犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

『帝国の慰安婦』刑事裁判初公判

2016-01-21 00:38:27 | 慰安婦問題



1月20日のニューシスの報道の翻訳です。(→リンク

『帝国の慰安婦』朴裕河教授初公判…「名誉毀損は成立しない」

裁判所、「国民参加裁判にするかどうかは証拠などを検討し決定」

 日本軍慰安婦被害者の名誉を毀損した疑いで起訴された『帝国の慰安婦』の著者朴教授世宗大学教授側が、初公判で「名誉毀損は成立しない」とし、無罪を主張した。

 裁判所は証拠および検察の意見書などを検討し、国民参加裁判にするかどうかを決めると伝えた。

 20日、ソウル東部地方裁判所刑事11部(部長判事ハ・ヒョングク)の審理によって開かれた朴教授に対する名誉毀損訴訟の初公判で、朴教授側は、「名誉毀損は故意ではなく、虚偽事実に基づくものでもなかった。公共の利益を目的として、真実に基づいたものであるため、名誉毀損は成立しない」と、無罪を主張した。

 朴教授の弁護人は、「『帝国の慰安婦』は、朴教授が長い間解決されない慰安婦問題について、新しい視角から解決法を模索したもの」であり、「慰安婦被害者の名誉を傷つけるために、故意に行ったものではない」と強調した。

 続けて、「公共の利益を目的とし、真実に基づいているので、名誉毀損は成立しない」と述べた。

 弁護人は、「本の内容において、名称そのものが集団だ。集団表示によるものは、個々人への名誉毀損になりえない」と主張した。

 朴教授側は、前日に国民参加裁判を要請していた。

 裁判所は、証拠に合うかどうかおよび検察の国民参加裁判についての意見書、弁論などを聞かなければ国民参加裁判にするかどうかを決められないとして、決定を保留した。

 朴教授は法廷で、「仮処分と民事裁判の判決を見て、裁判の結果が信頼できなかった。検事側は、私が「自発的売春婦」という表現を書いたというが、そのようなことはない」、「そう言う人々を批判するために『帝国の慰安婦』を書いたのだ」と述べた。

 さらに、「本を無料配布して多くの人々に読んでもらい、考えてもらうことを願って、国民参加裁判を申請した」と述べ、あらためて国民参加裁判を開いてほしいと要請した。

 裁判所が国民参加裁判を開く場合、陪審員、裁判所などのために、仮処分申請が一部認められ、34か所が削除された『帝国の慰安婦』第2版ではなく、初版本が必要だという点も要請した。

 朴教授は裁判を終えた後、取材陣に対し、「成り行きを見たとき、異なる声が聞こえてこないと思った。それで本を書いたのであり、本を書いた後、ハルモニたちに会ったとき、本の内容と同じことを話す人たちがいた」と強調した。

 彼女は、「運動をしてこられた方々の苦労を認めないわけではないが、異なる考えの話を警戒している。同時にほかの理由もあるだろう」、「本そのものではなく、ほかの理由について語るべきかどうかについては、考えてみる」と伝えた。

 民事裁判での一部敗訴の判決について朴教授は、「認められない。私は慰安婦ハルモニたちのために本を書いたのだ。朝鮮の慰安婦が植民地支配の結果として動員された存在だということが核心であるのに、誤って理解されたようだ。慰安婦問題は単純に戦争犯罪と表現されてきたが、植民支配の結果だったということが、『帝国の慰安婦』の基本的なコンセプトだ」と主張した。

 朴教授は、「20年以上の間、韓国に知らされてきた情報は支援団体の情報に頼っていた。そのために日本の謝罪と補償をめぐる考え方が一つになったのだと思う」と付け加えた。

 慰安婦ハルモニたちに向かって朴教授は、「多様な声があるのに、聞こえてくる、見えてくるのは、数人のハルモニたちに限られている。複雑な構造の中で、ハルモニたちが誤解している面がある」、「ハルモニたちの誤解が早く解けてほしい」と述べた。

 この日、初公判に出た慰安婦ハルモニたちは、朴教授に対し批判の声をあげた。

 ユ・ヒナムハルモニ(89)は、「朴教授は生きる資格のない女だ。安倍晋三総理が謝りに来ないのも、朴教授のような人間が間に入るからだ。 国の恥さらしだ」と声を高めた。

 イ・オクソンハルモニ(90)も、「私たちが裁判で勝って、名誉回復を受けなければならない。朴教授に重い処罰を下さなければならない」と訴えた。

 パク・ソナ弁護士は、「この事件について国民参加裁判を申請するのは、国民参加裁判制度に対する無理解と冒瀆に近い。民事裁判判決を見れば、根本的な表現の自由を侵害すまいという裁判所の苦悩がこめられている」と語った。

 朴教授に対する次の公判は29日午前11に開かれる。


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