犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

医師出身、40歳の東大投手

2017-04-16 23:14:12 | 大阪暮らし

 韓国大統領候補の安哲秀氏が、医者からIT企業を創業、政界に進出という異色の経歴であることは、先にご紹介した通り。

 東大野球部の伊藤一志選手の経歴も異色です。

 まず、40歳という年齢。

 伊藤さんは、2015年に東大野球部に入部。今年3年生ですが、新人戦にデビュー。今年から制度が変わった東京六大学のフレッシュリーグ(新人戦)は、東大に限って3、4年生が出られるという特別ルールがあるそうな。東大はスポーツ推薦がないので、入部は4月の入学以後。1年生は入学前に準備ができないので、東大だけ特別に3、4年生が出ることを認められているんだとか。

 でも、40歳って、ふつうプロ野球でも引退する年齢なのに、すごい!

 そして、もう一つ異色なのが、前職は医師であること。東大入学前は埼玉医大の麻酔科助教授。

 いろいろなネット情報を総合すると、伊藤さんは小学生のときに少年野球を2年ほどしていましたが、中学高校は剣道部。高校2年生のとき、テレビで東京六大学の野球を見ていて、東大が法政から勝ち点を挙げたのを見て、東大野球部に憧れたそうです。さぞ感動的な試合だったのでしょう。

 今40歳の伊藤さんが高校2年のときならば、おそらく1994年のシーズン。東大は、2011年から15年まで、勝ち点はおろか、94連敗という不滅の連敗記録を打ち立てましたが、過去は、「赤門旋風」と言われた1981年の4位(6勝7敗、勝ち点2)なんていうときもありましたし、90年代半ばは毎年のように勝ち点を挙げていました。

 伊藤さんは、1976年8月生まれ。東大野球部入部を夢見て、東大を受験したけれどもかなわず、一浪して慶応に進学。その間も東大受験を繰り返したそうです。慶応卒業後、医師になるために日本医大に進学。医大時代には、準硬式野球チームでエースの4番として活躍し、優勝したこともあるそうです。

 2008年、31歳のときに医師の国家試験に合格して医師に。病院で麻酔科医として勤務しながらも、再び受験勉強に取り組み、なんと12回目のチャレンジで、2012年東大文Ⅲに合格。

 4年間、野球部に打ち込むために、合格後3年間休学して学費と生活費を貯金したというのもすごい。反対しなかった奥さんもえらい!  

 そして2015年4月に入学して、38歳の野球部新入部員となったのでした。

 伊藤さんのデビュー戦は、4月15日のフレッシュリーグ、対慶応戦。

 初球は91キロのナックルでストライクをとったが、追い込んでから右前に運ばれた。2番打者にも安打を打たれて先制されると、四球や失策も絡んで4失点。打者9人に対し、最速108キロの直球を織り交ぜながら2安打で自責点1だった。(朝日新聞)

 結局、伊藤選手は2回で降板。5回を終わって東大4-慶応15で規定時間となり打ち切り。初戦は不本意な結果に終わったようですが、不惑の投手、ぜひ頑張ってほしいものです。


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2 コメント

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ほんとこれすごい話 (のりみ)
2017-04-17 10:13:42
私もニュースで聞いてびっくりしました。

40歳!?
元医師!?
東大野球部に憧れて???

1994年といえば、ちょうど私が4年生のときです。
そんなころに、六大野球ってテレビ中継なんてされていましたっけ???
もしかしたらその東大が法政に勝ったというのも結構騒ぎになっていたのかもしれませんが、応援部にいたくせに野球に全然興味なかった私はあまりよく覚えていませんw

各学校の応援部に、優勝したときくらいにしか行われない「伝統の勝利の拍手」という、秘伝中の秘伝、奥義中の奥義があるのですが、東大は点が入った時にはもうそれを披露していたことを思い出しますwww

40歳の伊藤選手にも、是非その「伝統の勝利の拍手」を送ってあげてほしいと願ってやみません。
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奥義中の奥義 (犬鍋)
2017-04-23 23:52:37
東大の試合では、盛り上がれる場面がとても少ないので、ヒット一本でかなり盛り上がります。

守備では、エラーや四球がとても多い。それで、ふつうにゴロを処理してアウトにしたり、果てはストライク一つにも拍手が出ます。

私が見に行ったとき、珍しくダブルプレーをとって、試合に勝ったような盛り上がりぶりでした。

フレッシュリーグの次の試合は5月6日の朝8時。伊藤選手が投げる保証もないので、見に行くかどうか迷います。
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