イフガオの町で、「スモーキング・フリー」というポスターを見ました。
「タバコが無料なの?」
ダニエルに聞くと、
「いえ、売ってないんです。『タバコがない』と言う意味です」
「売ってない?」
「モマがあるから、タバコは必要ないんだよ」
隣から、ダニエルのおじさん(イフガオ人)が説明してくれます。
「モマ?」
「これだよ」
地面の赤い染みを指さします。
「血ですか?」
「ハハハ、モマだよ。あとで教えてあげる」
レストランに入ったとき、おじさんがモマを買ってきてくれました。
「あっ、檳榔(ビンロウ)ですね」
台湾で見たことがありますが、試したことはありません。
プドゥと呼ばれる植物の葉にモマ(ビンロウ)の実を乗せ、白い粉(石灰=タニシの殻をすりつぶしたもの)を振りかけて包み、口に放り込んで噛みしだく。唾液と混ざると、何らかの化学反応が起きて、赤い汁がにじんでくるが、これを飲み込むと体によくないらしい。モマをやっている人は、したがって、血のような唾をところかまわずペッペッと吐き、あたりは血痕だらけになる、というわけです。
おじさんが示してくれたお手本に見習って、私もやってみましたが、苦くて、渋くて、とてもおいしいものではない。すぐに全体を吐き出しました。我慢して噛み続けると、体がポカポカし、陶酔感が得られるとのこと。麻薬の一種なのでしょう。
かつてはマニラなどの低地でも好まれた嗜好品だそうですが、支配者のスペイン人、アメリカ人から嫌われ、今ではイゴロットにのみ残っているとのことでした。
昼食のとき、レストランのベランダに出てみると、床に赤い染みが。
「モマですね?」
「いや、これは血です」
「えっ、血?」
「この店は新しくできた店で、これからの店の発展を祈念して、ブタをさばいた時に、ブタの血を建物のいろいろなところに擦り付けておくんです」
(!!!)
「タバコが無料なの?」
ダニエルに聞くと、
「いえ、売ってないんです。『タバコがない』と言う意味です」
「売ってない?」
「モマがあるから、タバコは必要ないんだよ」
隣から、ダニエルのおじさん(イフガオ人)が説明してくれます。
「モマ?」
「これだよ」
地面の赤い染みを指さします。
「血ですか?」
「ハハハ、モマだよ。あとで教えてあげる」
レストランに入ったとき、おじさんがモマを買ってきてくれました。
「あっ、檳榔(ビンロウ)ですね」
台湾で見たことがありますが、試したことはありません。
プドゥと呼ばれる植物の葉にモマ(ビンロウ)の実を乗せ、白い粉(石灰=タニシの殻をすりつぶしたもの)を振りかけて包み、口に放り込んで噛みしだく。唾液と混ざると、何らかの化学反応が起きて、赤い汁がにじんでくるが、これを飲み込むと体によくないらしい。モマをやっている人は、したがって、血のような唾をところかまわずペッペッと吐き、あたりは血痕だらけになる、というわけです。
おじさんが示してくれたお手本に見習って、私もやってみましたが、苦くて、渋くて、とてもおいしいものではない。すぐに全体を吐き出しました。我慢して噛み続けると、体がポカポカし、陶酔感が得られるとのこと。麻薬の一種なのでしょう。
かつてはマニラなどの低地でも好まれた嗜好品だそうですが、支配者のスペイン人、アメリカ人から嫌われ、今ではイゴロットにのみ残っているとのことでした。
昼食のとき、レストランのベランダに出てみると、床に赤い染みが。
「モマですね?」
「いや、これは血です」
「えっ、血?」
「この店は新しくできた店で、これからの店の発展を祈念して、ブタをさばいた時に、ブタの血を建物のいろいろなところに擦り付けておくんです」
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