LUNACY

cygnus' blog

黒川裕美「夕凪に舞え、僕のリボン」上-下

2020-11-29 22:04:02 | 本・コミック
書店の店頭で衝動買い。しかも、僕の誕生日に発売というのは、何かの縁だろう。

男子新体操の話では無く、女子新体操の種目を演じる男子の話。
もちろん、男子新体操の話も出てくるのだけれど、主人公の凛太郎はやりたいのはそれじゃない、と。

ストーリーとしては、"Billy Elliot" (映画版の邦題は「リトル・ダンサー」)の新体操版&日本版みたいな感じ。
瀬戸内のティーンエイジャードラマのコミックとしては、鎌谷悠希「しまなみ誰そ彼」に連なる系譜でしょう(と勝手に認定している(苦笑))。

コテコテの広島弁の台詞は、僕には、多分「はだしのゲン」以来の経験。
1984年ロス・アンジェルス五輪が懐かしい。凛太郎の設定は、僕(1974年)とほぼ同じ世代。
誰か凛太郎のモデルっているのかな?

それにしても、ジェンダー・バイアスって、僕のガキの頃と較べてたら、少しマシになったかも知れないけれど、
僕がティーンエイジャーの頃に将来を思い描いたほどには、2020年になってもまだまだ受け入れられないのかも。
バレエとか、新体操とか、或いは、ピアノとか。まだまだ男の子がやると揶揄われる・冷やかされるのかな。
新体操も、現行の女子新体操を美的新体操、現行の男子新体操を動的新体操とかとして、共通じゃない種目も男女ともに開放しちゃえばいいのにね。
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『月に吠えらんねぇ』全十一巻

2020-11-29 21:53:29 | 本・コミック
清家雪子

近代詩について、萩原朔太郎(の作品を象徴化・擬人化したキャラ)を軸に展開する、ストーリー。
とくに、戦争詩・翼賛詩についての位置づけ問題にも取り組んでいるお話。

各キャラがよく出きていて面白い。ほか、キャラが誰を意味しているのかわからなくて、また、引用文(近代文語!)の漢字が読めなくてGoogle先生やWikiや辞書と格闘してしまった。

散文(小説)と韻文(詩)についての違い(特に芥川龍之介の作品群を象徴化・擬人化したキャラの言葉)が印象的でした。
時間軸の問題、そして、「何故、生きるか?」vs「どうしてここにいるのか?」意識の問題。

あとは、宮澤賢治、石川啄木、金田一京助など、母校(高校)ゆかりの人物、そして、立原道造という盛岡にゆかりのある人物が出てきて嬉しい。

それにしても、前橋へ行って、萩原朔太郎がそこのゆかりだと知っていながら(そして、コミック内に描かれた風景を覚えていながら)、萩原朔太郎の凄さがわかっていなかったんだな、僕。
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『イノサン』全9巻&『イノサンRouge』全12巻

2020-11-29 21:44:49 | 本・コミック
坂本眞一

もう読んだのはだいぶ前になってしまったけれど、やはり、これは記録しておかねば。
読む方にもタフさが要求される感じでした。
死刑執行人ファミリーの話で残酷なシーンが多いというだけじゃない、人間の本質の生と性についても描いているから。
お前はその問題から逃げいていないか?と問われている気がするから。

それにしても、絵柄もデザインも細やかで手を抜いていなくてビックリする。
どうやって描いているんだろう?ルーペが必要じゃない?ってくらい。

それから、ルイ16世の処刑の決議が1票差だった件。読んで、そういえば、中学の時、先生から授業でそう教わったのを思い出した。
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