犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

韓国便り~事務所移転

2008-04-28 00:13:33 | 韓国便り(帰任以後)
 近々,わがソウル事務所が移転することになりました。

(犬鍋屋に続いてわが社もか…)

 ある日,事務所に見知らぬ日本人から電話がかかってきたそうです。

「○○社さんですね。今,事務所は○○ビルですよね」

「はい,そうですが?」

「建物の居心地はいかがですか?」

「はあ,でもどうしてですか」

「いや,○○社さんがまもなく移転されると聞いて,弊社がそこに入るかどうか検討しているのです」

(!!!)

 駐在員には寝耳に水でした。さっそくビルのオーナーに確認すると,

「一カ月後に立ち退いてほしい」

とのこと。わが社はフロアの半分ほどを借りているのですが,その両隣が出て行って現在空室(たまたまなのか追い出したのはわかりませんが)。それで,1フロアー全体を借りてくれる所に貸したいので,われわれに出て行ってほしいというのでした。

 そして,我々が出て行くことを了承してもいないのに,すでに入居者を募集しているということが先の電話でわかったのです。

(韓国だなあ)

 韓国は大家の力が圧倒的に強く,大家の勝手な都合で店子を追い出します。それで不動産関連のトラブルが絶えません。たいていは店子の泣き寝入りです。

 しかし突然1カ月後に立ち退けと言われても無理というものです。時期については大家と交渉中ですが,早晩立ち退かされることでしょう。


 最近,ちょうど逆のケースを日本で聞きました。

 私の友人が今引っ越しを検討しています。なんでも,マンションの上階に住む人がちょっとおかしいらしい。夜中に突然訪ねてきて,

「おたくの階下の人(つまり,その人の家からは2フロアー下の住人)がうるさくないか」

と聞く。いや,別にそんなことありませんが,というと,

「いや,そんなはずはない」

といって,階下の人の悪口を並べ立てる。そのうちに,ベランダに出て,

「○○! うるさーい,静かにしろ」

などと叫び始めた。
 まもなくして,階下の住人はたまらず転居。すると今度はその矛先が友人宅に向けられ始めた。

 大家に相談すると,その住人は前からいろいろなトラブルを起こしていて,出ていってほしいのだが,法律上追い出すことができないのだそうです。

「条件がいいのに,ずいぶん家賃が安いなあと思っていたんですよね。でも,こういう人がいるということを隠して契約するなんて…」

と友人は怒っています。韓国の大家なら即刻追い出すことでしょう。

 再開発も同じ。

 先に書いた犬鍋屋さんもそうですが,韓国はあっというまに再開発が進む。森ビルがアークヒルズの開発をするとき,そこに住んでいた人々から土地を買い上げるのにたいへんな苦労をしたという話をテレビ番組で見ましたが,韓国の再開発はだいたい国家の肝入りなので,強権発動,問答無用で追い出すようです。

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