先週の土曜日、息子の通った保育園の卒園式でした。
今、高校生の長女が1歳になる前から通いだしていますから、15年と少し、私も送迎で通い続けました。
さらに、何のご縁か、保護者会の役員も10年。
思い入れたっぷりですね。
そんな役員としての最後のお勤めとして、保護者代表の謝辞を担当することに。
今までも2回、役員として子どもを卒園させる機会があったのですが、「男がするより、お母さんが情感たっぷりに謝辞を読むほうが雰囲気いいでしょ」と断ってきました。
が、さすがに最後の機会ということで引き受けることに。
そのことは4月の役員から決まっていたのですが、謝辞の内容に取り掛かったのは2週間ほどでしょうか。
しかし、それ以前からその最後の言葉に向けての思い入れはどんどん募ってきます。
まぁ、私がするのですから、当然普通の型どおりのものはしない…というのは決めています。
じゃあ、どうするのか。
自分の思い入れを探ることからはじめました。
まずは、主役は子どもだから、子どもも一緒に聞いてわかるようにしたい。
もしかしたら、卒園したら真宗とのご縁が遠のく家庭もあるだろうから、できれば真宗の教えを印象付けたい。
保育園が取り組んできたことを芯にすえたうえで、あまりかけ離れないように。
なにより、先生方への感謝の気持ちを、保護者代表として、そして私個人として伝えたい。
いやぁ、欲張りすぎました。
考えれば考えるほど、枝葉が広がって…
そこで、思いをできるだけひとつのテーマに乗せようと。
そうやって決めたのが「ありがとう」という言葉でした。
思いを全部そこにつなげようと。
幸いなことに、担任してくださった先生が最後に子どもたちに伝えてくれたのも、「ありがとう」のこころでした。
ありがとう
有り難い = 当たり前じゃない
かけがえがない
そういうことを、「今、ここに、私が」居るということから感じてもらえればうれしいなと。
どこまで伝わったか、はたまたすぐに消えていくのか…
でも、私は言葉にして外に出すところまでです。
あとは、ご縁のある方々に自由にしていただければ…というより、そうでしかありませんよね。
せっかくなんで、ここにその言葉を記しておきます。
途中、一人一人の先生の名前を呼んで、その一人一人に「ありがとうございます」を言わせてもらいました。
ここはちょっと演出が入ってますけどね。
そこは省いておきます。
子どもたちの卒園という喜ばしいときに、保護者の代表として謝辞を述べさせていただきます。
「謝辞」というのは「ありがとうの言葉」ということです。
君たち、今日卒園するみんなのおとうさんやおかあさんから、保育園の先生方に「ありがとう」の気持ちを伝えるための言葉です。
いっしょに聞いていてください。
今日の卒園にあたり、ありがとうの気持ちを伝えたいと思います。
この子たちが生まれたとき、おとうさんやおかあさんはとてもうれしく思いました。
ずっとそばにいて、いろんなことを教えたり、いろんな楽しい時間をすごしたり、いっしょにいたいと思っていました。
でも、仕事をしたり、家のことをしたり、おとうさんやおかあさんの時間も必要でした。
だから、このZ保育園で、おとうさんやおかあさんのかわりに先生方にいろんなことを教えてもらいたいと思いました。
それから数年間、子どもたちはいろんな経験をして、今日卒園の日まで育てていただきました。
ありがとうございます。
考えてみると、こうして無事卒園することは当たり前のことのように思ってしまいます。しかし、そうやって当たり前だと思える裏には、どれだけ先生方のご苦労があったか計り知れません。
ありがとうございます。
今ここにこうして居る子どもたちの中には、先生方に教えていただいた多くのことが詰まっています。
言葉を当たり前のように話します。
文字を当たり前のように読みます。
歌を当たり前のように歌います。
踊りを当たり前のように踊ります。
計算を当たり前のようにします。
それらは先生方に教えてもらったことです。
ありがとうございます。
多くの先生との関わり、その中のほんのひとつでも欠けていたら、今のこの子たちはありません。
ありがとうございます。
多くの行事の思い出、その中のほんのひとつでも欠けていたら、今のこの子たちはありません。
ありがとうございます。
当たり前のように過ごして、当たり前のようにやってきた今日という日。
そのことが一番有難いことだと思います。
ありがとうございます。
ここに当たり前のようにZ保育園があること。
そこには多くの人の関わりがあって、ここに在り続けてくれています。
ありがとうございます。
園長先生 ありがとうございます。
○○先生 ありがとうございます。
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今はここに居ないけれど、この子達の歴史の中に関わってくださったたくさんの先生方もありがとうございます。
そして、卒園し小学生に巣立っていく難しい一年を、大事に大事に育ててくださったT先生。
本当にありがとうございます。
皆様が居てくださったこと。
この子たちがここに居ること。
そのことが、おとうさん、おかあさんは一番うれしく思います。
ありがとうございます。
このZ保育園で教えてもらったたくさんこと。
仏参や行事や食事の言葉を通して教えてもらった
おかげ・ご恩・感謝のこと
きっとこの子たちの中に刻まれています。
ありがとうございます。
最後にひとつだけお願いがあります。
Z保育園として、ずっとここに在り続けてください。
出来るだけ先生もここに居続けてください。
これからこの子たちの節目や、何かを感じたときに、帰ってこれる場所であってください。
この子たちの成長していく中の一部分がここにあったこと。
かけがえのない場所であり時間であったこと。
いつでも帰ってこられる場所であること。
そういう場所がいつまでもあれば、こんなにうれしいことはありません。
ありがとうございます。