写真:橘金太(甲本雅裕)と安子(上白石萌音)
今、再放送されている朝ドラ、「カムカムエヴリバディ」の主人公、安子の実家は「たちばな」という和菓子屋さん。「おはぎ」が評判です。父親(金太)の死後、安子はおはぎの味を受け継ぎます。
一つ前の朝ドラ、「虎に翼」にも、「竹もと」という甘味処が出てきます。桂場等一郎(松山ケンイチ)のお気に入りがあんこの串団子。梅子が店を引き継ぐにあたり、あんこの味を吟味していました。
あんこは、昔から日本人の心の琴線にふれる味だったようです。
あんこの材料は、いうまでもなくあずき(小豆)。
日本におけるあずきの歴史は、お米より古いらしい。
科学雑誌『ニュートン』10月号に、興味深い記事がありました。
あずきは、日本で栽培が始まったというのです。
国立遺伝学研究所の斎藤成也名誉教授によると、最新のゲノム研究によって、あずきの起源が日本であることが明らかになったそう。
斎藤:植物で興味深いのは、日本人になじみ深い「アズキ」の起源が明らかになったことです。従来、アズキは中国大陸が起源で、それが日本に持ちこまれたと考えられていました。ところが、アズキの核ゲノムと葉緑体ゲノムの解析から、実は縄文時代の日本が起源であり、日本で栽培されたアズキがユーラシア大陸に広まったことがわかりました。
米が日本に来たのは弥生時代。
縄文時代は、狩猟・漁労以外に、おもにどんぐりを食べていた(採集)と思っていましたが、アズキの栽培もおこなっていたようです。
ほとんどの栽培植物が大陸からやってきたなかで、アズキ栽培が日本発祥というのは驚きでした。
あんこを愛する嗜好は、それほど古くから、日本人のDNAに組み込まれていたようです。
同じ10月号には、日本人の起源についての最新学説もあって、大変興味深かったです。
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