって東通だって、夏場に東京電力へ融通するのも大きな目的なのだから(地方の電力会社は、都市部の電力会社への売電による収入が相当の比重を占める)。

んで、ココで、地球温暖化の問題をからめます。
火力発電が増えると確かに二酸化炭素&(高温)水蒸気を排出して温暖化へ悪影響、と。
それはその通りなんすが、日本で最も二酸化炭素を排出しているのは、このエネルギー部門(発電)でなく産業部門(工場)なんです。
また、ここで、京都議定書(ただ今、第一約束期間の真っ直中)を考えます。
なお、京都議定書自体の是非はおいておいておきます。
日本において2007年現在、1990年度比で排出増加しているのは、運輸部門と業務(サービス・商業)部門と家庭部門です。
最も成績悪く40%以上増なのが、業務部門と家庭部門なのです。一方、産業部門はちゃんと削減しているのです。
絶対量でみても、エネルギー部門より、家庭部門の方がずっと多く二酸化炭素排出しているのです。
つまり、福島事故があれなかれ、国際社会の一員としての国際公約として、われわれ家庭部門での節電は不可避ということ。
だから、なおさらトンチンカン節電はやめようよ、と。
電力会社や経産省の体質に文句はあるかもしれないけれど、これを機に節電に対して意識的になるのは、決して悪いことじゃないと思うのです。

まる。
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