先日、若いイギリス人とさしで飲みました。
オックスフォード大学で日本語を専攻し、日本語がペラペラ。N1(日本語能力試験1級)にも合格したと言いますから、漢字もかなり読めるのでしょう。
来日してまもないので、現在はマンスリーマンションに住んでいます。
「家は決まったの?」
「まだです。大井町あたりを考えています」
「大井町? なんで?」
「知り合いに勧められて」
「行ったことあるの?」
「いえ」
「じゃ行ってみようか」
大井町駅近くには、昭和の雰囲気を残す飲み屋街(冒頭写真)があり、コロナ前にときどき行っていました。
昔ながらの居酒屋やスナックが立ち並ぶ路地の焼き鳥屋に入りました。
「好きな作家がいるの?」
「村上春樹です」
「世界中で人気があるよね。どんな作品が好き?」
「『海辺のカフカ』です」
「日本語で読むの?」
「以前は翻訳で読んでいましたが、最近は日本語で読んでいます」
「漢字が難しいでしょう?」
「はい、でも私は漢字が好きです」
「読めない漢字はどうやって調べるの? 読み方がわからないと国語辞典もひけないでしょう?」
「はい、だから最初は漢字を調べます」
「漢和辞典で?」
「いえネットで調べます。タブレットで手書き入力して…」
「画数の多い漢字は入力が大変だね」
「熟語の場合、1文字ずつ調べて音の候補をメモして、それを組み合わせてネットの日英辞書で調べます」
「日本語の漢字は読み方がたくさんあるからね」
その点、中国語や韓国語は漢字の読みは原則1種類だからラクです。
「それじゃ、なかなか読み進まないでしょう?」
「はい、読めない熟語が1ページに10個以上あったりしますから」
「それは大変だ!」
「でも、最近はいい方法を思いつきました。日本語のオーディオブックを聴きながら読むんです。そうすれば、熟語の読みがわかりますから、日英辞書を1回引くだけでいいので」
「それは名案だ!」
外国人が、学習者向けとか子供向けではない、一般書籍(漢字にフリガナなし)を読むためには、「漢字」という非常に高いハードルがあるのですね。
彼は、日本語が主専攻で、韓国語が副専攻なので、韓国語もある程度しゃべれます。この日は、日本語・英語・韓国語混じりで、楽しく飲むことができました。
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