イラスト:いらすとや
日本語を勉強しているD(娘の夫、フィリピン人)に、日本語の単語の確認をしていました。英語から日本語を言わせます。
「げんき」という学習書の、第7課に出てくる単語です。
「To get to know」
「知る」
「I know」
「知っています」
「I do not know.」
「知りません」
「OK.」
「お父さん、I do not know.は、知っていません、でもいいですか?」
「知っていません? そうは言わないよ。知りませんだよ」
「でも、I know.が知っていますだから、その反対のI do not know.は、知っていませんでしょう?」
「えっと、知ってますの否定形は、たしかに知っていませんだけど、使わないんだよ。理由は、I do not know.」
これで終わっては、日本語のネイティブとして情けないので、「知っていません」がおかしい理由を考えてみました。
知る、知っています、知りません、の「げんき」の英訳は、
知る:to get to know
知っています:I know
知りません:I do not know
第7課では、「~ている」の用法を学びます。「~ている」は、食べている、読んでいるのように、進行中の動作を表す用法と、座っている、持っている、結婚しているのように、変化の結果を表す用法があるということが説明されています。
知っているは、変化の結果の用法で、脚注に、「知っています」の否定は「知りません」で「~ている」を使わない、という説明があります。
同じ、「変化の結果」を表す動詞、例えば、太っている、着ている、起きている、住んでいるの否定は、それぞれ太っていない、着ていない、起きていない、住んでいないというふうに、「~ていない」なのに、なぜ知っているだけは、「知っていない」といえないのか、不思議です。
もう一度、英訳を見てみます。
知る:to get to know
知っています:I know
知りません:I do not know
中学生のとき「知る」は「know」と覚えましたが、ここでは「to get to know 」となっています。あえて直訳すれば「知るようになる、知ることになる」でしょうか。
to get to knowの否定はどう言うか。
I did not get to know him, because he was absent.
彼は来なかったので、彼を知らなかった。
はちょっとおかしいので、
彼は来なかったので、彼とは知り合わなかった。
とでもいうんでしょう。
to get to knowの否定は、知るの活用形(複合形ではなく)で表すことはできないようです。
もし、
知る:to get to know
知らない: not to get to know
知っています:I know
×知っていません:I do not know
という関係が成立するのであれば、日本語と英語で1対1対応になるのですが、 to get to knowの否定を「知る」の活用形で表すことができないため、形式的にはそこに来るべき「知らない」が、「知っている」の否定、すなわち「×知っていない」に流用されているように思えます。
知る:to get to know
φ(知るようにならない): not to get to know
知っています:I know
知りません:I do not know
似た意味の「覚える」の場合、「覚えていない」を使うことができます。
覚える(to memorize)
覚えない(not to memorize)
覚えている(to remember)
覚えていない(not to remember)
なぜ「知る」の場合だけ、「~ていない」が使えないのか、不思議な気がします。
結局、わかりやすい説明はできないので、Dには、
「なぜかはわからないけど、そう言うんだよ。覚えておこう!」
というしかなさそうです。
日本語を勉強しているD(娘の夫、フィリピン人)に、日本語の単語の確認をしていました。英語から日本語を言わせます。
「げんき」という学習書の、第7課に出てくる単語です。
「To get to know」
「知る」
「I know」
「知っています」
「I do not know.」
「知りません」
「OK.」
「お父さん、I do not know.は、知っていません、でもいいですか?」
「知っていません? そうは言わないよ。知りませんだよ」
「でも、I know.が知っていますだから、その反対のI do not know.は、知っていませんでしょう?」
「えっと、知ってますの否定形は、たしかに知っていませんだけど、使わないんだよ。理由は、I do not know.」
これで終わっては、日本語のネイティブとして情けないので、「知っていません」がおかしい理由を考えてみました。
知る、知っています、知りません、の「げんき」の英訳は、
知る:to get to know
知っています:I know
知りません:I do not know
第7課では、「~ている」の用法を学びます。「~ている」は、食べている、読んでいるのように、進行中の動作を表す用法と、座っている、持っている、結婚しているのように、変化の結果を表す用法があるということが説明されています。
知っているは、変化の結果の用法で、脚注に、「知っています」の否定は「知りません」で「~ている」を使わない、という説明があります。
同じ、「変化の結果」を表す動詞、例えば、太っている、着ている、起きている、住んでいるの否定は、それぞれ太っていない、着ていない、起きていない、住んでいないというふうに、「~ていない」なのに、なぜ知っているだけは、「知っていない」といえないのか、不思議です。
もう一度、英訳を見てみます。
知る:to get to know
知っています:I know
知りません:I do not know
中学生のとき「知る」は「know」と覚えましたが、ここでは「to get to know 」となっています。あえて直訳すれば「知るようになる、知ることになる」でしょうか。
to get to knowの否定はどう言うか。
I did not get to know him, because he was absent.
彼は来なかったので、彼を知らなかった。
はちょっとおかしいので、
彼は来なかったので、彼とは知り合わなかった。
とでもいうんでしょう。
to get to knowの否定は、知るの活用形(複合形ではなく)で表すことはできないようです。
もし、
知る:to get to know
知らない: not to get to know
知っています:I know
×知っていません:I do not know
という関係が成立するのであれば、日本語と英語で1対1対応になるのですが、 to get to knowの否定を「知る」の活用形で表すことができないため、形式的にはそこに来るべき「知らない」が、「知っている」の否定、すなわち「×知っていない」に流用されているように思えます。
知る:to get to know
φ(知るようにならない): not to get to know
知っています:I know
知りません:I do not know
似た意味の「覚える」の場合、「覚えていない」を使うことができます。
覚える(to memorize)
覚えない(not to memorize)
覚えている(to remember)
覚えていない(not to remember)
なぜ「知る」の場合だけ、「~ていない」が使えないのか、不思議な気がします。
結局、わかりやすい説明はできないので、Dには、
「なぜかはわからないけど、そう言うんだよ。覚えておこう!」
というしかなさそうです。
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