今年の流行語大賞に、ONE TEAMが選ばれました。ラグビーワールドカップにちなむ流行語ですね。
それを伝える韓国の新聞記事を拙訳で紹介します。
毎日経済新聞 2019年12月9日(リンク)
JAPAN NOW 日本のラグビーワールドカップブーム…今年、日本で最も流行った言葉は「One Team」
「一つのチーム(One Team)」
12月2日、日本の新造語・流行語授賞式で大賞に輝いた、2019年ラグビーワールドカップ日本代表チームのスローガンだ。
今年は特に競争が激しかった。5月、31年ぶりに日王(韓国における天皇の呼び方)が交代し、年号が「平成」から「令和」に変わった。日王の象徴性にあいまって、依然として公文書などで年号が使われていることを考えれば、「令和」に勝てる流行語はないだろうとみられていたが、結果は違った。
消費税率引き上げに伴う負担を減らすために、日本政府が導入した「軽減税率」も新造語・流行語大賞有力候補だったが、ラグビーワールドカップには勝てなかった。9月20日から11月2日まで開かれたラグビーワールドカップでは、合計93か国による予選を勝ち抜いた20か国の代表チームが参加した。優勝は南アフリカだったが、日本代表も、史上初めてベスト8に進み、大きなブームを巻き起こした。
ラグビー部が、大学ではかなり人気のある部活動であることを見ても、ラグビーが日本文化にかなり浸透しているのは事実だ。とはいえ、ラグビーはまだ限られた人たちの間で人気のあるスポーツにすぎなかった。
日本政府や大会組織委員会も、大会を誘致したものの、直前まであまり大きな注目を集めていなかったため、戦々恐々としていたほどだ。組織委員会では、「4年に一度ではなく、一生に一度しかないラグビーワールドカップ」という謳い文句で大々的な広報に乗り出した。また、日本のメディアも、なじみのないラグビーのルールを、メインニュースのかなりの時間を割いて説明するなど、盛り上げに必死だった。
ワンチーム、「人種和合」が話題に
日本の国家代表チームは、予選リーグと決勝トーナメントを通じて4試合に勝利し、期待以上の興行的な成功を収めた。日本が南アフリカを相手に行った準々決勝は、平均視聴率41.6%(瞬間最高視聴率49.1%)を記録した。今年放送された番組の中で、今のところ平均視聴率1位だ。高まった関心のおかげで、日本の試合だけでなく、他の国の試合でも日本人の観客で客席がいっぱいのなるほどだった。
日本の国家代表チームの善戦は、まったく予想していなかった反響も呼んだ。
日本人と外国人を分ける基準は何か、という問題提起を投げかけたのだ。ラグビーの国家代表選手になるためには、その国の国籍が必ずしも必要ではない。その国のプロリーグで3年以上活躍したり、その国での居住期間が10年以上だったり、一定の基準を満たしていればよい。
今回、ワールドカップに出場した日本代表チームは計31人だが、そのうち外国出身者が15人に達している。主将は、ニュージーランド出身のリーチ・マイケル選手だ(2013年、日本に帰化)。リーチ選手のように日本に帰化した選手は7人で、8人は純粋な外国人だ。その選手たちの国籍は、韓国(具智元選手)をはじめ、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ共和国など、多様である。
一見して日本人とは違う選手たちが日本代表として汗を流して駆け回る姿は、日本人と外国人の基準について、多くの日本人をとまどわせた。今年の1月、アジア選手として初めて女子プロテニスランキング1位になった大坂なおみ選手のたどたどしい日本語もまた、多くの日本人に同じ問いを投げかけた。今年、日本において、外国人労働者に、一定の制限下で移民と似たメリットが受けられる制度が始まった。
一人、二人のスポーツのスター選手と大型のイベントだけで、大きな変化を期待するのは無理だ。日本は依然として、世界的に見ても、外国人に対する高い障壁を設けている悪名高い国だ。その中でも特に韓国人、在日同胞などに対する差別は、多くの批判にもかかわらず、むしろ悪化しているのが現実だ。
ただし、人口減少への対策として、日本も外国人を新たな視点で見ようとする試みが開始されているというのが、無視できない変化だ。韓国は、日本より高齢化・少子化の速度が速い。韓国もまた外国人に対して友好的な国家と見るのは難しい。いつのまにか韓国社会の一部となった外国人との共生・共存策について、韓国社会もまた悩まなければならない時だ。
この報道があった4日後、具智元(ク・チウォン)選手は日本国籍を取得しました。(リンク)
具選手は、「韓国人、在日同胞などに対する差別は、多くの批判にもかかわらず、むしろ悪化している」と感じていたでしょうか。
日本代表チームで活躍する具選手は、ワールドカップが開催されていた間も、韓国でほとんど報道されることはありませんでした。
「なぜ韓国人が日本の代表チームに…」。
韓国人にとって、ありえないこと、あってはならないことだったので、無視されたのではないでしょうか。
具選手が日本に帰化した理由は報道されていませんが、具選手に対する韓国からの風当たりや、現在の日韓関係に、複雑な思いを持っていただろうことは、想像に難くありません。
具選手には、これからも韓国出身日本人として、日本代表チームで活躍してほしいものです。
〈参考記事〉
日韓でスコットランド戦の応援を!(リンク)
それを伝える韓国の新聞記事を拙訳で紹介します。
毎日経済新聞 2019年12月9日(リンク)
