
朴裕河教授が2023年10月に、刑事裁判で逆転勝訴判決を受けたとき、「朝鮮日報」が次のような記事を書きました。
朴裕河教授に「親日」の烙印を押した人々、韓国大法院判決に立場を表明せず
そこに次のようなくだりがありました。
進歩(革新)系最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表は、城南市長時代の2015年2月15日、朴教授の著書を巡る論争を取り上げた記事をフェイスブックでシェアした。その上で「この女…まだ教授職を維持しているのか? どうしてこんな人間と共に天を頂いて息をつくことができるだろうか…(泣) 清算すべき親日の残滓(ざんし)たち…」と書き込んだ。この書き込みには4700の「いいね」とおよそ660件のコメントが付いたが、その相当数は下品な言葉と悪口でつづられていた。李代表はその後、「この女」という表現を「この教授という人」に修正した。
記事で引用されている李在明のSNSが冒頭写真。韓国経済新聞の報道(リンク)には、次のような記事もありました。
琴泰燮(クム・テソプ)前議員は、李在明代表が当時「その本(『帝国の慰安婦』)を読んだのか」という質問に「匂いを嗅ぐだけで十分だ」と答えたことを指摘し、「李代表の歴史に対するあからさまな反知性的態度に衝撃を受けた記憶がある」と語った。
李在明は本も読まずにその著者を批判していたんですね。
ところで、最初の記事に、李在明が当初、「この女」と書いていた部分を、あとになって「この教授という人」に修正したという内容がありました。
理由は、「この女」という表現が侮蔑表現だからです。
韓国語で「女の人」を表す言葉には、
여성(ヨソン、女性)
여자(ヨジャ、女子)
여인(ヨイン、女人)
などがあり、これらはすべて漢字語。
ヨソンがもっともニュートラルで、ヨジャがややくだけた表現。ヨインは詩的。
ヨジャは文脈によって、侮蔑的なニュアンスをともなうことがある。上の記事の例のように「이(イ、この)」と組み合わせると、侮蔑度が高まります。朝鮮日報日本語版で「この女」と訳されていますが、似たニュアンスでしょう。
固有語には계집(ケチプ)というのがあり、こちらはさらに侮蔑的。
ほかに完全な侮蔑語として년(ニョン)があり、日本語の「あま」に当たります。
韓国語は日本語に比べ侮蔑語が発達しています。
韓国語の辱説(罵り言葉)
李在明も、SNSを読んだ人から、「これはひどい」と言われて、別の表現に変えたのでしょう。
現在拘束中の尹錫悦大統領が罷免された場合、この李在明氏が次期大統領の最有力候補なんだそうです。こんな差別表現を使う人に大統領になってほしくないものです。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます