一カ月以上前のニュースですが、欧米の日本学専攻の歴史学者187人が「日本の歴史家たちを指示する公開書簡」を発表したことが報じられました。韓国でもさっそくこれを大きくとりあげています。たとえば東亜日報(→リンク)。
書簡の内容について、この記事は、
「私たち歴史学者は、日本軍が女性たちの移送や慰安所の管理に関与したことを証明する多くの資料を発掘してきた」
としか引用していません。
同じ記事の韓国語版を見ると、こちらには、記事の末尾に、ごていねいにも英語版と日本語版の全文がPDFファイルでリンクされています(→リンク)。
日本語版には、
(両国の)争いごとの原因となっている最も深刻な問題のひとつに、いわゆる「慰安婦」制度の問題があります。この問題は、日本だけでなく、韓国と中国の民族主義的な暴言によっても、あまりにゆがめられてきました。
(中略)
元「慰安婦」の被害者としての苦しみがその国の民族主義的な目的のために利用されるとすれば、それは問題の国際的解決をより難しくするのみならず、被害者自身の尊厳をさらに侮辱することにもなります。
という一節があります。
つまり、この書簡は、日本に批判的なニュアンスを基調としながらも、韓国(や中国)の問題点も正しく指摘していたのですね。
韓国での報道が、書簡の韓国語訳全文を載せることを避けたのは、こうした内容を国民の目に触れさせないためだったと思われます。
このような姑息なやり方が、韓国に対する不信感をいっそう募らせるのに、と思うと、残念です。
個人的に、この書簡の内容に関しては、納得できない点が多々あります。
たとえば、
「20世紀に繰り広げられた数々の戦時における性的暴力と軍隊にまつわる売春のなかでも、「慰安婦」制度はその規模の大きさと、軍隊による組織的な管理が行われたという点において、そして日本の植民地と占領地から、貧しく弱い立場にいた若い女性を搾取したという点において、特筆すべきものであります」
規模がよくわかっていないのに、規模の大きさが「特筆すべき」なんて言えるんでしょうか。それに、慰安婦に占める割合は、植民地や占領地の女性より、日本の女性のほうが多かったという説もあります。
「「慰安婦」の正確な数について、歴史家の意見は別れていますが、おそらく、永久に正確な数字が確定されることはないでしょう。確かに、信用できる被害者数を見積もることも重要です。しかし、最終的に何万人であろうと何十万人であろうと、いかなる数にその判断が落ち着こうとも、日本帝国とその戦場となった地域において、女性たちがその尊厳を奪われたという歴史の事実を変えることはできません」
「何万人であろうと何十万人であろうと」という表現自体、その規模が数十万人規模であることを暗示していますが、韓国の主張する20万人という数字がありえないことは明らかです。
「多くの国にとって、過去の不正義を認めるのは、未だに難しいことです。第二次世界大戦中に拘留されたアメリカの日系人に対して、アメリカ合衆国政府が賠償を実行するまでに40年以上がかかりました。アフリカ系アメリカ人への平等が奴隷制廃止によって約束されたにもかかわらず、それが実際の法律に反映されるまでには、さらに一世紀を待たねばなりませんでした。」
アメリカの日系人を引き合いに出して、「強制連行」があったこと、問題の解決に「賠償」がふさわしいことを示唆してるんですね。そしてアメリカの奴隷制度を引き合いに出すことで、慰安婦を「性奴隷」と呼ぶ韓国(や一部日本人の)主張に加担しています。
全体の印象として、
「植民地と占領地から、20万人の若い女性が強制連行され、性奴隷にされた」
という韓国に流布している妄想を認めているという印象が拭えません。
背後に、米国で活躍する韓国系ロビイストの存在があるのは確実でしょう。
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