夕焼けのそばにいて
今日はあの娘にしよう 駅でよく会う娘
遊園地でデートして ソフトクリーム食べようかな
~『脳内パラダイス』より~




 今年のリクエストアワーについての全体的な感想です。ざっくり分けてコンセプトは3つ。


◆投票するファン層の変化

 投票するファン層が、ライト層中心からコアなファン層中心に変化した気がします。昨年あたりからその傾向はありましたが、今年はその傾向がよりはっきりしたと思います。


 ライト層は言うまでもなく、シングル曲や有名曲、選抜常連メンバーの曲中心に投票する人たちです。一方、コアな層はシングル曲にはあまり投票せず、自分の推しメンが歌っている曲中心に投票する人たちです。


◆その結果としてのランクイン曲の変化

 で、投票するファン層の変化に伴ってランクインする曲の傾向も変わりました。以前ならシングル曲中心で、特に最終日は「シングル祭り」の様相を呈していましたが、今年はシングル曲はほとんどランクインしませんでした。


 これは想像ですが、コアな層(今回の大量投票層)は、選抜常連メンバーを推している人もいるでしょうが、そういう人は少数派で、いわゆる中堅~干されメンを推している人が多いのではないでしょうか?


 そして、中堅~干されメンが歌う曲というのは、大抵シングルのカップリング曲しかありません。公演曲もありますが、「お下がり公演」の場合、折角ランクインさせても、リクアワではオリジナルメンバーが歌うことも多く、必ずしも推しメンが出られるとは限りません。


 そういった事情でカップリング曲に投票する人が大勢を占め、結果として今年のような「カップリング曲だらけ」のランキングになったのではないでしょうか。


◆背景への思い入れに伴う上位曲の変化

 そして、昨年からの上位曲の傾向として「背景への思い入れで投票する」「物語性への共感から投票する」という傾向が強くなった気がします。


 昨年の「走れ!ペンギン」が顕著ですが、「解散してしまった旧チーム4を再結成させてあげたい」という思いからの投票が多かったと思われます。実際に泣いているメンバーもいましたし。


 今年ではチームB2の「アーモンドクロワッサン計画」(10位)、HKT48研究生(当時)の「キレイゴトでもいいいじゃないか」(8位)、チーム4の「清純フィロソフィー」(1位)らがそれにあたります(※1)。


 それぞれ「チケット売れ残りから這い上がる物語」「MV(ミュージックビデオ)さえ作ってもらえない干されメンたちの曲」「初代峯岸チーム4最初で最後のオリジナル曲」という物語性があります。


 数年前までは、こういった楽曲についての背景・歴史はあまり関係なく、知名度のある曲が投票されていましたが、最近はこういった何かしらの背景・物語に感情移入して投票される曲が上位に来るようです。


 いや、実は第3回のリクアワでは当時お荷物チームと言われていた初代チームBの「初日」が1位になっているので、物語に感情移入して投票する層は昔から居たと思いますが、ライト層の投票がそれらをはるかに上回っていたために、それらの曲は上位に出てこなかったのでしょう。


◆今後は…

 さて、上記の3つの傾向は、今後のAKBの発展のためには、やはり良くない傾向だと思います。要はファンがどんどん減っていき、人気が先細りになっていっているということですから…。


 ただ、どうすれば良いのかは、ちょっとすぐには答えは出ないですね。現在、運営はやたらメンバーの数を増やそうとしていますが、そんなことしたって、一時しのぎにしかならないのは明らかなので…。


※1…ちなみに私はHKT48のシングルの劇場盤は買っていないので、「キレイゴトでもいいじゃないか」という曲の事は知りませんでした。トップ10に知らない曲が入っていたのは初めての事でした。



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