写真:2022年、第56回大統領杯全国高校野球大会で優勝したテジョン高校
今回のWBCは、韓国は1次ラウンドで敗退、日本は全勝で優勝という対照的な結果となりました。
韓国のマスコミは、日韓の野球の選手育成システムについて、ああだこうだと比較していました。
この中で、朝鮮日報の3月23日付記事に、こんな記述がありました。
■次元の違う基盤、世代交代に成功
日本高等学校野球連盟(高野連)によると、2022年現在で日本には高校野球チームが3857チームあるという。これは韓国(88チーム)の40倍超だ。それだけ野球のすそ野が広く、基盤がしっかりしていて、生活の至る所に浸透している。野球女子韓国代表チームのヤン・サンムン監督は「日本の高校野球チームの中で、韓国のようにエリート野球をしている所だけでも200チーム以上ある」「こうしたチームが甲子園(日本で最も権威のある高校野球全国大会)のような大会で激しく競争して実力をつけているため、優秀な選手が続々と輩出されている」と語った。
私はこのブログを始めた年に、韓国の高校野球について調べたことがあります。
韓国の高校野球
そのとき(今から15年以上前)、韓国で野球部のある高校は50余りしかなかった。
日本は、夏の高校野球予選に参加したチームが、4,112校ありました。日本は児童数減少で学校や部活の統廃合があり、韓国の記事によれば3,857校と、年々減っています。
一方、韓国の野球チームは、今は88校ということですから、当時の50校余りよりは増えています。問題は、「大会の予選に出場するチームが88校」という意味ではなく、「野球部のある高校」が88校しかない、という点です。
「エリート野球をしている所」という意味がよくわかりませんが、日本でいえば、スポーツ推薦制度があり、中学生をスカウトしているような高校、という意味でしょうか。
韓国の場合は違います。
野球部の生徒は、毎日、野球の練習に明け暮れ、勉強はいっさいしません。野球の場合は、プロ野球を目指して、ほかのスポーツでは「国家代表選手」を目指して、合宿生活を送りながら、練習漬けになります。これが、「エリート野球」の意味なんですね。
で、国民は、部活をしている「エリート」をどう見ているかというと、「頭が悪くて、運動するしかない奴」と蔑んでいるのです。
「選手のすそ野が狭い」ということより、運動選手に対する国民のこのような視線のほうに問題があるように思います。
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