2011年11月19日
野沢温泉 昨年に引き続きやってきました
シーズン終えてのご褒美旅行は、野沢温泉の再訪にしました。
温泉が最高に効くのと、北信州旅行をすれば新そばや栗菓子も
楽しめるので、冬前の今年最終盤の旅としては、充実この上ないと
目論みました。
朝8時42分大宮発の長野新幹線あさまは、相変わらずの軽井沢人気で
満席です。
指定券をとっていて良かった!と予定通りに長野まで乗車して、
雨の善光寺口階段を下りて、いつもどおりの駅レンタカーにチェックイン。
混んでいるようで、トヨタレンタカーからの横流し(?)車のVitzをお供に、
小布施へ向かいます。
昨年は真っ向勝負で、桜井甘精堂や小布施堂、竹風堂めぐりをして北斎館にいきましたが、
今年は一つ狙いがありました。
お歴々の店ではなく、小布施の自家製栗を大量生産ではない小規模の工場で作っている
松仙堂さんです。この一年、すっかり信州暮らしの著書で有名になった伊藤まさこさんの
本で知ったこの店のおすすめは、栗ペーストと「空蝉(うつせみ)」と名づけられた
栗きんとんです。店は栗林の中にさりげなくたっていますが、実に元気で愛想のいい
女性が応対してくれました。目的の品はもちろん、栗の甘露煮と栗鹿の子、そして
ネクタリンの仲間のジャムも買いました。
そしてもう一軒、目指す店が。
こちらは昨年、ふらりと歩くうちに見つけた、洋菓子の「パティスリー ロント」
あの、オーボンビュータンで修行したという主人の作るフランス菓子は、
美しく輝き、焼き菓子生菓子ジャムにパンと多岐に渡り、店中は見渡しても見渡しても
尽きぬほどにお菓子が並びます。しかもお手ごろ価格。小布施の人は幸せだ!と叫びたくなります。
店に入ると、彼女はさっさと籠を持って、つぎつぎに焼き菓子をほおりこみます。
ジャムはルバーブと比べて悩んだブルーベリーを選びます。
生菓子やチョコの数々にも目をやりながら、さらに昼ごはん用か焼きたてのピザまであったりして、
我を忘れて冷蔵庫の中ものも買おうかと話したのですが、ぐっと我慢して、
日持ちのするものだけにしました。
ちなみにこの店のよさは、お菓子はもとより、レジを担う高齢のご婦人にもあります。
きっちり制服を着て、柔らかくにこやか。年を上手に重ねる美しさを感じます。
お腹がへります。減りますから、食べます。
こちらも彼女が昨年の旅路から見つけておいてくれた、「富倉そば」へ。
野沢温泉まであと15キロほどのところにあり、小布施から向かうにも好都合の道沿いにあります。
幻という宣伝が功を奏してか、昼の店はテーブルも、4卓ある座敷も家族連れでいっぱい。
わたしたちは運良く、回転の波に乗ってすぐに座敷へ。
私は大盛り、彼女は普通の盛りそば。地野菜のてんぷらも注文しました。
しばらくして出てきたそばは、見た目は色濃く、口に含むと香りが広がり、
歯ごたえも強いものでした。そばのしゃっきりとは少し違った、ヤマゴボウの葉が
つなぎに使われているという、独特の食感でしょう。
大盛り1000円は、幻へのご祝儀です。
すでに13時。野沢温泉住吉屋のチェックインは12時予定だったのに、まあこれだけ遊んでいれば
しょうがないでしょう。
それでも14時前には到着したので、それからは温泉三昧です。
ぎゃー・・・
と突然。
チェックインをすっ飛ばして、住吉屋さんのお風呂に入った瞬間、
男湯と女湯で、私と彼女はほとんど同時に、
他の人のいないおそらく、今日の初入浴者として独占する湯船で声をあげたのでした。
熱い、しかも濃い。
足をつけただけで、何かがぐっと入り込んでくるような圧迫感があって、
とても旅人はそれ以上戦えません。
足をつけただけでも血流は全身をめぐります。
私は逃げるように露天風呂へ。そちらは雨粒が温度を下げてくれてちょうどいい湯加減です。
全身にお湯をかけ、再度内風呂・・・ぎゃー、2度目なのでさすがに声は出しませんが
あえなく敗退しました。
体は十分にあたたまったので、続いて雨の中を外湯へでかけます。
十二神将にたとえられる外湯は、素足にサンダルでもすぐにつけるくらい町のあちこちに
あります。
今日は、滝の湯、河原湯、麻釜の湯をめぐりました。
お賽銭入れに心づけほどを入れて入り、扉を開けたすぐ先が
着替えをする場所、すぐに湯船、という本当にお風呂だけスペースで、
ほんとうに湯めぐりしてるまっすぐ感が楽しい町歩きでした。
宿に帰って、ちょっとおやつタイム。小布施の空蝉をいただきます。
これがまあ、目を見開くほど美味しい。
ふんわり、ではなくぷうっわりと甘い栗の香りが広がり、
柔らかく繊細に茶巾で濾したペーストは、溶けるように口をなぜてくれます。
100点、最高な栗きんとんに、もっと買えばよかったと思うばかり。
まんぞくまんぞく、風呂もお菓子も・・・あれ、眠い。
座っていて頭が下がる。
そこにはベッドが・・・すやすやの二人で、目を覚ますと18時30分。
お約束の夕飯時間になってしまいました。
それで夕食は蔵座敷という場所へのご案内。
豪華、信州料理ショーの開催です。
前菜が待ち受ける席に着くと、次から次へと料理が運ばれます。
お話し上手の地元婦人が配膳してくれるので箸も進もうというものです。
懐石コースに、取り回し鉢3品もついてお腹ははちきれんばかりになります。
・箸付け 寄せ秋葵
・前菜 銀鱈幽庵焼 里芋文化揚 黄味カステラ なめこ酢浸 柚香漬 茶茄子 生麩焼浸
・椀盛 土瓶蒸し(あわび茸 舞茸 柿ノ木茸 シメジ)
・向付 信州サーモン昆布〆
・焼き物 和牛と焼きリンゴ香焼
・煮物 飛竜頭
・揚物 むかごかきあげ
・酢物 錦糸瓜
・留椀 信州味噌仕立て
・ご飯 しめじご飯
・デザート小倉羹 芋クリーム
取り回し鉢:塩煮芋・芋膾・花豆
はい、以上がお腹を満たした秋味の数々でした。
食後に入ったお風呂は適温になっていて、肩までしっかり入り、
上手な温泉マッサージをしていただき、
今はチューボーですよを見ながら、夜の寝る前の時間を過ごしています。