犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

花粉症の人にはパラダイス

2006-04-08 10:26:45 | 日々の暮らし(韓国~2007.7)
今日はひどい黄砂(韓国式には黄沙かな)です。遠くのほうはぼんやり霞んでます。韓国ではこの時期,ゴビ砂漠からの風に乗って,大量の黄砂がやってきますね。「黄砂アレルギー」ならずとも,喉がいたくなったり目がしょぼしょぼしたりします。だいたい,息するだけでほのかな土ぼこりの匂いが鼻をつきます。

2002年の記録的な黄砂のときには,全国的に多くの学校が休校になりました。

黄砂があるとはいえ,こっちは「花粉症」がないんですね。
日本の本社スタッフの中には重症の花粉症が何人もいて,そういう人がたまたまその時期に韓国に出張にきて,とても過ごしやすいと言っていました。年間計画立てるとき,わざといちばん花粉がひどいときに韓国出張を組んでおくなんてのもいいかも。
アレルギーの辛さは,そうでない人にはなかなかわかりませんが,たいへんらしいですね。このまえ出張に来た患者は,目玉をとりだして水洗いしたいくらいだと言っておりました。私はいまのところ大丈夫ですが,こればかりはいつ発症するかわからないそうで。

韓国になぜ花粉症がないかというと,杉がないからです。
なぜ杉がないかというと,育たないからです。
なぜ育たないかというと,杉の根が張れないからだそうです。
韓半島は地盤が古くて,大きな岩盤が表土付近に露出しています。杉は,根が地下に垂直に伸びなければならないのですが,この岩盤にはばまれて,根が張れない。それで育たないということです。こういう地質でたくましく生きられる樹種は,いうまでもなく松ですね。根が横に伸びて,岩盤をがっちりとつかむように根を張りますから。

日帝時代(日本に植民地支配された時代を韓国ではこういいます)に,日本はずいぶん杉を植えようとしたけれど,うまくいかなかった。杉は生育が早く,またまっすぐ伸びるので建材としてすぐれている。で,日本では明治以来どこもかしこも杉を植林し,国中杉だらけになっちゃった。それでいま,国じゅう花粉症だらけなんですね。

日本の杉植林が失敗したおかげで,韓国はいま,花粉症の人にとってのパラダイス,3月、4月の「避粉地」になりえたわけです。

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