日本の代表的な言語学者,服部四郎氏は,「言語年代学」の方法を日本語に試みました。
その結果,日本語と唯一同系が証明されている琉球語について,京都方言と首里方言の言語年代学的距離は,1450年(ただし、300年程遡る可能性がある)と算定しました。
言語年代学は,同系が証明された言語について,いつごろその分離が起こったかを類推する方法です。
日本語、朝鮮語、満州語、アイヌ語は同系が証明されていませんが、もし同系だと仮定した場合、
日本語と朝鮮語は、6700年(最下限でも4700年)
朝鮮語と満州語は、8000年
日本語と満州語は、9000年
日本語とアイヌ語は、7000~10000年
ただしこの数字は,それぞれの言語が同系であること,あるいは同系でないことの証明にはならない。
服部氏が『日本語の系統』(1959年、のち岩波文庫)で提示した仮説を要約すると,
「琉球語と日本語は共通の祖語に遡ることができるが、その日本祖語は西暦紀元前後に北九州に栄えた弥生式文化の言語ではないか。紀元後2~3世紀に、北九州から大和や琉球へかなり大きな住民移動があったのではないか。縄文式文化の担い手が話す言語が日本祖語と同系であるかどうかは不明だが、日本祖語に同化吸収され、現代の諸方言にその痕跡を残した。日本祖語がどこから来たかもまた不明だが、最も近いと見られる朝鮮語も言語年代学距離が6000年以上と思われるので、日本祖語は4000年以上、日本で話されていたと考えられる」
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どの学者が言っていたかわすれましたが,日本語を混成言語(クレオール)と見るほうがよいのかもしれません。
「この研究の社会的意義を問われたら、正直返答に窮する。」
でも面白いですね。