JAPAN NOW 日本のラグビーワールドカップブーム…今年、日本で最も流行った言葉は「One Team」
「一つのチーム(One Team)」
12月2日、日本の新造語・流行語授賞式で大賞に輝いた、2019年ラグビーワールドカップ日本代表チームのスローガンだ。
今年は特に競争が激しかった。5月、31年ぶりに日王(韓国における天皇の呼び方)が交代し、年号が「平成」から「令和」に変わった。日王の象徴性にあいまって、依然として公文書などで年号が使われていることを考えれば、「令和」に勝てる流行語はないだろうとみられていたが、結果は違った。
消費税率引き上げに伴う負担を減らすために、日本政府が導入した「軽減税率」も新造語・流行語大賞有力候補だったが、ラグビーワールドカップには勝てなかった。9月20日から11月2日まで開かれたラグビーワールドカップでは、合計93か国による予選を勝ち抜いた20か国の代表チームが参加した。優勝は南アフリカだったが、日本代表も、史上初めてベスト8に進み、大きなブームを巻き起こした。
ラグビー部が、大学ではかなり人気のある部活動であることを見ても、ラグビーが日本文化にかなり浸透しているのは事実だ。とはいえ、ラグビーはまだ限られた人たちの間で人気のあるスポーツにすぎなかった。
日本政府や大会組織委員会も、大会を誘致したものの、直前まであまり大きな注目を集めていなかったため、戦々恐々としていたほどだ。組織委員会では、「4年に一度ではなく、一生に一度しかないラグビーワールドカップ」という謳い文句で大々的な広報に乗り出した。また、日本のメディアも、なじみのないラグビーのルールを、メインニュースのかなりの時間を割いて説明するなど、盛り上げに必死だった。
ワンチーム、「人種和合」が話題に
日本の国家代表チームは、予選リーグと決勝トーナメントを通じて4試合に勝利し、期待以上の興行的な成功を収めた。日本が南アフリカを相手に行った準々決勝は、平均視聴率41.6%(瞬間最高視聴率49.1%)を記録した。今年放送された番組の中で、今のところ平均視聴率1位だ。高まった関心のおかげで、日本の試合だけでなく、他の国の試合でも日本人の観客で客席がいっぱいのなるほどだった。
日本の国家代表チームの善戦は、まったく予想していなかった反響も呼んだ。
日本人と外国人を分ける基準は何か、という問題提起を投げかけたのだ。ラグビーの国家代表選手になるためには、その国の国籍が必ずしも必要ではない。その国のプロリーグで3年以上活躍したり、その国での居住期間が10年以上だったり、一定の基準を満たしていればよい。
今回、ワールドカップに出場した日本代表チームは計31人だが、そのうち外国出身者が15人に達している。主将は、ニュージーランド出身のリーチ・マイケル選手だ(2013年、日本に帰化)。リーチ選手のように日本に帰化した選手は7人で、8人は純粋な外国人だ。その選手たちの国籍は、韓国(具智元選手)をはじめ、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ共和国など、多様である。
一見して日本人とは違う選手たちが日本代表として汗を流して駆け回る姿は、日本人と外国人の基準について、多くの日本人をとまどわせた。今年の1月、アジア選手として初めて女子プロテニスランキング1位になった大坂なおみ選手のたどたどしい日本語もまた、多くの日本人に同じ問いを投げかけた。今年、日本において、外国人労働者に、一定の制限下で移民と似たメリットが受けられる制度が始まった。
一人、二人のスポーツのスター選手と大型のイベントだけで、大きな変化を期待するのは無理だ。日本は依然として、世界的に見ても、外国人に対する高い障壁を設けている悪名高い国だ。その中でも特に韓国人、在日同胞などに対する差別は、多くの批判にもかかわらず、むしろ悪化しているのが現実だ。
ただし、人口減少への対策として、日本も外国人を新たな視点で見ようとする試みが開始されているというのが、無視できない変化だ。韓国は、日本より高齢化・少子化の速度が速い。韓国もまた外国人に対して友好的な国家と見るのは難しい。いつのまにか韓国社会の一部となった外国人との共生・共存策について、韓国社会もまた悩まなければならない時だ。
この報道があった4日後、具智元(ク・チウォン)選手は日本国籍を取得しました。(リンク)
具選手は、「韓国人、在日同胞などに対する差別は、多くの批判にもかかわらず、むしろ悪化している」と感じていたでしょうか。
日本代表チームで活躍する具選手は、ワールドカップが開催されていた間も、韓国でほとんど報道されることはありませんでした。
「なぜ韓国人が日本の代表チームに…」。
韓国人にとって、ありえないこと、あってはならないことだったので、無視されたのではないでしょうか。
具選手が日本に帰化した理由は報道されていませんが、具選手に対する韓国からの風当たりや、現在の日韓関係に、複雑な思いを持っていただろうことは、想像に難くありません。
具選手には、これからも韓国出身日本人として、日本代表チームで活躍してほしいものです。
〈参考記事〉
日韓でスコットランド戦の応援を!(リンク)
もし上記が本当なら、それを助長してきたのは何か胸に手を当ててみるのもジャーナリストには必要かと。
「在日?」と聞くと、「在日じゃなくて、お母さんが韓国人」という答え。
父親の国籍を選んだから日本人で、在日韓国人ではないということなのでしょう。
差別があったかなかったか、話題にしなかったのでわかりませんが。