「育児に追われる“育児休業の実態”を理解していない」などと批判が集中し炎上しているそうだ。そういう意見もあるだろう。私も常々、学ぶことで生命が脅かされるくらいなら命の方を大切にするように言い続けている。睡眠時間が確保できていない人が学位を目指すのは誤っている。その昔、癌の方が病苦の中、遠隔地から大学院に通学して、学位取得後亡くなったという話を聞いたときは、「それが本当に正しいことなのか、、、」と愕然としてものである。
ただ、自民党、大家参院議員 の「(産休・育休の期間に)リスキリング(学び直し)によって、一定のスキルを身につけたり、学位を取ったりする方々を支援することができれば、子育てをしながらもキャリアの停滞を最小限にしたり、逆にキャリアアップが可能になることも考えられます」 という意見が、本当に炎上するほど悪意に満ちたものなのか、あるいは、岸田総理が産休・育休中に資格・学位を取得するなどの「学び直し」をする人たちを後押ししていくことは間違ったことなのか・・・私は、ついつい、天邪鬼的な見方をしてしまう。
というのも、我が母校の卒業生を例に出して申し訳ないのだが、この話を聞いた時、カリカリ梅で有名な赤城フーズの遠山昌子社長のことを思い出したから。
彼女は、宝塚を退団したあと、2006年~2010年まで、赤城フーズで仕事をしながら産業能率大学の通信教育で経営の勉強をし、学士の学位を得ている。社会人大学生が働きながら学習するのは普通のこと。ただ彼女は、動画にあるように大学在学中に結婚し、大学4年生の時に第一子を出産しておられる。これって、岸田総理の言うところのリスキリングを実践したと言えないだろうか?
2007年に常務取締役に就任されているので、企業の経営陣として活躍し、結婚し、出産し、そんな中で、学位を取得されている。彼女の履歴を見て「出産育児をしている間は学習できない!」って、総理大臣を批判することが、本当に正義であり、そこに誤りはないのだろうか?
そもそも、せっかく学位取得やリスキリングを後押しするって言っているのに、不要ですって言い切るのは、もし、そのタイミングで学びなおしたいと思っている人がいた場合、学習する機会を奪い取ることにはならないだろうか。
出産、子育てしていても学習できる人はすればいいし、赤ちゃんの夜泣きに寝る時間もないほど子育てしている人は、学習よりも睡眠を取るべきである。ましてや双子、三つ子といったケースや、私が奈良に住んでいた時のように、子どもを療育や通院に連れて行かざるを得ない状況なら、学習より優先すべきものがあるのだろう。
その反面、意欲のあるもののモチベーションを、ハナから無理と思っている人が摘み取る必要もないだろう。そう考えると、今回の施策はあながち叩かれるものではないと思うのだが。。。