写真:韓国の生ビール
先日、池袋のおでん屋で飲んでいたときのこと、若い店員がいたので話しかけました。
「サッカー観た?」
その日の早朝4時からの試合で、日本がスペインに逆転勝ちした日でした。
「はい、観ました」
「ナマで?」
「えっ? あ、はい、ライブで観ました」
(その意味だったけど…)
録画ではなく実時間でという意味の場合、もちろん「ライブで」とも言いますが、「生で」とも言うんじゃないでしょうか。この若者の語感では、「生で」というのは「テレビじゃなくて競技場で」という意味になるのかもしれません。
最新の三省堂国語辞典(第8版)には、たくさんの意味が出ています。
なま【生】
①食べ物を煮たり焼いたりしていない。解凍したものではない。「生のさかな・生野菜・生で食べる・生しょうゆ(=火入れをしていないしょうゆ)」
②加工・再製する前の状態のもの。「生音楽・生原稿(=肉筆の原稿。『ナマゲン』とも)・生写真」
③ありのまま。そのまま。「生の声・生の感情・反応が生で伝わる」
④〔俗〕〔テレビ・本などで見るものでなく〕実物であること。「生聖子を見かけた」
⑤中途半端。未完成。「生乾き」
⑥よく熟さない/熱がじゅうぶん通らない。「まだ生で、食べられません」
⑦生クリームをふつうより多く加えたりして、やわらかく仕上げたもの。「生キャラメル・生チーズケーキ・生ガトーショコラ」
⑧〔俗〕現金。げんなま。⑨←生ビール。「生ください・びん生〔=びんづめの生ビール〕」
⑩〔古風・俗〕←生意気。「生を言う」
⑪←生放送・生中継。「生出演」
私が使った語義は、最後の⑪に出ていました。
「生聖子」が笑えました。私は高校生の頃、渋谷のボルツというカレー屋さんで「生久美子(秋吉)」を見たことがあります。
ところでその店はおでん、焼き鳥の庶民的な店なのですが、おつまみメニュー、飲み物メニュー以外に、「シャンパンメニュー」というものがあり、めくってみるととんでもない値段がついていました。2万円から最も高いドンペリは14万円!
さきほどの店員ではなく、店長(らしき人)に聞いてみました。
「こんなの頼む人がいるんですか?」
「はあ、私も最初、びっくりしたんですよ」
話を聞くと、彼は雇われ店長で、オーナーは別らしい。
「昔、ここはガールズバーで、そのときのなごりらしいです。この前のオーナーの誕生パーティーのときはたくさん空きましたよ」
明け方までやっていて、近隣の飲み屋が閉まった後、明け方に飲み屋の従業員たちが来るらしい。
「日本がスペインに勝ったときも?」
「いえ、残念ながら。生ビールばっかりでした」
さて、今晩は0時からクロアチア戦。生で観るために、ちょっと仮眠します。
「生」のさまざまな用法(韓国語)
日本語における「生」の用法①
生あくびの生はどんな意味か。眠くないのに出るので、未熟なあくびということ?
生半可の生も未熟という意味合いか。半可だけでも未熟な感じですが。
なまのお魚でも食べに行きたいですね。